【東大リスニング】おすすめ勉強法は?下読みはいつ?難しさのポイントと対策をまとめて解説!
東大の英語2次試験では、試験時間の真ん中にリスニングが実施されます。問題も難しいしボリュームも多い!そのせいで、内容を把握しきれず得点できない……、と悩む東大受験生も多いですよね。
東大リスニング攻略には、傾向に合わせた練習や正確な時間感覚が大切!
今回は東大のリスニング問題で得点するための勉強法を解説します。
東大リスニングの概要
はじめに、攻略すべき東大リスニングの概要を押さえておきましょう。試験時間、配点、そして問題形式についてまとめます。
試験時間
東大の英語2次試験は、全部で120分。大問が5題あるうちの、3番目がリスニングです。
『【東大英語】頻出分野と具体的対策を徹底解説!おすすめ問題集5選も紹介』
共通テストをはじめ、多くの英語試験では試験時間開始直後にリスニングが行われます。
ところが、東大の英語試験は、120分の試験時間が始まって45分後にリスニングが始まる点が特徴。文字通り〔突然、英文が流れ始める〕のです。
リスニングにかかる時間は30分。リスニング終了後はまた、45分間の筆記試験に取り組むことになります。
★ 東大英語試験時間のイメージ:全部で120分
筆記試験(45分) | リスニング(30分) | 筆記試験(45分) |
配点
東大の入試問題は、大学側から配点が公表されていません。
大手予備校の『東大模試』の配点を調査すると、以下の配点であることが分かります。
河合塾 | 駿台 | |
第1問 | 26点 | 26点 |
第2問 | 18点 | 24点 |
第3問 | 30点 | 30点 |
第4問 | 26点 | 20点 |
第5問 | 20点 | 20点 |
120点満点のうち、リスニングはおよそ30点分を占めていますね。大問1題あたりの配点としては最も大きく、東大が英語の聞き取り力を重視していることが見て取れます。
問題形式
東大のリスニング問題は、英文に関する質問に対する答えを選ぶというオーソドックスな形式です。
ただし選択肢が「5つ」と多いのが特徴。これは2018年度入試以降、続いている傾向です。
英文は2回読まれます。
問題は英文の一部を聞き取れれば正解が選べるものと、全体をしっかり聞いて考えないと解けないもの2タイプが混在しています。
リスニングに苦戦する原因は、英文を聞きつつ、情報を整理しつつ、さらに思考しないといけないというさまざまなスキルが同時に要求される点にあるといって良いでしょう。
東大リスニングで悩むポイント&解決法
東大リスニングは特徴のある問題形式だからこそ、受験生はみんな同じようなポイントでつまずくことが多いようです。
多くの東大受験生が抱える悩み、「下読みのタイミング」「英文が流れ始めるまでの心の準備」「膨大な情報を効率的に処理する方法」という3つについて、解決法をまとめました。
下読みはいつがいい?→リスニング直前がおすすめ
リスニング問題は下読み、つまり英文が流れ始める前に問題文を読んでおくのが鉄則です。特に東大リスニングは、内容や英文構造が似た選択肢がずらーっと並ぶため、事前に把握しておかないと、まともに問題を解くことすらできません。
さてここで問題になるのが「下読みはいつするのがベストか?」ということです。試験開始45分後にリスニングが始まるので、十分下読みに時間が割けるわけです。
参考書や東大受験情報サイト、先輩の体験談を見ると、下読みのタイミングは下の2つに大別できます。
(2) リスニングの直前
それぞれメリット・デメリットがありますね。
メリット | デメリット | |
試験開始直後 | 筆記問題を集中して解いていたら、時間の経過に注意が行かず、気づいたらリスニングが始まっていた(下読みができなかった)ことを防げる。 | 下読みからリスニングまで時間が空くので、下読みした内容を忘れやすい。
下読みに熱中し時間をかけすぎると、筆記試験を圧迫することになる。 |
リスニング直前 | 読んだ内容が新鮮なうちに試験が始まり、忘れにくい。 | 下読みを始める時間が気になって、前半の筆記試験に集中しにくい。 |
受験生には、ぜひ「試験開始直後」「リスニング直前」それぞれのタイミングを試してほしいと思います。その上で、自分に合う方法で過去問演習を進めましょう。
迷っている場合は「リスニング直前」に下読みするのがおすすめ。リスニング開始の6~7分前から読み始めると良いでしょう。
選択肢が多いため、5分前だと読み切れないかもしれません。
何分前から読むのがベストか、これもさまざま試してみてください。
いつ始まるか、ドキドキする→「体内時計」を鍛えよう
「試験開始45分後にリスニングが始まる」と分かっていても、いつ始まる?とドキドキ、ソワソワして前半の筆記試験問題に集中できないという悩みがありますか?
解決方法は1つ、過去問等で東大演習を徹底的にやり切ってください。いつリスニングが始まる?と緊張しているうちは、まだ演習量が足りない証拠!
大問ごとに時間配分し、英語演習をやり込みましょう。時計を見なくても、ほぼ正確に経過時間が体感できるようになれば成功です!
ライバルは皆、体内時計を完璧に整えてきます。
リスニングの下読み時間がきたら体内時計が気づかせてくれる……、そんな身体になるまで続けてみてください。
情報量が多くて処理しきれない→問題を“区別”すると◎
東大のリスニング問題は、把握すべき情報量が非常に多いのも特徴です。30分という時間内に流れる英文を聞き取り、整理し、最適な選択肢を選ぶには、戦略的に練習しておくことが大切!
ここで意識したいのが「問題を区別する」という視点です。
東大のリスニング問題には、2タイプの問題があると先に書きました。
(2) 英文全体をしっかり聞いて考えないと解けないもの
下読みの段階で、この2つを区別しておきましょう。これだけで、スクリプトのうち特に注意を向けるべきかが整理でき、聞き取りやすくなりますよ。
また選択肢を比較し、「どんな情報が含まれているか」「他の選択肢と共通する部分/異なる部分はどこか」も発見します。
特に具体的な情報は正解・不正解の決め手になることが多いので、下線を引くなど目立たせておきます。
★ 選択肢に含まれる「具体的な情報」とは?
- 数値
- 場所
- 背景
- 出来事、ものごと
- 話者の主張に合致する部分、反論部分
選択肢を区別し、具体的な情報に注目して下読みしてみてください。きっと、今までとは解きやすさが変わるはず。
あとは演習量を積んでいけば、正答率もおのずと上がっていくはずです。
プラスα!東大リスニング対策におすすめの勉強法
東大英語のリスニングに役立つ、プラスアルファの練習法を紹介します。日頃からコツコツ取り組むべき勉強法や、本番当日の対応力を上げる実践的な方法まで、3つにまとめました。
本番に近い音環境で練習する
リスニングの練習をする時、どんな環境でやっていますか?ノイズキャンセル機能がついたイヤホンやヘッドホン?
たしかに、雑音が少ない方が英文は聞き取りやすいですよね。
でももしかして、学校のテストや模試で「聞き取りにくいなあ」と思ったことはないでしょうか。
本番に強いリスニング力を身に付けるには、できるだけ雑音が多い環境に慣れておくことがコツです。
東大2次試験のリスニングは共通テストのように、一人ひとりにICプレーヤーが配られることはありません。放送で流れます。
教室によっては音がこもったり反響したりすることも考えられますし、外部で大きな音がするかもしれません。
またネイティブスピーカーが聞き取りやすく発音してくれる英文ばかりではありません。速かったり訛っていたりとさまざまです。
よって日頃から、雑音の少ない聞きやすい環境で練習することは「おすすめできない」のです。できるだけ聞き取りにくい、厳しい環境で練習しましょう。
英文にとにかく集中する
リスニング中は「英文にとにかく集中する」ことを心がけてください。
よく、リスニング中に他の大問を解いた方が良いのか?という相談も聞きます。確かにわずかな時間すら惜しいのが東大英語ですから、問題と問題のスキマ時間や2回目の英文が流れているときに、他のことに時間を使いたくなる気持ちもわかります。
しかし他の問題を解くということは、集中をリスニングと筆記とに分散させるということ。東大の問題は「ながら」で解けるほど、易しくはありません。
問題を途中まで解いたところで、またリスニングが始まったとなれば、脳内で情報が錯綜することは目に見えています。どちらも中途半端という最悪の結果にも……。
英文にとにかく集中し、膨大な情報を的確に処理する力をつける。これを日頃から徹底してください。
広い分野の教養を身に付けておく
予備知識の有無が、英文の聞き取りやすさ・理解しやすさに影響するというのは、受験生なら誰でも経験があることでしょう。知っている分野の話はわかりやすい、未知の分野の話はわかりにくい、ということですね。
つまり、自分が「知っている分野」を増やしておけばスピーディーに対応できるテーマが増え、受験で有利に立てる、ということです。
過去、東大リスニングではあらゆる分野が扱われてきました。
★ 東大リスニング問題 テーマの一例
- 自動運転ロボット
- 石油や原子力に代わる再生可能エネルギー
- ブータンの民主化
- オンデマンド書店
- 宇宙エレベーター
- チリの砂漠に作られた世界最大の望遠鏡 など
東大リスニング用の問題集や読解した英文、現代文の評論文も良い題材です。
またTED(Technology Entertainment Design、著名人の講演会を開催・配信している非営利団体)を利用すれば、訛りある英語でさまざまなジャンルの話題に触れることができます。
日常の中で英語を通じて自分を高める、そんな努力を続けていきましょう。
東大リスニング対策におすすめの参考書・問題集
東大リスニング対策にピッタリのおすすめ参考書を5選、ご紹介します。自分に合うものを徹底的に繰り返してみてください。
『東大の英語リスニング20カ年』(教学社)
まずは過去問を。
東大のリスニング問題だけを20年分収録した赤本が『東大英語のリスニング20カ年』(教学社)です。
特に2018年に選択肢が5つになって以降の問題は貴重!一般的なリスニング対策問題集には、選択肢が5つというものがほとんどありません。
本番だと思って、環境を整えて取り組んでみてください。
『CD 2枚付 改訂版 鉄緑会 東大英語リスニング』(KADOKAWA)
東大専門塾・鉄緑会が発行する東大リスニング対策テキストが『鉄緑会 東大英語リスニング』(KADOKAWA)です。
2021年に最新版に改訂され、問題の選択肢が5つになりました。より本番に近い問題が解ける、貴重な問題集です。
本番を想定し、最大7人もの話者を登場させたり、プロ以外のナレーターも起用するなど、難易度の点でも文句なし。
ややお値段は張りますが、本気で東大を目指すならやっておきたい1冊です。
『灘高キムタツの東大英語リスニング』(アルク)
灘高校教師である木村達哉先生が編纂した問題集が『灘高キムタツの東大英語リスニング』(アルク)です。
東大リスニングに合わせて、英文は500~600語の長さを採用。題材も身近なものからアカデミックなものまで幅広く、情報処理の力養成にピッタリです。模擬テストが30問ついているのも見のがせません。
音声はダウンロードして利用するタイプなので、学校や塾への往復中にスマホで聞くこともできますね。
『速読英単語(必修編)』(Z会)
リスニング力の土台を作るのは、英単語力。英単語を覚えるときに、一緒に発音を覚えるという受験生も多いですよね。
音源付きの単語帳として有名なのが『速読英単語』シリーズ(Z会)です。単語だけではなく英文の音源もダウンロードできるので、短い文章を大量に聞く練習ができます。隙間時間の聞き流しにもピッタリですね。
東大受験生には『必修編』はマスト、英語が得意だという受験生は『上級編』もチャレンジしてみてください。
『瞬時にわかる英語リスニング大特訓』(ジェイ・リサーチ出版)
リスニングに苦手意識がある、東大のスクリプトが全然聞き取れない!という受験生には、『瞬時にわかる英語リスニング大特訓』(ジェイ・リサーチ出版)をおすすめします。
聞き取れない原因を一つひとつ解決していくことで、最終的にまとまった英文が聞き取れるようになることを目指します。英語独特の音のつながりやリスニングならではのルールを押さえ、耳を慣らしていきましょう。
まとめ
東大リスニングは、はっきり言って難しいです。短時間で膨大な量の英語情報を処理しないといけないこと、また「リスニングらしい」聞き取りやすい発音が流れるとは限らないことが、難しさの原因。
でも逆に言えば、スピーディーに情報処理できる力を身に付け、どんな訛りも聞き取れるようにレッスンしておけば、ちゃんと解ける問題だということです。
筆記問題もリスニングも盤石な対策を行い、東大合格を手に入れましょう!
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オンライン家庭教師ピースには、東大の学生講師も多数在籍しています。
「リスニング、どんな勉強をした?」
「本番で困ったことは?」
「当日、どうしても聞き取れないときはどうすればいい?」
「下読みはいつがベスト?」
など、気になることも全部聞けますよ!
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