成功する大学受験参考書の選び方!元予備校校舎長が「間違いのない出版社4社」も紹介
大学受験に向けて参考書を選びたい。でも何を基準に選べばいい?自分に合うものがどれか、分からない。書店で探そうとしても、あまりに種類が多すぎて困る……。
参考書選びは、受験生が悩むテーマの1つですよね。
今回は予備校校舎長として数百冊の参考書を見てきた筆者が、大学受験用参考書・問題集の選び方を徹底解説します。迷ったときに決め手になる「間違いのない出版社4社」も紹介!
最後まで読み、さっそく本屋さんへ参考書探しに行きましょう!
目次
自分に合う参考書の見極め方!ポイントは3つ
自分に合った参考書や問題集を選ぶポイントは3つあります。この3点をよく考えてから探すと、「志望大学合格」という目標を達成してくれる1冊に出会えますよ。
目的をはっきりさせる|知識・理解を補うためか、問題演習のためか
はじめに達成したい「目的」を考えましょう。参考書や問題集を使う目的は、大きく2つに分けられます。
1つ目は「知識や理解を補うため、分からない点を分かるようになるため」。もう1つは「問題演習のため」です。
参考書というのは、勉強になんとなく不安や不足を感じたときに欲しくなるもの。その「なんとなく不安、不足」という気持ちに、もう少し向き合ってみてください。
分からない点を補いたいなら、解説が詳しく丁寧なものを選ぶと良いでしょう。もっとたくさん問題を解きたいなら、レベル別に問題が整理されたものが良いかもしれませんね。
参考書を買いたい目的をはっきりさせることが、自分にピッタリの参考書を見つける第一歩です。
レベルを確認する|基礎力から実践・過去問レベルまで
次に合う「レベル感」を確認しましょう。
多くの参考書や問題集は、対応するレベルが表紙に書いてあります。
- (超)基礎:一から勉強したい、とにかくわかりやすく解説してほしい人向け
- 基礎~標準:共通テスト・中堅大学に向けた受験勉強向け
- 発展:2次試験・難関大学受験に向けた受験勉強向け
また同じ「基礎」と書いてあっても、参考書によって解説や問題のレベルが自分の理解度とマッチしないケースもあります。苦手教科の場合は、「基礎」と書いてあっても難しく感じることもあるでしょう。
おすすめは書店で実物を見てみること!
実物が手に取れない状況の対処法は、のちほどご紹介しますね。
使うシーンも想定する|授業併用?塾用?独学・自習用?
参考書を使うシーンを想定することも忘れないでください。
学校の授業に合わせて使うなら、教科書準拠のものがピッタリ。塾で使いたい場合は、方針や傾向が塾と合ったものが良いでしょう。
分からない点をすぐに質問できない独学・自習用なら、解説が細やかで詳しいものがおすすめです。
使いたいシーンも考えてみることで、さらにピッタリの参考書が見つかりますよ。
★「参考書」以外にも役に立つ本はある! 参考書や問題集以外にも大学受験に役立つ本があります。英語や数学、物理・化学、歴史などの「一般教養書」がそれにあたります。一般の方向けに平易に書かれているので、基本の理解にもピッタリ。 書店に行ったら、新書やビジネス書、教養といったコーナーもチェックしてみてください。案外と、知りたかったテーマの本がベストセラーとして並んでいるかもしれませんよ。 |
大学受験の参考書は高い!格安で手に入れる方法
大学受験は、何かと費用がかさむもの。参考書や問題集にかかるお金も、少ないにこしたことはないですよね。
参考書を格安で手に入れる方法をご紹介します。
ブックオフやフリマアプリを活用する
後ほど解説する「ぜひ新品を選んだ方が良いケース」を除いては、参考書や問題集は中古品でも十分活用できます。
ブックオフなどのリユースショップや、メルカリやラクマといったフリマアプリ、ヤフオク等のオークションサイトを利用するのが手軽でおすすめ。
実物を手に取って選べる点ではブックオフに軍配が上がり、大量の出品物から値段や状態を比較して選べるという点ではフリマアプリが便利でしょう。
ただしフリマアプリは思わぬトラブルに巻き込まれることがあるので、利用にあたっては十分注意を払ってください。
心配なときは親御さんに購入してもらうと安心です。
先輩から譲ってもらう
先輩から譲ってもらうという方法もあります。学年が近いという点でも、新品に近い内容のものが手に入るのがメリット!
卒業する先輩に日頃から声をかけておきたいですね。
もし志望系統が同じ先輩がいたら超ラッキー!志望大学の赤本を譲ってもらえるかもしれませんよ!
「新品」を選んだ方が良いケースもある
書き込みや破れなどがなければ中古品でも十分活用できますが、中には「絶対に新品を買った方が良いケース」もあります。「大学入試共通テスト対策」と、「統計・資料系」が該当します。
大学入試共通テスト対策
共通テスト対策の参考書や問題集は、最新版を選ぶようにしましょう。少しでも新しい方が、最新情報が収録されている可能性が高いからです。
実施されて日が浅いために、出版が1~2年前なだけで、本試験の分析が反映されていなかったり、試行調査だけを見て編集されていたりという場合があります。
本試験に合った対策のためにも、共通テスト対策は「新品(最新版)」を選んでくださいね。
統計や資料系
統計や資料系も最新版を選ぶのがベター。こちらも最新情報が反映されているかどうか、という影響があるからです。地歴公民や理科の参考書選びでは、出版年度もチェックしましょう。
何冊くらい用意するのがベスト?参考書にまつわるQ&A
参考書や問題集を買い集め、ちょっと手をつけては次に乗り換える。そんな放浪のような勉強をする人を揶揄して「参考書ジプシー(ジプシー=放浪者、定住しない人)」ということがあります。
参考書ジプシーでは成果が出ません。でも気になる参考書があれば、手をつけて確かめてみたくなる気持ちもわかりますよね。
ここからはそんな受験生の、「参考書にまつわるちょっとした疑問」に答えていきます。「参考書はいったい何冊やればいいの?」といった不安から見ていきましょう。
Q.「大学入試の参考書は何冊くらい用意すればいい?」
何冊くらい用意すれば良いのか。それは科目と目的によって一概には言えません。ただ、数多くあっても全部を網羅する時間がないのも事実です。
一般的には、参考書と問題集を合わせて1教科当たり3~4冊あれば十分でしょう。内訳は次のようになります。
知識・理解を補い基本の習得になる参考書 ⇒ 1冊演習用問題集 ⇒ 1冊共通テスト対策・模試対策 ⇒ 1冊その他(単語帳・用語集など) ⇒ 1冊 |
成績は、何冊もの参考書・問題集に少しずつ手をつけても上がりません。厳選された良質な1冊を、何度もなんども繰り返すことだけが、応用力、そして実戦力になってくれます。
はじめは「ちょっと足りないかな?」くらいで大丈夫!
取り組むうちに、明確な目的と共に「どうしても欲しい!」となったら追加していけばOKです。
Q.「ネット購入は中身が見れなくて不安!」
近年はAmazonや楽天ブックスなど、インターネットで参考書を買うケースも多いですよね。便利なネット購入ですが、実際に手に取って中身を確認できないのが不便という声も。
そんなときは「先輩、友達、先生、進路指導室、塾」など、お目当ての参考書を持っていそうな人に当たって見せてもらいましょう。
先輩や友達は高確率で持っているでしょう。
学校の先生は、教材出版社から「サンプル教材」をもらうので、意外な1冊を持っている場合もあります。
進路指導室も覗いてみてください。先輩が置いていった赤本、サンプル教材、先生が寄贈したものなどがある学校も多いですよ。
また塾も狙い目!
塾の教材以外にも、数多くの参考書や問題集を揃えているところもありますよ。
Q.「参考書には書き込みをしない方がいい?」
書き込みは「ガンガンした方が良い場合」と、「しない方が良い場合」に分かれます。
書き込みがおすすめなのは、解説部分です。重要用語や知らなかった知識、紛らわしいポイントなどはマーカーを引くなど目立たせていきましょう。問題を解きながら得た知識をメモしていくのも◎。
一方、書き込みしない方が良いのは、問題演習のページです。解答はもちろん、図に書き込む、問題文に線を引くといった程度でも、2回目に解くときの「ヒント」になってしまいます。ヒントがある状態で問題を解いても、本当の実力にはなりませんよね。
問題演習はノートに書き写すかコピーを張りつける等、書き込まなくても解ける工夫をしましょう。ただし問題番号に「できた/できなかった」など自己評価の印をつけるのはOKです。
Q.「医学部や薬学部、看護学部など医療系が見るべき参考書は?」
医学部や薬学部、看護学部などを受験する場合は、医療系知識を学べる参考書を持っておくと良いでしょう。医療系がテーマの英語長文が出題される場合や、小論文や面接で医療知識について問われる場合もあるからです。
ただしあくまで教科の勉強が軸。本格的に医療知識を解説した参考書はいりません。受験生向けの「医療について理解を深める参考書」をチョイスしてください。
近年は新型コロナウィルスやその対応について問う問題も散見されます。できれば最新年度用の、新型コロナウィルス情報も収録した1冊が良いでしょう。
Q.口コミを見ても、参考書が決めきれない……
インターネットの口コミはあくまで「その人が感じたこと」であるため、自分にも当てはまるかはなんとも言えません。口コミを見ても、購入すべきかどうか判断できないということもありますよね。
実は「出版社」で選ぶという方法があります。数百冊の参考書を見てきた元予備校校舎長ならではの視点を、次にご紹介していきましょう。
迷ったら出版社で選べ!大学受験の参考書 おすすめ出版社5選
「この出版社が出す参考書や問題集なら、まず間違いない」と自信をもっておすすめできる出版元は4社!順番にご紹介します。河合出版
河合出版は大手予備校・河合塾グループの出版社です。河合塾傘下という利点を活かし、河合塾講師を起用した参考書や問題集を発行しています。
出版冊数は決して膨大とは言えませんが、少数精鋭で本質的な理解を大切にした内容には定評あり。また解説が詳しいのも特徴です。解説だけ読めば参考書要らず、という問題集も数多くありますよ。
英文読解の読み方を革命的に速くする『パラグラフリーディングのストラテジー』シリーズ、国公立大2次試験必携といわれる『プラチカ』シリーズ、高校の先生もおすすめする『物理のエッセンス』などの名著は、ぜひ使ってみてほしいです!
KADOKAWA
KADOKAWAは、日本有数の出版社です。通信制「N高等学校」を設立したことでも知られていますね。映画やアニメの制作・配給会社としても有名です。
そんなKADOKAWAが出版する参考書は、「わかりやすさ」を重視しているのが高評価。難しい内容もかみ砕いて解説、イラストや図解を豊富に用いたビジュアル的に理解できる構成、レベルや目的に合わせて選べる豊富なラインナップといった点で、人気を集めています。
おすすめは黄色い表紙の参考書として知られる『〇〇の点数が面白いほどとれる本』シリーズ!苦手教科でもこれ1冊で理解できると先輩も大絶賛です。全教科出版されているので、チェックしてみてください。
Z会
通信教育大手のZ会も、多数の参考書・問題集を出版しています。Z会の参考書はシンプルでポイントを押さえた構成が特徴。ガチャガチャした色使いやイラストに集中を邪魔されたくない、という受験生に好まれています。
有名なのは英単語帳『速読英単語(速単)』シリーズですね。共通テストのオリジナル予想問題を収録した問題集や、苦手克服にピッタリな分野別問題集などが揃っています。
Z会の参考書・問題集は、標準以上レベルも豊富にあるのが特徴。難関大学を目指したい受験生にもおすすめです。
旺文社
旺文社は参考書や資格・検定試験関連の書籍を数多く発行している、大手出版社です。「パスナビ」という受験情報サイトを見たことがある人も多いでしょう。学校や塾の専用教材も制作しており、受験情報のプロでもあります。
英単語帳『ターゲット』シリーズが有名ですが、他にも良質問題が多数収録された『英語長文問題精』『基礎問題精講』シリーズも、受験生から長年支持されています。
旺文社の参考書・問題集は、まんべんなく全体を網羅したい人におすすめ。レベルは基礎~標準程度のものが多いので、共通テストや中堅大学対策にもピッタリです。定番書として書店にも並んでいることが多いので、ぜひ手に取ってみてくださいね。
まとめ
大学受験で本当に使える参考書の選び方や見つけるコツ、参考書選びで迷ったときのための間違いがない出版社4選をご紹介してきました。
受験勉強と参考書は切っても切れない関係にありますが、成績を上げたければ「良質な1冊を繰り返す」勉強に取り組んでください。あれも良さそう、これも気になる……、とあちこちに手を広げても、勉強のつまみぐいになるだけで成績にはつながりません。
目的とレベルを見極めて自分に合う1冊を見つけ、徹底的に繰り返し習得していってください。その先にある、あなたの合格を応援しています!
オンライン家庭教師ピースでは、小中高の全学年・全科目を対象に、お子さま一人ひとりに合わせた教師をマッチングし、お悩みに沿ったオーダーメイドカリキュラムで授業を提供しています。本番の授業が体験できる無料体験受付中!お気軽にお問い合わせください。
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