過去問はいつから解けば良い?合格につながる使い方を解説します!
受験学年になると気になるのが「過去問」です。「いったい、いつ解くのがベストなの?」「何年分くらいやれば良い?」など、過去問の取り組み方について不安がある受験生も多いのではないでしょうか。
あるいは「実力がついてから解きたいから、冬までとっておく」という受験生もいます。果たしてその選択は正しいのでしょうか…。
この記事では、過去問を解き始める最適な時期について解説します。あわせて合格につながる過去問の使い方や、過去問の入手方法も紹介しました。
最後まで読むと、過去問をフル活用できる受験生になれるはずです。
さっそく、本題からはじめていきましょう。
目次
過去問はいつから始めるべき?
過去問は、いつごろから解き始めるのがベストなのか?中学受験・高校受験・大学受験の3パターンに分けて、最適なスタート時期を解説します。
中学受験の場合
中学受験の場合、【小6の9月ごろ】から過去問に取り組むのがおすすめです。
小6の9月以前だと未習範囲が残るため、解けない問題が出てくる可能性があるためです。中学受験対策を進めていれば、およそ小6・9月ごろにはすべての範囲の学習が終わり、過去問にチャレンジする土台が完成します。
夏休み明けに緩みがちなモチベーションに刺激を与えるためにも、過去問は有効です。過去問を解くと実力がまだ足りないと実感でき、勉強意欲が戻りやすくなります。
高校受験の場合
高校受験の場合は、【中3の11月ごろ】から過去問にチャレンジすると良いでしょう。
中3の11月だと未習範囲も残りますが、高校入試で出題される範囲の大半は既習となります。過去問に未習範囲の問題があったら飛ばし、できる問題だけを選んで解いてもOKです。
過去問に取り組むと、得点が安定しない分野が見つかります。11月から本番までの期間で得点を安定させられるよう、学習計画も見直しましょう。
大学受験の場合
大学受験生であれば、【高3の夏休み】に一度過去問を解いておきます。夏休みの段階では、まだ解けなくて大丈夫です。苦手や実力が及ばない分野を発見し、秋以降に対策できるよう受験勉強の計画を見直してください。
本格的に過去問に取り組むのは、試験本番の2か月前ほどからです。共通テスト対策なら11月ごろから、国公立大二次試験なら共通テスト直後から、私立大学なら年末くらいからを目安にしてください。
過去問はどこで手に入る?
過去問を入手する方法はさまざまです。受験学年別に、過去問を手に入れる方法を解説します。
またすべての受験に共通して「先輩から譲ってもらう」方法もあります。同じ学校を受験した仲の良い先輩がいたら、相談してみると過去問を譲ってもらえるかもしれません。
中学受験生なら「塾」「学校ホームページ」で収集
中学受験生が過去問を入手する方法は、次の3つです。
- 過去問サイト
- 塾
- 受験する中学校
首都圏中学受験4大塾の1つである「四谷大塚」は、中学受験の過去問サイトを運営しています。会員登録(無料)すると、450校※ 以上の過去問をダウンロードできます。
国語の問題は本文の著作権の都合で公開されていないケースもありますが、大半の問題を入手できます。
また塾が独自に過去問を収集しており、塾生に配布している場合もあります。どの中学の問題が何年分あるかは塾によって異なりますので、詳しくは塾にお問い合わせください。
中学校によっては学校で無料配布しているところもあります。「学校のホームページからダウンロード」「資料請求」など配布方法はさまざまです。
過去問についての情報は、中学校ホームページの「受験生へ」というページに掲載されています。
※ 2022年11月時点
高校受験生なら「市販」「教育委員会・学校ホームページ」で収集
高校の過去問は、「市販の教材を買う」「教育委員会や高校のホームページからダウンロードする」が一般的です。
都道府県立高校の過去問は、どの地域でも市販されています。収録されている年数や解説の充実度が教材によって異なるため、書店で実物を見て比較してみましょう。
どの教材も、収録されている問題自体は同じです。使いやすそうなものが1冊あれば十分です。2冊も3冊も買う必要はありません。
繰り返し解くことも想定し、コピーして使うのがおすすめです。
また教育委員会ホームページ(公立高校)や学校のホームページ(私立高校)でも、過去問が公開されている場合があります。
教育委員会での公開状況は自治体によって異なります。また、公開されている年数は最長でも3年程度です。
多くの私立高校は、過去問を学校ホームページで公開しています。ただし、2年分程度の公開にとどまるケースが多いようです。
大学受験生なら「赤本」「過去問サイト」で収集
大学受験生の過去問といえば、「赤本」です。赤本は379大学分※ が発行されています。最新号は毎年5月~9月にかけて発売されます。
図書館や進路指導室、塾、またブックオフなどの古書店では、過年度の赤本を見つけられます。
また過去問サイトでも問題をダウンロードできます。過去問の収録件数が多い過去問サイトは、以下の2つです。
いずれも会員登録(無料)すると、過去問の問題と解答・解説が使えるようになります。
合格に近づく過去問の使い方&注意点
過去問は、ただ解いても力にはなりません。合格に近づくには、いくつかのコツが大切です。
過去問にチャレンジし始める前に知っておきたい、「合格に近づく過去問の使い方」を解説します。
過去問を解く目的を明確にしておく
はじめに「なぜ、過去問を解くのか」、つまり過去問に取り組む目的をはっきりさせましょう。過去問を解く目的は、大きく2つあります。
- 志望校の出題傾向や難易度を体感するため
- 弱点や実力不足の分野を把握するため
過去問を実際に解いてみると、「問題量が多いな」「数学だけやけに難しいな」「独特の問題形式だ」など、“気づき”が得られます。この気づきこそが、志望校の出題傾向であり、難易度です。
塾から「あの学校の難易度は平均程度だ」と言われてもピンと来なくても、一度解いてみると驚くほどわかるはずです。
また過去問を解くと、自分自身の実力が足りていない分野や基本が抜けている箇所などが見つかります。本番までの残り期間で不足を補える計画を立て、効率よく受験勉強をすすめるためにも過去問は大切な役割を果たします。
本番同様の時間配分で解く
過去問は、かならず本番と同じ制限時間・時間配分で解きましょう。
本番が「国語50分」なら、過去問を解くときも50分で終わりです。
本番は「制限時間内に合格点」をとらないといけません。今の実力でどこまで解けたのか、合格点まではあと何問を時間内に解く必要があるのかを知るために、制限時間で終わらせることが大切です。
時間内で解けない問題があったら、復習で頑張ってみましょう。
また「1題あたり15分で解く」と配分を決めたら、配分通りに解いてみます。自分が考えた時間配分の適正さを見極めるためです。計画通りに解いてみて時間配分のアンバランスを感じたら、微調整を繰り返し最適な配分を見つけましょう。
できなくても落ち込まない
過去問に取り組み始める時期は、次のとおりだと先述しました。
- 中学受験 ⇒ 小6の9月
- 高校受験 ⇒ 中3の11月
- 大学受験 ⇒ 高3の夏休み
実は、この時期に過去問を解いても、ほとんどの受験生は合格点がとれません。まだ問題演習が十分に積み上げられていないので、解けなくても当然なのです。
過去問の目的は、「合格点までに足りない箇所を見つける」です。解けなくても落ち込まず、合格までにやるべきことが見つかったと考え、落ち込まないようにしましょう。
落ち込んでいても、1点も上がりません。
厳しいようですが、これが現実です。
前を向いて、できない問題をできるようにすることだけに力を注いでいきましょう。
実力・知識不足の箇所を見つけ、学習計画に反映する
過去問に取り組むと「ここはまだだまだ」と、実力・知識不足の部分が見つかります。見つかったポイントは、合格までに克服すべき課題です。以降の学習計画に反映させ、実力アップを目指しましょう。
過去問を受験直前ではなく、夏~秋に解くのも「以降の学習時間を確保するため」です。最終的に本番で合格点を取れるよう、秋冬の学習計画を充実させていってください。
記述問題は先生に添削してもらう
過去問に記述タイプの問題があったら、答案を先生に添削してもらいましょう。自分では気づけないミスや、よりふさわしい言い回しを教えてもらえます。
記述問題の解答は、合っている箇所が多いほど得点が増える「加点方式」と、間違った箇所分の得点がマイナスされる「減点方式」のいずれかで採点されます。「どこが合っているのか/どこが間違っているのか」を受験生本人が正しく評価するのは難しいため、先生の添削を受けると間違いありません。
復習は徹底的に行う
過去問に取り組み答え合わせをしたら、納得がいくまで復習しましょう。「未習範囲」「あまりに難しすぎる」など、どうしても手が出ない問題以外は解けるようにしておくことが大切です。
その過去問を出題した学校では、同じ問題は出されません。しかし、次の模試や別の学校の受験では、似た問題がでる可能性があります。
出題傾向が変わる可能性もある
過去問は、あくまで「過去に出題された問題」です。
学校ごとに一定の傾向はありますが、かならずしも今年も同じ傾向で出題されるとは限らない点だけは忘れないようにしましょう。
実際、「今年から急に問題が変わってびっくりした」という声は、毎年のように受験生から聞かれます。ある年、突然、ガラリと傾向が変わるのは、よくあることです。
過去問で傾向を知り対策を進めますが、あくまで「傾向」である点は押さえておいてください。
傾向は、いつ変わってもおかしくありません。傾向が変わっても落ち着いて取り組めるよう、柔軟な対応力も身につけておきましょう。
過去問は何年分やるべきか
過去問は、取り組む年数が多ければ良いかというと、そうでもありません。10年以上前の問題は、現在とは出題傾向がまったく違っていて参考にならないケースも多いためです。
おすすめの年数は、以下のとおりです。
- 第一志望校:3~5年分
- 第二志望校以下:1~3年分
3年分以上の過去問を解いておけば、その学校のおよその難易度やボリュームがわかります。急に出題傾向が変わっても対応しやすくなるでしょう。
また過去問は「最新年度から」解くのがおすすめです。年度が古くなるほど、現在の傾向からは乖離します。「古い方から初めて、最新年度は直前の力試しに」と思っていると、最新年度で出題傾向の大きな変更があった場合に対応しきれません。
過去問は「新しい方から古い方」へと進めましょう。
過去問が入手できない場合、どうすべきか
「赤本が出版されていない」「塾にも学校ホームページにも過去問がない」など、過去問が入手できないケースもあります。
その場合は、傾向や難易度が似た他校の過去問にチャレンジしてみましょう。塾の先生に聞くと、おすすめの学校を教えてくれるはずです。
また受験校の試験時間は、募集要項に書かれています。試験の制限時間もボリュームも、何度も似た他校の過去問で練習しておけば、落ち着いて本番を迎えられます。
「過去問をやっていて良かった!」先輩の声
過去問をやっておいたから、こんな良いことがあった!という先輩の声を5つ、紹介します。
難しい過去問に心が折れそうになる日もあるかもしれませんが、先輩の声を励みに頑張っていきましょう!
過去問対策を計画的に進めたいならオンライン家庭教師ピースがおすすめ
過去問の練習は、目的を明確にし、計画的に進めることが合格への道です。しかし、受験生は何かと忙しく、「自力で万全の過去問計画を練るのは難しい」という声も聞かれます。
そんなときは「プロ」を頼ってみましょう。
自宅でマンツーマン指導が受けられるオンライン家庭教師なら、過去問の計画立ても復習も自由自在です。有名校・難関校出身の先輩講師も大勢在籍しているため、体験談に基づいたほかにはないアドバイスが受けられます。
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まとめ
過去問は、受験学年の夏~秋にかけて取り組み始めます。弱点や実力不足を見つけ、秋冬で対策していきましょう。
過去問を解く年数は、3~5年が目安です。最新年度から始め、徐々に古い年度へと進めます。また解く際は制限時間や時間配分もきちんと守ってください。
過去問は一度解いて終わり、ではもったいないです。二度三度と繰り返し、志望校の出題傾向を身体にしみこませましょう。
記述問題の添削、また過去問演習の計画や質問は、自宅でマンツーマン指導が受けられるオンライン家庭教師ピースにご相談ください。