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「受験生だけど恋したい!」そんなあなたに読んでほしい大切なコラム

「受験生なんだけど、付き合っている人がいる」
「受験に専念するために、別れたほうが良いのかな…でも……」

受験生の恋愛は、とても悩ましいテーマです。

「勉強に支障がでるから別れなさい」と言うのは簡単ですが、当事者にとってはそれほど簡単な問題ではないからです。

いったい、受験生は恋愛とどのように付き合っていけば良いのでしょうか。

今回は受験も恋愛も頑張りたい受験生に向けて、さまざまな選択肢やパターンを挙げながら具体例を解説します。

自分に置き換えながら読み、 とるべき道を決めるヒントにしてください。

そもそも受験と恋愛は両立できるのか


受験は一世一代の重要ミッションです。

一方、人との出会いは一期一会、恋愛に心躍らせる青春もほんの短い期間しかありません。

こう考えると、受験も恋愛も成就させたくなるのは欲張りなんかではなく、自然の思考なのかもしれません。

受験と恋愛、両立できたら最高ですよね。

ごく稀に、受験と恋愛を見事に両立している人はいます。ただ、ごく稀に、です。

多くの人は両方にバランスよくエネルギーを配分することができず、両立できないまま終わります。

興味深い話を2つ紹介します。

ユタ大学応用認知ラボの主任であるデビッド・ストレイヤー氏によると「全体の98%の人はマルチタスク(同時に2つ以上のタスクを進めること)を処理できず、どちらの課題もパフォーマンスが落ちてしまう」そうです。

 

スタンフォード大学で認知科学の研究をするクリフォード・ナス氏によれば、マルチタスクが日常化している(ネットやチャット、電話などを同時に使う)人のほうが認識テストの成績が劣っていたという研究結果が出ているとのこと。

付き合っている人がいると、LINEやSNSの通知が気になったり、着信がないかスマホの画面ばかり見てしまったりしないでしょうか。
「気になる」状態そのものが、脳のパフォーマンスを落とすため、受験勉強に良い影響はありません。

受験生なら、恋愛はあきらめましょう。
合格し進学すれば、きっともっと素敵な出会いが待っています。

いまは合格だけに邁進することが、数か月後に人生を花開かせてくれます。

巷でいわれる「恋愛は受験のパワーになる」説の真実


受験と恋愛の両立を推す人は、「恋愛で生み出されるエネルギーは受験勉強の原動力になる!」といいます。

でも本当でしょうか?

一度きりの受験チャンスを残念な結果で終えないためにも、恋愛が受験に本当にプラスの影響を与えてくれるか考えてみましょう。

よくある3つのシチュエーションで、恋愛の影響を検証します。

「好きな人を想う気持ちが勉強の原動力に」…なりません!

昔から「恋は盲目」といいます。
このことわざは「恋をすると常識や理性、客観的な判断を失いがちである」という意味です。

実際、ロンドン大学の研究によると、恋はドーパミンなどを含む脳の報酬系を活性化させ、反対に恐怖や批判的思考など、ネガティブな思考回路とつながる神経経路を遮断させることが分かっています。

周りの忠告などどこ吹く風、好きな人のことであたまはいっぱい!毎日のすべてが恋を中心に回ってしまう状態になるということです。

さてそのような盲目的な状態で、理性を存分にはたらかせないといけない勉強にどの程度集中できるでしょうか。

多くの人は勉強の原動力になる前に恋が思考を支配し「気付いたら好きな人のことばかり考えている」状況になってしまうはずです。

恋愛は受験勉強とは背反する存在だと考えたほうが良さそうです。

「好きな人と同じ学校を目指して」…本当にそれでいい?

「合格してからも今の彼氏(彼女)と付き合いたい」「だから同じ学校を志望します」……、これもよく聞くはなしです。
とくに志望校がかたまりきっていない、受験勉強初期に頻発します。

好きな人とたまたま志望校が同じだったなら、問題ありません。2人で一緒に合格をつかむべく、受験勉強を頑張りましょう。

でも好きな人と同じであることを優先した志望校選びは、おすすめできません。

そもそも志望校は、母校になるかもしれない学校です。どの学校を選ぶかにより、卒業後の人生がかわるほど大切な選択のはずです。

あなたは国際系がいいなと思っていても、彼が技術系を目指していたら技術系に進むのですか?
きみは公立に進学したいと思っているのに、彼女が私立志望なら私立志望にしますか?

志望校の選び方には、たしかにさまざまな方法があります。
でも、「好きな人と同じ学校を志望する」という決め方で良いかどうか、親御さんも交えてよく考えてみたほうがよいでしょう。

「好きな人と一緒に勉強」…集中できません!

フードコートやカフェでは、恋人同士が並んで勉強している姿を見かけます。

仲睦まじく勉強に励む様子はほほえましいのですが、気になるのは「おしゃべりの頻度」です。1問解くごとに「どうだった?」と確認しあったり、勉強している時間よりおしゃべりしている時間のほうが多いのでは?と思いたくなるカップルがいたり……。

お世辞にも「勉強がはかどっている」とは言い難い光景に、つい彼らの進路を心配せずにはいられません。

好きな人が隣にいると、どうしても相手の反応が気になってしまうもの。これは人間の自然な気持ちの動きです。

だからこそ、好きな人とは一緒に勉強しないほうが良いのです。

相手の真剣な表情に見惚れているあいだ、あなたの勉強時間は刻々と削られています。
さらにおしゃべりする時間は、自分だけでなく相手の勉強時間も削っていることを忘れないようにしましょう。

受験は、限られた時間をより有意義に使えた人が合格する世界です。

恋愛が受験にマイナスだといえる3つの理由


恋愛は受験勉強にネガティブな影響を与える可能性が高いです。その理由を3つ、解説します。

勉強時間が少なくなる

受験勉強において、すべての受験生に平等な条件は「時間」です。受験は本番までの時間を少しでも勉強に費やせた人が合格します。

しかし「付き合っている人がいる・恋愛中である」という状況では、勉強以外に時間を使うケースがどうしても発生します。

「声を聞きたくて電話したら、つい2時間も話してしまった」
「LINEの返信をどう送ろうか思案していたら、30分経ってしまった」

「相手からの通知がないか気になり、頻繁にスマホをチェックしてしまう」

恋愛中によくあるこれらのシチュエーションは、すべて「時間」を浪費します。恋愛していなければ、勉強だけに集中できたはずなのに…!

好きな人のことばかり気になってしまう

人の集中力は、思っている以上に簡単に途切れます。

もともと人の脳は長時間の連続的な集中には不向きなようにできており、ノイズやストレス、疲労、睡眠不足などで簡単に集中が阻害されます。

とくに次の3つは、集中を阻害するもっとも大きな要因といわれています。

  • 注意散漫(予期しない事柄や情報が注意を引きつけたとき)
  • 干渉(作業に必要な情報と必要ではない情報が混乱したとき)
  • 中断(気晴らしのつもりが完全に別のタスクを始めてしまうとき)

どうでしょうか。
どれも恋愛をしていると思い当たる要素ばかりではないでしょうか。

恋愛中は、自然と相手のことが気になってしまいます。気になる状態がデフォルトであるため、集中がすぐに途切れ勉強の成果が上がりにくくなります。

合格後のビジョンが描きにくくなる

相手と自分の志望校が異なる場合、とりわけ「合格すると遠距離になる」場合も要注意です。本来、合格したあとを想像するのは受験生にとってわくわくする時間であり、勉強のモチベーションにもなります。

しかし頑張って合格しても好きな人と離れてしまうと分かっていると、合格したあとの展開を想像したくなくなるのが自然な気持ちでしょう。

合格を勉強の原動力にしにくくなるため、勉強に対する意欲が高まらず前向きになれないという弊害もあります。

組み合わせ別!受験生と恋愛、こんなときはどうすればいい?


頭では「受験勉強に専念すべき」「恋愛している時間はない」とわかっていても、人を好きになる気持ちは止められません。
あるいは好きになった人がたまたま受験生で、対応に困るパターンもあるでしょう。

「受験生の恋」「受験生との恋」で起こりうるさまざまなパターン別に、どのように対処すれば良いか考えてみましょう。

相手が大学生(高校生)× 自分が受験生

好きな人が自分より年上で自分が受験生という組み合わせは、受験生の恋愛のなかでももっとも勉強のモチベーションにしやすいパターンです。

一足先に大学生、あるいは高校生になっている相手に追いつきたい!という気持ちが勉強の後押しになってくれるためです。

自分も大学生(高校生)になれば、好きな人と同じ土俵に立って話ができる、もっといろいろな経験ができるようになるという思いを糧に、受験勉強に励みましょう。

相手も自分も受験生

相手も自分も受験生だった場合、考えられる選択肢は3つです。

  • 合格に向けて一緒に頑張る
  • 受験が終わるまで会うのは控える(お付き合いは継続)
  • いったん、別れる

どのパターンを選ぶかは、二人でよく話し合って決めてください。

大切なのはお互いが合意した選択をすることです。自分は受験を優先したいからと相手の気持ちを無視して一方的に別れを告げても、スムーズに話がまとまるとは限りません。

また「一緒に頑張る」を選択した場合も、デートの機会を減らしたりLINEをする時間を決めたりと受験に支障がない付き合いかたを約束することも大切です。

自分は受験生 × 相手が年下

自分は受験生として勉強に集中したい年、一方で相手は年下のため受験未経験という組み合わせは、対応は非常に難しいパターンです。

本来なら受験勉強だけで手一杯なのに、相手に自分の立場ややるべきことを伝え理解を得るというタスクが加わるためです。
まして相手は受験を経験していないため、受験生の苦労やストレスを体感的に理解できません。「どうして会えないのか」「もっとLINEの返信をしてほしい」と言われ、対応に困る可能性もあります。

このパターンはつらい選択かもしれませんが「受験が終わるまで」と期限を区切り、距離を置くのがおすすめです。

自分が年下 × 相手が受験生

自分より年上の相手が受験生だという場合は、とにかく相手の受験勉強の邪魔をしないよう気を配る必要があります。

受験生としての1年は、想像以上に過酷です。「LINEの返信1つくらい」と思うかもしれませんが、その1つさえ送れないほど追い詰められる日もあります。

相手の合格を応援するなら、受験生としての相手のペースを尊重してあげてください。「会えない日が続いても文句を言わない」「電話をすぐに切られても疑心暗鬼にならない」ことが大切です。

もし「会えないのは我慢ができない」なら、受験が終わるまで距離を置きましょう。受験とはそれほどまでに、本気になって力を発揮しなければならないミッションなのです。

片思いの場合(「相手が先生」も含む)

片思いをしている場合は「受験が終わるまでは思いを心に秘めておく」のがおすすめです。

これは「自分が受験生」「相手が受験生」、あるいは「塾や予備校の講師・チューターに恋をした」などの倍も場合もあてはまります。

ここまで書いてきたように、受験生にとって恋愛は避けた方が良い結果につながりやすいものです。それは自明のことなのに、わざわざ伝え相手の邪魔をすることはありません。

予備校や塾の講師に恋をしてしまったら、自分の受験が終了するまで気持ちを胸に秘めておきましょう。受験が終わり、なんの気兼ねもいらなくなった段階で打ち明けたほうが、相手も落ち着いて話をきいてくれるはずです。

どうしても恋愛と受験勉強を両立したい人が押さえるべきポイント


「受験と恋愛、どっちか選ぶのは無理!」「本気になるから両方手に入れたい」、そんな受験生に押さえておいてほしいポイントを5つ解説します。

それぞれしっかり読み、受験と勉強を両立させるヒントとしてください。

優先順位は受験勉強だと心得る

受験と恋愛を両立させたとしても、優先度が高いのは「受験」です。

大事な模試の前はデートは控えましょう。
集中して勉強している時は、スマホの通知を気にしてはいけません。
学校から塾・予備校に直行する日も増えます。一緒に帰れない日があることも伝えておくなっど、受験を優先させられる段取りを完了させておいてください。

相手に連絡する時間帯・頻度を決める

受験がなければ、相手との連絡にどれだけ時間を割いても構いません。しかし受験生がもっとも大切にしなければならないのも時間です。

LINEや電話に際限なく時間を使うことがないよう、連絡がとれる時間帯や時間の制限をあらかじめ決めておくのがおすすめです。

また受験生は、即座にレスポンスできない場面も多々あります。「既読になって返信がなくても気に病まないで」など、さまざまなパターンをシミュレーションし相談しておくと良いでしょう。

会えない日があることも共有しておく

連絡できる時間が限られることと同様に、会えない日があることも共有しておきます。あるいは反対に、会える日を決めるのもおすすめです。

これを決めておかないと、勉強しないといけない日にデートに誘われ困ったり、会えないことに不満が溜まったりしてしまいます。

いつ会えるかを二人で相談し決めておくことで、不要なストレスを避けることができます。

親にも了解を取っておく

親はいつも我が子の幸せだけを願っています。そして受験生の親が願うのは「志望校合格」に
ほかなりません。合格を阻害する要因はできるだけ取り除き、受験勉強に集中してほしいと考えるのは、親の正常な思考です。

受験と恋愛を両立したいなら、親の気持ちも理解し事前に「恋愛中であること」の了承を取っておきましょう。
了承をとっておかないと、我が子が受験勉強以外に時間を割くことへの心配から詮索したり口出しをしたりする可能性があります。

自分の恋に、親が口を挟んできたら?気分が良いものではないはずです。

恋愛中であることを親に言うのは恥ずかしいかもしれませんが、後々の不要なストレスを避けるためと思って先に伝えておきましょう。

合格したらゆっくり会おうと、楽しい未来を想像する

受験勉強中の恋愛は、我慢しないといけない場面が多々あります。

我慢ばかりだと気持ちが滅入ってしまう人は、合格後の楽しい未来を想像するようにしましょう。勉強に追われることなくデートできる日、晴れて同じ学校に進学できる日など、明るい未来を描いてみてください。

「こうなったらいいな」と描いた未来を、ビジョンといいます。
ビジョンはつらいときや苦しいときに、自分の支えになってくれます。

ワクワクできる将来を手にするために、今やるべきことに全力投球していきましょう。

まとめ

受験生と恋愛は、とても難しい問題です。カップルの数だけ正解がある、つまり「本当の正解はない」のが実際なのかもしれません。

それでも一般的には「受験勉強に専念した方がよい」といえるはず。限られた時間をバランスよく配分し、勉強にも恋愛にも注力できる器用な人は、さほど多くはないからです。

受験生の1年は、たった一度しかありません。

1年をどのように使い、どのような結果を手にするか。すべてはあなたの選択と決断にかかっています。

あなたの合格を、心から応援しています。

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