【小学校】子どもが担任と合わない!?親がすべき対応・やってはいけない対応
小さな背中にピカピカのランドセルを背負い、期待と不安を胸に入学した小学校。でも最近、どうも浮かない表情をしている…、「もしかして担任と合わないのかな?」と心配になってはいないでしょうか。
小学校において、担任の先生は子どもたちにとって「絶対的」ともいえる存在です。万一、合わないようなことがあれば、お子さんの小学校生活は不安だらけになってしまうでしょう。
わが子を守るために、親はどのように対処すれば良いのでしょうか?
この記事では、担任とお子さんが合わないと感じたときにすべき親の対応を解説します。最後まで読み、モンスターペアレンツと思われずに言いたいことを伝える秘訣を手に入れてください。
目次
こんなサインがでたら危険!子どもが「担任と合わない」かもしれない兆候4つ
子どもたちの振る舞いは、成長とともに変わります。しかし、中には親がみて「あれ?」「ちょっと様子がおかしい?」と感じるものもあるかもしれません。
親の直感は、えてして当たるものです。
お子さんがもし、以下の様子を見せていたら「担任と合わない」と悩んでいる可能性があります。
子どもがあまり学校の話をしない
もともと無口なタイプを除き、学校の話をあまりしない場合は気をつけたほうが良いでしょう。
小学校は子どもたちと担任の関係が近く、学校の話をすると担任に言及しないわけにはいきません。
担任と合わないせいで楽しい話ができず、自然と口数が少なくなっている可能性があります。
友だちの話はするが、担任の話をしない
「友だちの話はするが、担任の話をしない」のも不自然さが残ります。前述したように、小学校は担任と子どもたちの距離が近いため、子どもたちも「今日、先生がね」と担任の話題を出すのが自然だからです。
家庭で聞くのは友達の話ばかり、先生の名前が出てこないのは、お子さんが「担任と合わない」と感じているせいかもしれません。
担任の反応を過剰に気にする
「こんなノートの使い方をしたら、先生に怒られる」「明日持っていく道具、これで本当に大丈夫かな…」と、お子さんが担任の反応を過剰だと思われるほど気にかけてはいないでしょうか。もしかすると担任の指導が厳しすぎ、お子さんが威圧感を抱いている可能性も考えられます。
小学生にとって担任の指示は「絶対」ともいえるほど大きな意味を持ちます。担任の顔色をうかがうような様子が見られたら、担任との相性を注意して見てみましょう。
学校に行きたがらない
学校に行きたがらない原因はさまざまありますが、小学生の場合は「担任と合わない」ことも大きな要因となります。
あれこれと理由をつけて学校に行きたがらなくなったら、さまざまな要因の中に「担任と合わない」可能性があることも考えてみてください。
子どもたちが「担任と合わない」と感じるポイント
担任と合わない様子が見られたからと言って、担任のどのようなところが合わないのか小学生自身に説明させようとしても難しいでしょう。自分の気持ちを客観視し、適切な言葉で説明するだけの経験もスキルももっていないためです。
ここは親御さんが「小学生が“担任と合わない”と感じやすいポイント」を把握しておき、お子さんの場合にあてはまりそうな原因を推測してあげるべきです。
小学生が「担任と合わない」と感じる要因を、5つ解説します。
指導が厳しい・細かい
「丸つけが厳しすぎる」「細かな所作まで指導する」など、指導の厳しさ・細かさに苦手意識を持つ子どももいます。
とくに小学校1年生は、保育園・幼稚園までの伸び伸びした時間とのギャップに戸惑うようです。
また進級にともなう担任交代により、指導スタイルがかわった時も「厳しくなった」「細かくなった」と感じやすいようです。
テストや宿題が間違っていたときに大きく「×」をつけるだけの先生と、「×の理由を書いてくれる」「次は頑張ろう、など励ましの言葉を書いてくれる」先生とでは、前者の方が厳しさを感じるでしょう。子どもたちはほんの些細な部分で、「あの先生は厳しい」「怖い」と感じます。
指導が甘すぎる
厳しい指導とは正反対の、甘すぎる指導も子どもたちからは不評です。
子どもたちは先生に「正しい道に導く役割」を求めます。「何をしても怒らない」「注意しない」担任では何が正しいかわからず、子どもたちも不安になってしまいます。結果的に「あの先生とは合わない」「あの先生ダメ」といったネガティブな印象につながるのです。
また指導が甘い担任には子どもたちも舐めた態度をとりはじめ、規律・けじめのない学校生活になってしまうおそれもあります。
ネチネチしている
ネチネチした指導をする担任も、嫌がられる傾向にあります。
「終わったことをいつまでも言い続ける」「事あるごとに蒸し返す」などの態度は、大人にとっても気持ちの良いものではありません。
まして年端もいかない子ども達にとっては、ネチネチした態度をとられるたびに傷をえぐられるような思いになり、担任に対するよくない印象につながります。
性格や雰囲気が合わない
「うまく言葉にはできないが、なんとなく合わない」「性格や雰囲気があわない」といった理由で担任と相性がよくない場合もあります。
とくに担任とお子さんの性格が正反対の場合に、起きやすいようです。「熱血で一生懸命な担任とクールなお子さん」「生真面目な担任と遊び心の強いお子さん」などが、一例です。
また担任の性格はクラスの雰囲気形成にも影響するため、結果的にクラスに居づらくなってしまうお子さんもいます。
特定の児童ばかりを目にかける
担任が特定のお子さんばかりを目にかける、いわゆる「えこひいき」も、「担任と合わない」とお子さんが感じる原因となります。
正当な理由があって手数をかけている場合は、子どもたちも納得するものです。しかし明らかに理不尽だったり、子どもたちが納得する理由もないのにえこひいきしたりする担任は、子どもたちから嫌がられます。
目をかけてもらえない自分を卑下する感情につながることもあり、知らないあいだにお子さんの自己肯定感が下がっていないかも気に掛ける必要があります。
「担任が合わない」ことが子どもに与える悪影響
担任は、授業に生活指導、遊び相手と、お子さんが小学校にいる時間のほとんどすべてに関わります。
もし担任と合わなかったら?お子さんにはさまざまな「良くない影響」が起きるでしょう。
◎ 担任と合わないことの悪影響(一例)
- 学校が楽しくなくなる
- 学校に行きたくなくなる
- 自己肯定感が下がる
- 担任の顔色ばかりうかがうようになる
- 授業や学校生活に対する意欲がなくなる
- 勉強がわからなくなる
お子さんの小学校生活を充実させるため、またかけがえのない時間とするためにも、担任との相性は大切です。
次の章からは、「子どもと担任が合わないかも?」と感じたときの、親のNG対応と良い対応を解説していきます。
子どもが担任と合わないかもしれないと感じたときに親がしてはいけない対応
まず、お子さんが担任の先生と合わないかもしれないと感じたときに、やってはいけない対応を4つ解説します。
どの対応も、お子さん本人とご家庭、学校(担任)にとって、良い結果にはなりません。ついやってしまわないように、注意しましょう。
学校にクレームを入れる
「担任の先生が、うちの子と合わないんです!」と、いきなり学校にクレームをいれる対応はNGです。とくに、担任を飛ばして教頭や校長に話しにいってはいけません。
担任や学校にも理由があるでしょう。
あるいは、(ないとは願いたいですが)お子さんが話を作っている可能性もゼロではないのです。
お子さん側の話だけを聞いて一方的にクレームをまくし立てても、解決に向けて建設的な話し合いはできません。
◎ 「モンスターペアレント」にならないように!
「モンスターペアレント」、略して「モンペ」とも呼ばれます。学校に対して自己中心的で理不尽な要求を平然とする親を揶揄する言葉です。
学校と親はともに子どもを育てる“パートナー”です。また学校は大勢の子どもたちと社会性を学ぶ場でもあります。
わが子の利益を最大化するためだけの要求は、好まれません。何かあったときほど、冷静に・客観的に対応するようにしましょう。
教育委員会にクレームを入れる
学校のクレームを教育委員会に伝えるのは「最終手段」です。本来、学校の問題は学校内で解決するものとされているためです。学校と話し合っても、どうしても解決しなかったときの相談先として、教育委員会を位置付けましょう。
また教育委員会も、学校の様子を逐一把握しているわけではありません。教育委員会に伝えても結局は学校で事実関係を確認し、学校が対応することになります。
時間と手間を最小にするためにも、まずは学校に相談するのが先決です。
子どもに担任の悪口や悪い評価を話す
担任と合わない様子だからといって、親が一緒になって担任の悪口を言うのも好ましくありません。
子どもにとって、親は「絶対的に正しい存在」です。その親が担任の悪口をいうと、子どもは「やっぱりあの先生はダメなんだ」「ぼくは間違っていなかったんだ」と、担任への悪い印象を決定的にしてしまいます。
またはじめは「担任への不信感」だったものが、「先生全体への不信感」「学校への不信感」と規模を大きくしてしまうケースも少なくありません。
さらに「親がこう言っていた」と子どもを介して親の発言が広まり、友だちや学校に広まる場合もあります。
結果的にお子さんと担任との関係性をさらに悪化させるおそれもあるため、「親が悪口を言う」のはNGです。
何もしない
お子さんと担任が合わない様子を感じながらも、何もしないというのもやってはいけない対応です。
親御さんは「時間が解決してくれるだろう」「子どもも成長すれば、いろいろな大人がいると理解できるだろう」と考えるかもしれませんが、お子さんにとっては「いま」が大切なのです。
たった一度しかない小学校生活、担任との相性が悪いせいで楽しめなかったり、充実した時間にできなかったりしては取り返しがつきません。
もし小学校で学校や勉強に対する苦手意識をもってしまうと、中学校以降にも影響することもあります。
お子さんの異変を察知したら、何かしらの対応をとるようにしましょう。
子どもが担任と合わないと感じたとき、親がすべき対応
お子さんの様子から、「もしかしたら担任と合わないかもしれない」と感じたら、次の3つの対応をとりましょう。
①~③は対応すべき順番になっています。順を追っても解決できないときに、次の手順をとるようにすると、話がスムーズに進みます。
① 担任に直接伝える
言いにくいかもしれませんが、まずは担任に直接伝えてください。
この時、先生を責めるような言い方をしてはいけません。あくまで「子どもがこういっていたのですが」と前置きして、事実関係を冷静に確認する姿勢を保ちましょう。
また担任の話をじっくり聞くことも大切です。
担任が良かれと思ってした指導が、お子さんには意図が伝わらず誤解から「合わない」という印象につながっている可能性もあるためです。
◎ 担任への伝え方のコツ
まずは連絡帳を使い、状況を知らせましょう。
その上で直接話した方が良さそうな場合は、電話や面談の時間をとってもらえないか打診します。
いきなり学校に行っても、授業の邪魔をしてしまいます。事前に様子を共有し、良い解決策を探っていきましょう。
② 学年主任やスクールカウンセラーに相談する
担任に伝えても事態が解決しない場合は、学年主任やスクールカウンセラーに相談してください。
とくにスクールカウンセラーは、公認心理師や臨床心理士、精神科医など規定の資格を持つ人が役割をになっています。相談を聞くプロでもあるため、良い解決策が見つかる可能性があります。
スクールカウンセラーに相談したい場合は、学校が開催する相談会に参加するか、個別に予約をとりましょう。
学校に常駐しているわけではないため、やはり直接訪問するのは控えたほうがベターです。
③ 教頭・校長に相談する
担任、学年主任、スクールカウンセラーに相談しても解決できない場合は、教頭・校長に相談してみてください。
教頭や校長は、よく授業を見回っています。担任の指導法や個性を把握しているケースが多いため、相談をしても的確な反応が返ってくる場合があります。
教頭・校長に相談する際は、担任批判にならないように気をつけましょう。子どもたちの幸せを願っているとはいえ、自分たちの学校にいる教諭を悪く言われるのは気持ちのよいものではないためです。
「一緒に良い解決策を探してほしい」と謙虚に依頼する気持ちを忘れずに、冷静に話すようにします。
学校から「モンペ」と思われない相談の仕方
誰もが「モンペ(モンスターペアレント)」にはなりたくないと思うはずです。しかし、わが子が心配な気持ちが過剰になりすぎ、思わぬところで「モンペ」と評価されてしまう場合もあります。
モンスターペアレントと言われないために、担任や学校への相談時に心がけたいことを3つ解説します。
マナーを守り、誠実に応対する
感情的になったり、罵詈雑言を並べたりと、マナーのない振る舞いは「モンペ」まっしぐらです。
大人同士の相談の場であることを忘れずに、誠実に振る舞うようにしましょう。
愚痴を吐きだすことや学校を批判することは、相談の目的ではありません。目的はあくまで、「子どもの悩みを解決する方法を模索する」点にあります。
目的をはき違えず、節度ある応対を心がけましょう。
相手を傷つけようとしない
「うちの子がこれだけ傷ついたんだから、先生にも同じ思いをさせてやる!」と、相手を傷つけようとするのもNGです。担任の人格批判をしたり、問題に直接関係のない話を持ち出したりするのもやめましょう。
感情的になっても、事態はまったく解決しません。
担任にもそうせざるをえない事情があったのかもしれないと、理解しようとする姿勢が大切です。
お互いの話を率直に伝えあい、建設的に解決策を探る姿勢を忘れないようにしましょう。
どうしてほしいのか、要望をはっきり伝える
現状に対する文句や不満をひたすら並べ続ける親も、モンスターペアレントと言われる場合があります。
相談の場の目的である「解決策の模索」が一向に進まないからです。愚痴を聞かされ続ける担任は疲弊し、指導にもよくない影響が出るかもしれません。
相談の場では現状の問題点を共有した上で、「ではどのようにしたいのか」という希望をはっきり伝えるようにしましょう。
必ずしも希望どおりの回答は得られないかもしれませんが、学校や担任が家庭とお子さんを理解する一助にもなります。
「担任と子どもが合わない」と、親が悩み過ぎないために
「担任と合わない」と悩むお子さんを見る親も、悩みが深刻化します。
しかし、親が浮かない顔をしている心理は、お子さんにも伝わってしまうもの。「ぼくのせいだ」「私のせいで」とお子さんに余計な心配をかけないためにも、親の悩みは適度に吐き出すことが大切です。
気軽に相談できる相手をみつけておく
お子さんや学校の悩みを、気軽に相談できる相手はいるでしょうか。
「同じ学校に子どもを通わせるママ友には、かえって話しにくい」という人もいます。下手に相談して学校でうわさになる、友だちや担任の耳に入る事態になっても困るから、というのが理由です。
そんなときは、第三者に相談してみましょう。塾や家庭教師など、教育系の知見を持つ人に相談すると、的確なアドバイスが得られるかもしれません。
地域から離れた人に話を聞いてほしい場合は、オンライン家庭教師の相談窓口なども頼ってみてください。教務の専任スタッフが、学校や勉強の悩み相談に乗るオンライン家庭教師もあります。
同じ学校に子どもを通わせる知人の話を聞いてみる
先の話とは逆ですが、同じ学校に子どもを通わせている親の話を聞いてみても良いでしょう。
とくに上の学年の子どもがいる人や、兄姉を通わせていた人の話しは参考になります。「あの先生は昔から〇〇だった」「そんな評判は聞いたことがない」など、第三者からの担任評価を聞ける可能性があるためです。
もしかしたら、同じ経験をした人からアドバイスがもらえるかもしれません。
愚痴大会にならないようにだけ気をつけつつ、周囲の人の話も聞いてみましょう。
まとめ
「楽しい小学校生活を送ってほしい」と送り出したはずなのに、お子さんが毎日沈んだ様子で帰ってきては、心配になるのは当然です。ましてその原因が担任との相性にあるとわかったら、文句の一つも言いたくなるかもしれません。
しかし、お子さん側の話だけを聞いて、一方的に担任や学校にクレームをいれるのは辞めましょう。担任にも事情があり、冷静に話し合えば誤解が解ける場合もあるのです。
学校は、一緒にお子さんを育ててくれるパートナーです。「子どもたちのために」と一生懸命指導する先生がほとんどです。
もし担任と合わないのかもしれないと感じたら、記事を参考に冷静で誠実な対応を心がけてください。こちらが建設的に話し合う姿勢を見せれば、学校はかならず真摯に対応してくれるはずです。