受験大学別・直前の準備と忘れ物をしないコツ!万一の場合の対処法も解説
いよいよ大学受験本番が近づいてきました。1月の共通テストを皮切りに、長い人は3月まで続く受験シーズンの始まりです。
受験の成功には、直前期の準備が肝心です。安心して本番を迎えられるよう、抜け漏れなく準備を整えましょう。
大学受験直前期のいま、やっておきたい準備を、勉強面やメンタル面など総合的に解説します。
目次
大学受験直前は不安で当たり前!落ち着けることを最優先に
「こんなに不安で大丈夫かな」「自分ばかり不安がっている気がする」……、大学受験直前期は誰もが同じ思いを抱きます。
これまで、自分で決めた志望大学に向けて、長い時間頑張り続けてきたはずです。その結果がいよいよ決まる大学受験は、緊張も不安もあって当然でしょう。
頑張ってきたからこそ、本番で実力を存分に出し切りたいですよね。「やり切った!」「もう後悔はない」といえる受験にするためには、当日を落ち着いて迎えられるようにすることが大切です。
持ち物や心構えなど、受験当日までに整えておきたい項目を一つずつ見ていきましょう。
全受験生共通・持ち物リスト
「忘れ物があるかも」と思うだけで、不安は増します。実際に忘れ物をしてしまうと、事務局に問い合わせたり、代替品を用意したりとやることが増える結果に……。慌ただしい受験本番でも落ち着けるよう、持ち物は早めに用意しておきましょう。
受験生に共通の持ち物リストを解説します。
絶対に忘れてはいけないもの
受験生が絶対に忘れてはいけないものは、以下の6つです。
- 受験票
- お金(現金も!)
- 筆記用具
- 勉強した教材
- お弁当(昼休憩を挟む場合)
- 飲み物
受験票はいわずもがなですね。
お金はかならず「現金」も多めに持っていきます。電子マネーが使える場所が増えていますが、万一に備えるためも現金は必要です。日帰りなら1万円程度、宿泊を伴う受験なら宿泊代+2~3万円持っておくと安心です。
勉強した教材は、休憩時間に見直しをする役目と「お守り」も兼ねています。自分の頑張りが詰まったノートや単語帳を持っていきましょう。
昼休憩をはさむ場合はお弁当も持参します。不正防止のため、試験終了までは会場から出られないケースもあるためです。
飲み物はカフェインレスがおすすめ。カフェインは利尿作用があるため、飲み過ぎるとトイレが近くなってしまいます。ほうじ茶や麦茶を持っていきましょう。
おすすめの持ち物
気持ちを落ち着かせるグッズを持っていくと、リラックスして受験に臨めるようになります。受験勉強をともに頑張ってきたマスコットや小さなぬいぐるみなどがあれば、そっとカバンに忍ばせておきましょう。
おやつや軽食があると、休憩時間の気分転換に役立ちます。グミやキャンディー、焼きチョコなど、「食べても音・においが出にくいもの」がおすすめ。カカオやポリフェノールは集中力向上効果もあります。
冬場の受験会場は冷えることも予想されるため、防寒グッズがあると安心です。コンパクトにたためるブランケット、貼るタイプのカイロなど、温度調整できるものを持っていきましょう。
忘れ物をしない秘訣
忘れ物は、次の3ステップで防止できます。
- 受験用のカバンを別に用意する
- 持っていくものを詰め、確認する
- 当日まで触らない
おすすめは、普段使いのカバンとは別に「受験当日用」のカバンを用意することです。受験用のカバンに、必要なものを詰めて確認しましょう。あとは当日まで決して触らなければ、持ち物がすべて入ったカバンを持っていけます。
不安な気持ちから何度も中身を出し入れするのは、入れ忘れのもとです。一度チェックしたら、当日まで触らないようにしましょう。
共通テスト直前にやっておきたいこと
多くの受験生にとって、受験本番は共通テストから始まります。初めての受験に緊張もマックスのはず……!
共通テスト直前にやっておきたいことを、勉強面・準備面・メンタル面から解説します。
勉強面
ここまでの受験勉強で、自分なりの成功戦略はほぼ確立しているはずです。共通テスト直前期になったら、時間配分と問題を解く順番の確認を念入りに行いましょう。
またセンター試験では、数年ごとに傾向の変化がありました。共通テストでもセンター試験同様に傾向が突然変わる可能性があります。当日、「いつもと違う」問題を目にしても焦らないことが大切です。センター試験の過去問にも目を通し、さまざまな問題パターンを頭に入れておきましょう。
準備面
共通テストは高校ごとに申し込むため、同じ高校の生徒は同じ会場で受けるケースがほとんどです。受験前に、友だちと会場まで行ってみましょう。初めて行く会場でも、友だちが一緒というだけで心強さが増します。
「もし雪が降ったら?電車が運休になったら?」と、あらゆるパターンを想定して交通手段や所要時間を確認しておきましょう。
メンタル面
「いよいよ受験が始まる」という本番意識を初めて感じるのが、共通テスト前です。国公立大学志望生はとくに、共通テストの結果次第で二次試験の出願先が変わるとあって、「共通テスト前が一番緊張した」「プレッシャーがヤバかった」と話す先輩もいました。
共通テスト前は誰もが緊張して当然です。緊張したら「よし、ちゃんと受験生になれてるぞ!」「自分は正しいぞ」「頑張ってきた証拠だぞ!」と、自分を認めましょう。緊張している状態が当たり前になると、かえって気持ちも落ち着きます。
私立大学入試直前にやっておきたいこと
私立大学の入試は、忙しいスケジュールになりやすい点に注意します。移動や宿泊、体力面も十分考慮し、無理のない受験計画を立ててください。
また受験会場に友だちが大勢いた共通テストと異なり、「大学に行き、知らない受験生の中で試験を受ける」はじめての経験となります。共通テストとは違うプレッシャーを感じやすいため、事前の準備が大切です。
私立大学入試の直前にやっておきたいことを、勉強面・準備面・メンタル面から解説します。
勉強面
受験予定大学の過去問は、少なくとも3年分は解いておきましょう。第一志望大学なら5~6年分は必要です。あらためて確認しておきたいのは、以下です。
- 出題傾向
- 難易度
- 頻出分野
- 問題形式
- 解答方式
また各大学・科目ごとに時間配分を決めます。
過去問の解答・解説が十分にない場合は塾や予備校の先生、家庭教師などに相談し、なんとか確保しましょう。
出題傾向が変化しても焦らないよう、「過去問と同じように出題される」と思い込み過ぎないことも大切です。
準備面
私立大学入試からは、長距離移動や宿泊を伴う受験も増えてきます。慣れない移動は心身を疲れさせるため、余裕を持った日程で受験計画を立てましょう。
直前期には、以下を確認しておきます。
- 新幹線や飛行機のチケットは間違いなく取れているか
- 宿泊の日程や立地は間違いないか
- 宿泊ホテル近くで食事ができる場所を探してあるか
- 宿泊場所から大学までのアクセスは確認できているか
緊張と環境の変化で眠れないことを防ぐためには、スマホに「安眠のためのアプリ」を入れておきましょう。試験1週間前ほどから使って慣れておくと、当日もぐっすり眠れるはずです。
メンタル面
初めての場所、周りは知らない受験生ばかり……、「完全アウェイ」の戦いになるのが私立大学入試です。私立大学の受験に行ってきた先輩は、毎年口を揃えてこう言います。
「周りがみんな、頭良さそうに見えた」
「隣の受験生がハイレベルな単語帳を持っていて焦った」
「休憩時間の過ごし方に困り、かえって緊張した」
アウェイ会場でもメンタルを平常に保つコツは、「周りを気にしない」ことです。あなたが周りを見て「頭良さそう」と感じるならば、周りもあなたを見て「頭良さそう」と思っているのです。
周りをシャットアウトし、自分の受験だけに集中する意識で臨みましょう。深呼吸や体操、指先運動、ハンドクリームを塗るなど、平常心を保つルーティンを決めておくのもおすすめです。
国公立大学二次試験前にやっておきたいこと
国公立大学入試は「その大学が第一志望」という受験生が多く集まります。会場の緊張感や雰囲気も独特で、安全のため厳重な警備体制を敷く大学も珍しくありません。
また真冬でもあるため、交通機関が降雪・凍結などの影響を受けやすい点にも注意が必要です。ゆとりのあるスケジュールと、心を落ち着けて臨める準備をして乗り込みましょう。
国公立大学入試の直前にやっておきたいことを、勉強面・準備面・メンタル面から解説します。
勉強面
勉強面は、これまでやってきた内容の振り返りを中心に行いましょう。いまから新しい勉強をしようとしなくて大丈夫です。傾向に合わせて進めてきた勉強を全体的に振り返り、とくに注意したいポイントや間違えやすい箇所を頭に入れておきます。
国公立大学でも、出題傾向の変化が起きる可能性は毎年あります。「大問数が変わった」「解答形式が変わった」というケースもよくあるため、どのような問題が出ても対処できるよう準備しておきます。傾向や難易度が似た別の国公立大学の過去問を解いておいても良いでしょう。
準備面
国公立大学の試験に行く前は、防寒対策を忘れずに持参しましょう。1年でもっとも寒い時期に重なる上、感染症対策のために窓が開けられている場合もあるからです。また国公立大学は設備が古くなっているところも多く、暖房効率が良くないケースも考えられます。
ひざ掛けやカイロ、脱ぎ着で体温調整できる服装などは必須です。
また降雪・凍結のために交通機関が乱れるかもしれません。自宅、もしくは宿泊ホテルから大学までのアクセスは、複数の経路を調べておきましょう。タクシー乗り場もチェックしておくと安心です。
メンタル面
国公立大学の試験会場に集まる受験生は、誰もが「合格できるかもしれない」と思えるだけの共通テスト結果を出し出願しています。実力が拮抗した受験生ばかりが集まる点が、国公立大学入試と共通テスト・私立大学入試との違いです。
妙にライバル視してきたり、マウントする雰囲気を醸し出したりする受験生がいるのも、相手を蹴落とそうと思うからこそです。
会場で気持ちを落ち着かせるために、出願を決めた際に先生や家庭教師から言われた言葉を思い出しましょう。「きっと大丈夫!」「君なら合格できる!」「実力を発揮しておいで」と言ってもらったはずですよね。
自分を信じる気持ちを強くつよく持ち、目の前の問題だけに集中しましょう。
もし3月まで合格が決まらなかった場合の対処法
「合格できなかったらどうしよう」という不安は、受験の緊張を高める最大の原因かもしれません。万一のときにどうすれば良いか考えてみましょう。対策を知っておくと、不安も和らぎます。
「3月まで合格が決まらなかった、でも現役合格したい!」、そんな受験生が知っておくべき方法を3つ解説します。
私立大学の三期募集に出願する
私立大学は2月の入試で定員を充足できなかった場合に備え、3月に入試日程を設定している場合があります。また入学辞退者が想定以上に出ると、追加募集を欠けるケースもあります。
私立大学の3月募集(三期募集)を利用すると、3月中・下旬まで受験チャンスを確保できます。
補欠合格に期待を込める
「合格したが、入学手続きをしない」入学辞退者を見越し、あらかじめ大学が「補欠合格」を出す場合があります。補欠合格とは、入学手続き締切日までに定員を充足できなかった場合に、繰り上げ合格となるシステムです。
志望大学に補欠合格していた場合は、入学手続き締切日を過ぎてから合格通知が届く可能性もゼロではありません。
専門学校を受験する
専門学校は3月下旬まで募集を受け付けています。もし大学が不合格だった場合、専門学校に進む方法もあります。
専門学校は一定の条件を満たすと、大学に編入できます。まずは専門学校で興味関心を深め、あらためて進路を考えても良いでしょう。
まとめ
大学受験は、高校受験までとは何もかもが違います。受験勉強に費やしてきた時間も、やってきた勉強の難しさも、経験がないほどだったという受験生は多いでしょう。
広い会場に多くの受験生が集まり、雰囲気で圧倒されるのも大学受験ならではです。既卒生の存在も特徴的です。いかにも慣れた様子の既卒生に、プレッシャーを感じる現役生も大勢います。
しかし受験は、最終的には「自分との戦い」であることを忘れないでください。自分が取れるだけの点数を取れれば、ボーダーラインを超えられれば、合格できるのです。
直前期の今、自分のやるべきことだけに集中できる準備を完了させておきましょう。あなたの合格を、心から祈っています。