【医学部受験】生物対策完全ガイド!|出やすい分野は?生物おすすめ問題集も紹介
生物選択で医学部を受けようと思うけど、どんな風に勉強を進めていけばいいかわからない、論述問題が多いけど、何をどう書けばいいのか教えてほしい……、そんな悩みを医学部受験生からよく聞きます。
そこで今回は「医学部受験×生物」をテーマに、そもそも理科の選択は「化学&生物」で良いか?という話から始め、頻出分野や効率的な勉強法、おすすめの参考書&問題集までまとめました。
最後まで読めば医学部受験に向けた生物対策はバッチリです。早速、今日から実践してみてくださいね。
医学部志望なら、やはり「生物&化学」?物理を選ぶべき?
医学部は「理科2科目」受験がスタンダードです。科目の組み合わせは「物理&化学」「生物&生物」の2通り。
どちらが有利か?医学部なら生物?と迷うこともありますよね。
はじめに医学部受験における科目選択の考え方から見ていきましょう。
「医学部=生物」ではない!最終的には好みでOK
結論からいうと、「生物&化学」でも「化学&生物」でも、どちらが有利だとか、どちらの方が受けやすいといった差はありません。
また入学後に、どちらの知識があった方が楽か?とも考えなくてOK。受験科目は、自分の得意不得意や好みで決めましょう。
それに受験前から大学入学後のことを案じなくても大丈夫。確かに医者には生物知識が必要ですが、そもそも合格しないと医者にはなれないのですから。
受験科目で選択しなかった方の科目知識も、必要とあらば入学後に大学が補習授業を実施します。生物でも物理でも、どちらを選択してもいいので安心して合格してください。
ただし一部、物理が必須の国公立大学もあります。生物を選択した場合、以下の大学は受験校から外れる点は押さえておきましょう。
【参考:物理必須の国公立大学】
理科科目の指定状況 | 大学名 |
物理必須、化学or生物から1科目選択の大学 | 北海道大学 |
物理・化学必須の大学 | 群馬大学/金沢大学/名古屋市立大学/愛媛大学/九州大学/佐賀大学 |
※ 2022年度入試
生物選択がおすすめのなのは「読解が得意」タイプ
「科目は好みで決めてください」といわれても、何かしらのヒントは欲しいですよね。物理と生物、おすすめのタイプを簡単にまとめておきます。
生物がおすすめなのは、次のような受験生です。
- 長い問題文を読み解くのに抵抗感がない
- 整理した情報を文章に落とし込むのが得意
生物は読解科目と言われることもあるほど、問題文の長さが特徴です。近年は実験・考察問題も増え、長文化に拍車がかかっています。
理科のどの科目より長い問題文を読み、さらに抽出した情報を整理し、的確な論述に落とし込まないといけないのが生物だという点を踏まえましょう。
計算より読解が得意、という受験生は生物を選択すると間違いありませんね。
物理がおすすめなのは「数学が得意」タイプ
生物より物理をおすすめしたいのは、数学が得意!計算が苦にならない!という受験生です。
物理は数学に喩えられることもあるほど、計算の比重が大きい科目。暗記はごく最小限で、あとは覚えた知識を問題に合わせて上手に加工し、計算をやり切るのが正解への道ですね。問題文を適切に数式に置き換えられるかどうか、が差を分ける科目とも言えます。
よってそもそも数学が苦手だという受験生に物理は不向き。また出た解答を次の問題で使っていく展開も多いので、計算力が不足しているとミスの連鎖が起きてしまいます。
物理選択に迷うならば、数学が好きかどうか/計算が得意かどうかを考えてみると、答えが出るでしょう。
医学部受験|生物の出題傾向
ここからは生物で医学部を受験する高校生に向けて、解説を進めます。まずは「敵を知る」ことから!医学部生物の出題傾向についてみていきましょう。
重視するのは基礎力!難問・奇問は少ない
「医学部って、めちゃくちゃ難しい問題ばかり出るんでしょ?」と言われがちですが、それは誤解です。確かに一部の大学の、しかも科目によっては、いわゆる「難問・奇問」、地雷問題が出ることもあります。
それでも生物に関しては基本に忠実な問題がほとんど。難しい問題はあれど、やたら複雑だったり、奇抜な発想が要求されたりといった問題は出されません。
教科書に載っていないハイレベルな実験問題がでることもありますが、注釈が細かくついており、丁寧に読めば教科書の知識で解けることが分かるでしょう。
よって医学部生物対策でも、最も重要なのは「基礎力」に他なりません。「なぜそうなるのか?」「なぜそう考えるのか?」と本質を突き詰めて考える姿勢を持って取り組みましょう。
実験・考察問題が多い
「生物=暗記科目」というイメージがあるのは事実ですが、実際の出題では暗記で対応できる知識問題はごくわずかです。代わりに圧倒的分量を占めるのが「実験・考察問題」!
知識問題と実験考察問題の比率は、2~3:8~7だと言われています。
もちろん、最低限の知識や基本事項は知っていないと問題を解く土俵に乗れないので、暗記が完全に不要というわけではありません。しかし世の中でイメージされているほどに、暗記ばかり!ということもないのです。
また実験・考察問題の特徴として「記述・論述問題の割合が多い」というものがあります。実験の目的を書かせたり、実験結果からの考察を述べさせたりといった具合ですね。
よって医学部生物は、「実験・考察問題」×「記述・論述対策」が勉強の軸になります。
生物=読解科目だと心がけよう
先でも触れたように、生物の問題はどれも長いのが特徴です。
受験本番の問題冊子は理科全体で1冊にまとまっていることが多いのですが、物理が10ページ程度なのに対して、生物は倍の20ぺ―ジあるなんてことも珍しくありません。もちろん、配点は同じなのに、です。
生物の問題を解く際に重要なのは次のような力です。
- 長い問題文から解答のヒントを的確に見つける力
- 必要なデータを読み取る力
- ヒントとデータを持っている知識とつなぎ合わせる力
- 根拠をもって解答を推論する力
- 情報の抜けもれなく、適正な日本語で解答を書ける力
まるで現代文の解き方を見ているようですね。
それほど、生物という科目は読解力が試されるということです。
医学部生物|対策方針&勉強法
医学部生物の出題傾向が分かったところで、ここからは具体的な勉強法を解説していきます。ぜひ、今日から取り入れてみてくださいね。
勉強のキホンは「教科書」にあり!
生物こそ、教科書の理解を重視したい科目です。入試問題を解くために必要な知識は、すべて教科書に載っています。教科書で基本知識を丁寧に習得してこそ、難しい問題にも対応していけるのです。
ます教科書を読み、要点や内容を把握しましょう。頭の中に目次を作り、書かれている内容を要約して紐づけるイメージです。必要なら、簡単にまとめノートを作っても良いでしょう。
押さえておきたいのは、生物は後述する「アウトプット(問題演習)」を通じて知識を定着させる科目だということ。まとめノートを作っただけでは、問題を解ける力は付きません。ノートづくりに時間をかけすぎないようにしましょう。
もし自力では難しいようなら、遠慮なく塾や予備校、家庭教師を利用してください。本質的な部分は教えてもらってサクッと理解し、問題演習に時間をかけるのが成功の秘訣です。
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教科書と同時進行!基本問題集でアウトプットを
教科書の内容を把握しながら、同時進行で基本知識を確認します。重要用語をはじめとする基本知識は記述・論述問題の基礎。丁寧に咀嚼しながら、進めましょう。
基本確認の問題集としておすすめなのは、『セミナー生物』『エクセル生物』です。後ほどおすすめ参考書&問題集を紹介していますので、合わせてチェックしてくださいね。
演習は「記述・論述問題」を基本に据える
基本知識の確認が終わったら、記述・論述問題対策に入ります。
記述・論述問題は2タイプに分けられます。
- 知識型記述・論述問題(知っている知識を文章の形で答えるもの)
- 考察型論述問題(実験結果などを考察し、考えをまとめて答えるもの)
知識型と考察型のどちらが出題されるか、出題の割合は大学によって異なります。受験予定大学の過去問傾向をチェックしてみてください。
いずれも、はじめは教科書を見ながらでも構いません。「何を書けばよいか」「どのように書けば簡潔か」の2点を考えながら、自力で書いてみることが大切です。繰り返しくりかえし書くことで、徐々に記述・論述問題の型やポイントが身についていきます。
記述・論述問題は、かならず添削してもらうこと
記述・論述問題を習得するコツがもうひとつ、書いたものはかならず添削してもらうということ!
記号や数字で解答する形式ではないため、記述・論述問題の採点基準はわかりにくく感じがちです。しかし「どのような答案を書けば高得点を取れるか」という要素は、確実に存在します。
ただ受験生が自力で高得点要素を見つけるのは大変ですから、「生物の添削ができる人」に見てもらうことが大切なのです。
生物の添削ができる人とは、次の力を持った人のことです。
- 医学部合格に必要な生物知識を持っている
- 正しい書き方を知っている
- 高得点のポイントやノウハウを熟知している
- 解答に含むべき情報、含まなくてよい情報の選別ができる
ここだけの話、学校の先生より生物選択で合格した医学生・難関大生の方が、高い添削力を持っています。実際に経験してきていますからね。
添削を受けるためにオンライン家庭教師を利用するのもおすすめ。ピースの「採用率5%」という難関を潜り抜けた講師には、生物選択の医学生・難関大生も多数在籍していますよ。
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医学部対策におすすめ!生物参考書&問題集5選
医学部受験におすすめの生物参考書&問題集を、厳選して紹介します。基本知識の確認用/基本問題演習用/論述問題演習用と3タイプに分けました。
自分に必要な部分をチェックしてくださいね。
『セミナー生物』(第一学習社)/『エクセル生物』(実教出版)
『セミナー生物』は学校傍用問題集として配布された高校生も多いでしょう。ただ学校によっては解答冊子が先生に回収されてしまうケースがあるのが問題。解答がなくては勉強が進みませんから、その場合は市販の『エクセル生物』を購入して使いましょう。
この2冊は教科書で要点を把握しながら、基本知識の確認に使うのがピッタリ。基礎レベルの問題が網羅されており、基本知識を整理しながら定着させられます。
『大森徹の最強講義117講 生物』『大森徹の最強問題集159問 生物』(文英堂)
『大森徹の最強講義117講 生物』は講義形式で生物全体の理解を深めるのに役立つ参考書。そして準拠問題集が『大森徹の最強問題集159問 生物』です。
『最強講義』は教科書代わりにつかってください。暗記しようとするのではなく、範囲の全体像や流れ、仕組みなど要点を押さえるのがコツです。合わせて『最強問題集』で実戦につながる演習を加えていきましょう。
医学部でも中堅大学であれば、ここまでで十分対応できます。
『生物標準問題精講』(旺文社)/『大森徹の生物 記述・論述問題の解法』(旺文社)
論述問題対策には、この2冊がおすすめ。『生物標準問題精講』は旧帝大レベル以上を受験する場合にのみ、推奨します。中堅大学を受験する場合には難度が高すぎるので、『大森徹の生物 記述・論述問題の解法』を選択しましょう。
『大森徹の生物 記述・論述問題の解法』は生物論述問題の基本的な書き方が解説されています。例示の構文をお手本として自分なりの解答を組み立てることで、着実に論述力がついていきます。
まとめ
医学部受験における生物について、傾向と対策、勉強法を中心にまとめてきました。
医学部の問題は難しいというイメージが先行しがちですが、「基本」が最重要なことに変わりはありません。生物は特に、基本をしっかりマスターしていれば医学部の問題でも十分太刀打ちできます。
問題量が多く読解や情報整理の力が試される生物ですが、コツコツと地道な努力が得点につながりやすい科目でもあります。基本をマスターすれば、得点が安定しやすいのも生物の魅力!入試に間に合うように、過去問や実践問題の演習も計画的に取り組んでみてください。
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