学校行事に行きたくない中学生|その理由は?親ができることとは?
「中学生が学校行事に行きたくないのはどうして?」
「学校行事に行きたくない中学生への対応方法は?」
このような疑問をもつ親御さんもいるでしょう。
中学校の行事はクラス一丸で盛り上がるものですが、行事によっては行きたくない子もいるかもしれません。悩んでいる子に対し、間違った対応をすると不登校につながる可能性もあります。
この記事では、学校行事に行きたくない中学生について徹底解説します。中学生が行きたくない学校行事や、行きたくない理由もくわしく説明。中学生の子どもが学校行事に行きたくないとき、親がとるべき対応も具体的に解説します。
学校行事に行きたくない中学生を持つ親御さんはぜひ参考になさってください。
目次
中学生が行きたくない学校行事は?
中学生が行きたくないと感じる学校行事はいろいろあります。わが子が悩んでいる原因を探るため、学校行事ごとに考えてみましょう。ここでは、中学生が行きたくない学校行事について具体的に解説します。
体育大会
運動が苦手な中学生にとって、体育大会は負担を感じやすい行事です。マイペースな子や、繊細な子にとってもつらい行事かもしれません。
大縄飛びなど、クラスで競う競技ではみんなで協力して多くの回数を飛べるように練習します。どのクラスにも苦手な子がいるので、飛びやすい場所に変えたり、できる人がフォローしたりと工夫して全員で取り組むよう指導されます。
運動が苦手な子は失敗する回数も増えがちです。多くの子は失敗を責めたりしませんが、厳しく責める子もいるかもしれません。気持ちが落ち込み、本番も参加したくないと思ってしまいます。
また、体育大会の時期は練習のため、時間割の変更が多く落ち着きません。応援の音も響くため、繊細な子にはつらい行事でしょう。
文化祭
集団行動が苦手な中学生は、文化祭のシーズンになると行きたくなくなるかもしれません。文化祭特有の雰囲気や人間関係に疲れてしまうためです。
文化祭シーズンでは、クラスが独特の盛り上がりを見せます。クラスで団結する良い機会なのですが、集団行動の苦手な子には、その雰囲気がつらく感じるかもしれません。みんなの話に入れないことで、自分を責めてしまう可能性もあるでしょう。
校外学習
グループ行動が面倒と思うタイプの中学生は、郊外学習に行きたくないと思うでしょう。グループ作りや当日の行動がわずらわしく感じるためです。
郊外学習は、学校以外で学べる良い機会です。事前学習で行く場所について調べたり、グループを決めたりするでしょう。ただ、なかなかグループが決まらない、好きな友だちと同じグループになれないなどの問題点もあります。
自分の思い通りには活動できないので、郊外学習は面倒だなと思って休みたくなってしまうのです。
宿泊訓練・修学旅行
自宅から離れる宿泊訓練や修学旅行に不安を感じ、行きたくないと思う子もいるでしょう。もともと不安が強い子や、身の回りのことができていない子には大変な行事です。
親元を離れての宿泊はいつもと雰囲気が違うので楽しみにしている子も多いです。しかし、いつもと違う場所で泊まることに対し強く不安を感じてしまう子もいます。荷物の整理等が苦手な子は、荷物がぐちゃぐちゃになるなど困り感を感じる場面も増えるでしょう。
みんなが楽しみにしている行事でも、子どものタイプによっては行きたくない場合もあるのです。
合唱コンクール・演奏会
人前に出るのが嫌な子にとって、中学校の合唱コンクールや演奏会はつらい行事です。練習から嫌になって参加したくないと思うかもしれません。
クラス対抗の合唱コンクールが開かれる中学校も多いです。集団で歌うので、個人レベルではそれほど目立ちません。しかし、人前に出るのが苦手な子は自分が注目されているように感じ、舞台に立つのを嫌がります。
また、勝ち負けへのこだわりや責任感の強さから、行きたくないと思うケースも考えられます。合唱コンクールではクラスで勝敗がつくため、自分のせいで負けるのではないかなど深く考えてしまいます。いろいろ考えた結果、学校に行きたくなくなる場合もあるでしょう。
マラソン大会・球技大会
運動が苦手な子はマラソン大会や球技大会は非常に苦痛なものです。運動系の大会には行きたくないと思う中学生も少なくありません。
自閉症スペクトラム症など、発達障害の傾向を持つ子は走る意味を理解できません。どうしてつらい思いをして、長い距離走らなければならないんだろうと疑問に思います。納得しないと動かないので、マラソン大会は拒否する子もいるでしょう。
球技大会は失敗するとチーム全員に迷惑をかけてしまいます。運動が苦手な子にとってプレッシャーが大きく、急に大会の当日は休んでしまいたい気持ちになるでしょう。
入学式・卒業式
入学式や卒業式が苦痛で出たくないと思う中学生もいるかもしれません。じっとしているのが苦手な子には非常に辛い時間となるでしょう。
入学式や卒業式は、中学校生活でも大きなセレモニーのひとつです。真面目に参加せねばならず、姿勢や返事などいろいろ気をつけなければなりません。
入学式はクラスメイトと初めて顔を合わせるので、緊張しやすい子は行きたくないと思うかもしれません。卒業式は練習が繰り返され本番まで緊張が続きます。何度も本番をやらされている気分になり、卒業式自体が嫌になってしまう可能性があるのです。
中学生が学校行事に行きたくない理由
中学生が学校行事に行きたくないのは、子どもにしかわからない悩みをかかえているかもしれません。どんなことで悩んでいるのか知るため、考えられる理由を知っておきましょう。ここでは、中学生が学校行事に行きたくない理由について、具体的に解説します。
苦手な種目をやるから
中学生が学校行事に行きたくないのは、苦手なことをやらなければならないためです。みんなの足をひっぱるように感じるため、参加したくないと思うでしょう。
苦手な種目をやるのが嫌だと言うのは、自分勝手に感じるかもしれません。中学校は集団生活で、全員の意識を高めるため、集団ごとに競わせる傾向があります。苦手な行事でもうまくやり過ごせたらよいのですが、思い悩んでしまう子もいるのです。
団結した雰囲気になじめない
学校行事特有の団結した雰囲気になじめず、学校行事に行きたくないと考える子もいるでしょう。
中学校の学校行事は、クラスの団結力を高める目的もあります。得意・不得意があってもクラスのみんなでカバーしあい、結果につなげていくことで集団のよさを感じられるよさがあります。
しかし、学校行事を楽しめないタイプには厳しい時間です。静かな時間を好み、にぎやかなのが苦手な子は、行事特有の雰囲気が合わないと感じるでしょう。物事を白か黒かで考えるタイプの子は「普段そんなに仲良くないのに、なぜ行事のときだけ仲良くできるんだろう」と考えてしまうのです。
練習も含めて参加するのがいや
学校行事には練習がつきものですが、練習も本番も参加したくないと思う子もいるでしょう。特に発達障害の特性をもつ子は、練習の意味がわからないためつらく感じる傾向があります。
本番を成功させるため、練習を積み重ねるのが一般的な考え方です。しかし、発達障害の特性がある子だと、目に見えない努力が理解できない場合も。練習も本番のように考えるため、毎回本番をやらされているように考えてしまうのです。
努力が結果につながることを理解できない場合は、学校行事の練習も本番も参加したくないと感じます。発達障害の診断がなくても、考え方の傾向があれば練習を嫌がる可能性もあるでしょう。
一緒に過ごす友達がいない
友達が少ないことが理由で、学校行事に行きたくないと思う場合もあります。校外学習などグループ活動が中心の行事で考えられる原因です。
宿泊研修や修学旅行など、グループを作り活動する行事があります。友達が少ないとグループ決めのときからゆううつな気分になるでしょう。バスや電車に乗るときも誰と一緒になるのか不安に思うかもしれません。結果、行事に参加したくなくなるのです。
長い時間拘束されて疲れる
子どものタイプにより、拘束時間が長い学校行事には参加したくないと思う可能性があります。じっとしているのが苦手な子や、飽きてしまう子は疲れを感じやすいでしょう。
例えば在校生として卒業式に参加する場合、メインは卒業生ですから待ち時間が長くなります。主役ではないので、座っている時間も長いでしょう。拘束されるのが嫌で「重要な役割がないから行きたくない」と考えてしまうのです。
大きな音がいや
音に敏感な子は大きな音が出る学校行事を嫌がる傾向がみられます。集団で行う行事ではどうしても音を大きくしなければならず、苦手な子はつらいかもしれません。
学校行事では大きな音を出す場面がたくさんあります。徒競走のピストルの音や文化祭などで使われるスピーカーの音が嫌な子もいるでしょう。また、発達障害の傾向がある子はにぎやかな場所が苦手なので、人の話し声が常に聞こえるような行事は苦手です。
中学生が学校行事に行きたくないときに親がとるべき行動
中学生の子どもが学校行事に行きたくないとき、何が原因かを探ってみましょう。対処法を提案すれば、自分なりの行事参加ができるかもしれません。ここでは、中学生が学校行事に行きたくないとき、親がとるべき行動についてくわしくまとめました。
見通しを立てて説明する
学校行事の流れについて説明すると、子どもが安心して参加できる場合もあります。行事で何をするかわからず、不安になる子に合った方法です。
初めて体験する行事は練習から本番までの流れがつかみにくいものです。何をしたらいいかわからず、不安を感じているかもしれません。その場合は学校行事の見通しを説明し理解することで、不安が解消され楽しく参加できるでしょう。
行事の本番だけではなく、練習から見通しを持たせるのがおすすめです。大きな行事では練習の予定も組まれているので、計画を見ながら確認するとよいでしょう。
不安を緩和するものを用意
不安が強く学校行事への参加を渋っている子には、気持ちを落ち着かせるグッズや方法を用意しましょう。原因に合わせた対処法で行事への参加がスムーズになります。
聴覚過敏のある子には、聞こえる音を小さくする耳せんやイヤーマフの活用が効果的です。目立つ道具を使いたくない場合は、タオルや洋服のフードをかぶるだけでも音を遮断する効果があります。
長時間の行事参加がつらい場合は、休憩できる場所を用意しておくとよいでしょう。逃げ場があると子どもも安心して行事に参加できます。
グッズや別室利用をしたい場合は、学校に相談しましょう。学校行事に参加したいため、子どもに合わせた対処をお願いしたいと伝えてください。学校の理解が得られれば、なぜ違う行動をとるのか、周りの子へもうまく説明してくれます。今後の学校行事にもスムーズに参加できるでしょう。
しつこい説得はしない
学校行事への参加を焦り、子どもに対してしつこい説得はしないほうが無難です。行事に出ないと欠席になりますが、今後への影響はほとんどないからです。
ただし、行事によっては体育や音楽の成績に影響する場合があります。子どもには行事に出ないと成績に影響する場合もあると伝え、それでも欠席を選ぶようなら本人の気持ちを尊重しましょう。
担任には前もって様子を連絡
中学生の子どもが学校行事への参加を渋っている場合、担任の先生に前もって相談しておきましょう。学校でも対処してもらえるので、学校行事への参加ができるかもしれません。
子どもが学校行事に行きたくないと言わなくても、雰囲気で感じる場合があります。行事の練習が始まった時期に、心身の調子が悪い様子が見られたら要注意。担任の先生に様子を伝え、学校での様子を見守ってもらいましょう。もし問題があったら、学校で対処してくれるはずです。
中学生が学校行事に行きたくない、まずは理由を聞いて話し合いを
中学生が学校行事への参加を嫌がる場合、何か理由があるはずです。なぜなのか理由を聞き、子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。
理由により、参加方法の工夫をすれば解決できる場合は学校の先生に相談します。学校でも適切なサポートを考えてくれるはずです。苦手な行事でも参加できれば、今後の自信につながるでしょう。
行事を休むと欠席として扱われますが、成績への影響は少ないです。無理強いすると不登校になる恐れもあるため、休んでも問題がないようなら欠席するのも手です。
ただし、体育や音楽などの成績に加味される行事もあります。欠席による成績への影響を子どもに説明してください。本人が理解した上で休みたいと話すなら、無理強いせず欠席も検討しましょう。
まとめ
中学生は、球技大会や文化祭など集団での行事が多い傾向です。クラスで団結するよい機会ですが、行事参加への負担を感じる子もいます。
苦手なことをやらなければならない、行事の雰囲気がいやなど、行きたくない理由は人それぞれです。発達障害の傾向があると、大きい音が苦手だったり行事の練習が苦手だったりします。
子どもが学校行事に参加したくない場合、無理に参加させるのは禁物です。まずは理由を聞き、子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。学校でのサポートを受けるため、担任の先生にも相談してください。
行事によっては成績に反映されますが、無理に参加して普段の生活に影響がでては大変です。子どもが納得した上で行事を休むのも方法ですので、親子で話し合ってよい方法を見つけていきましょう。