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高校をやめたい!中退の厳しさややめた後の進路について

「高校をやめたいけれど、親にどう伝えたらいいんだろう」
「高校をやめた後、どんな進路が選べるのか不安」
こんな不安を抱いている高校生もいるのではないでしょうか。

この記事では、高校をやめたくなる理由や、中退後どんな厳しさに直面するのか分かりやすく解説します。高校をやめた後の選択肢にはどのようなものがあるのか、親と話し合う時のポイントも徹底解説します。

高校中退以外の選択肢についても紹介しますので、高校をやめたいけれど不安に思っている人必見です。

高校をやめたい理由はさまざま

高校 やめたい

文部科学省が2020年度に行った調査では高校中退者が約3万5,000人でした。高校に通う生徒数の1.1%程度が中退しています。高校をやめた理由は人それぞれですが、調査データを見ると傾向が見えてきます。

ここでは、高校をやめたい主な理由を4つ、文部科学省の調査結果もふまえて解説します。

人間関係がよくない

高校の人間関係に悩み中退する生徒もいます。学生時代は、多くの時間を学校で過ごすため、人間関係の悩みが生活全般に影響するためと考えられます。

文部科学省の調査では、学校生活や学業不適応を理由に中退する生徒も報告されています。内訳が分かる2019年度の調査を見ると「人間関係がうまく保てない」と答えた生徒は、全日制を中退した生徒全体の約11%でした。

学年別にみると、人間関係がうまく保てず中退するのは高校1、2年生が多いです。結果から考えられる悩みとして以下のような例が考えられます。

  • 中学校からの友達がいない
  • クラスになじめず一人ぼっち
  • 人間関係で悩んだとき中学校ほどのフォローがない
  • 部活の人間関係がうまくいかない
  • 仲の良い友達と険悪になってしまった

義務教育では先生が生徒の人間関係をサポートしますが、高校では生徒の自主性にまかせる傾向があります。そのため、友達付き合いの悩みを一人で抱えやすい環境だと言えるでしょう。

勉強や授業内容が合わない

高校での勉強や授業内容が合わないことも、やめたいと思う一因です。高校生活のメインである授業が合わないのは、中退を考える十分な理由になります。

文部科学省の調査では、学業不振での中退が7.5%でした。授業の難易度や内容が合わず、気持ちが勉強に向かわなかったと予想されます。

そのほか「授業に興味が沸かない」と答えた生徒が4.2%でした。高校は将来の進路に向かって学習する場です。授業に興味が持てなくなり、高校に通う意味を見出せなかったのかもしれません。

学校の校風が合わない

高校中退の理由として、学校の校風が合わないケースも考えられます。長時間過ごす学校で、校風が合わないのは本人にとってつらいのでしょう。

文部科学省の調査では「学校の雰囲気が合わない」と答えた生徒が7%でした。高校生は自分の責任で行動したい時期です。校則が思ったより厳しい場合、締め付けを感じてもっと自由な校風が良いと感じる人もいるでしょう。

また、自主性を重んじる校風が合わないと感じる生徒も。ある程度決まりがあり、先生のサポートも手厚い方が良いと感じるタイプには居心地が悪いでしょう。

他にやりたいことがある

進路変更のため、高校を中退する生徒が多い傾向にあります。文部科学省の調査では、中退に占める進路変更の割合が約43%とトップでした。

別の高校への進学を希望する生徒が20%と一番多く、就職を希望する生徒も7%でした。入学後に進路変更を考えて中退するケースや、進路の実現には他の学校がふさわしいと考えたケースなどが当てはまるでしょう。

高校を中退したらどんな厳しさが待っている?

高校 やめたい

98%以上の生徒が高校に進学し、58%が大学進学をしている時代、高校を中退したら厳しい状況が待っています。ここでは、高校中退後に感じやすい厳しさについて解説します。

中卒となり就職が厳しくなる

高校中退すると、就職活動に影響します。高校転入と違い、最終学歴が中卒となるためです。

就職の際には、履歴書に学歴を書く欄があり、高校中退の事実も書かなくてはなりません。企業は長く働く人材を必要とするため、高校中退の理由を知りたいと思うものです。「高校をやめたのなら、仕事も長続きしないかもしれない」と受け取られかねません。

また、多くの企業は高卒を採用条件としています。編入して高校を卒業した場合と比べ、中退は就職面でリスクが高いと言えるでしょう。

世間の目が厳しくなる

高校中退後、世間の目が厳しくなる恐れがあります。ほとんどの生徒が高校に行っている中、どうしてやめたのだろうと疑問に思われるためです。

高校中退にはさまざまな理由がありますが、他の人はそこまで推測しません。高校をやめた事実だけをとらえ「せっかく入学したのにやめるのはもったいない」と思うでしょう。一般的に考え、世間の目が厳しくなるのは仕方ないことです。

結婚への道が厳しくなる

高校中退により、結婚へのハードルが厳しくなるかもしれません。学歴や年収を気にする人も多く、中卒では不利になるためです。

結婚の条件として、パートナーの学歴を気にする人もいます。将来子どもを持つことを考えると、収入も結婚の決め手になります。中卒では給料が低い傾向のため、結婚の条件に合わない場合もあるでしょう。

また、中卒であるため自信が持てず、結婚に踏み出せないケースも考えられます。家族を持つ責任を考えると、中卒では結婚が厳しいと言えるでしょう。

高校をやめた後にはどんな選択肢がある?

高校をやめたからと言って、人生が終わってしまうわけではありません。中退する前に、未来に向かってどんな選択肢があるか確認しておきましょう。ここでは、高校をやめた後に進める主な選択肢を紹介します。

通信制高校に転校する

今の高校をやめたあと、通信制高校に転校する方法があります。自分のペースで学習したい人や他の夢を追いかけながら高校卒業資格を取りたい人に向いています。

中退前から通信制高校に通いたいと思っているなら、転入制度を利用するとよいでしょう。今の学校で取得した単位をそのまま引き継いで転校するイメージです。

転入の良さは今までの学習が無駄にならないことです。新たな学校で学び始めるまでの空白期間もできないので、学習リズムを崩さず学び続けられるメリットもあります。

高校中退してからも「編入」という形で入学できます。随時受け入れている学校もあれば、決まった時期しか編入できない学校もあり注意が必要です。

入学試験は、面接や筆記試験、作文などが行われます。前に通っていた学校の単位を引き継げますが、中退して空白期間がある場合は単位取得が間に合わず卒業時期がずれる可能性もあるでしょう。

定時制高校に転校する

通っている高校から定時制高校に転校する手もあります。仕事をしながら学校に通いたい人や、病気で朝起きられない人に向いています。

定時制高校は夜間のイメージを持つ人もいるでしょう。夜だけでなく、昼から授業を受けられる学校もあります。思春期に多い起立性調節障害で、朝ができずに中退を考えている人なら、定時制高校の昼の部を利用すると通いやすくなります。

定時制高校を選ぶ上で、注意したいのが卒業にかかる年数です。3年で卒業するコースと4年で卒業するコースがあり、1日の学習時間もそれぞれ違います。定時制をやめる人も多いため、どのコースで通い、何年で卒業を目指すのか、しっかり考えたほうがよいでしょう。

全日制高校に転校する

全日制高校に転校し、高校卒業を目指す方法もあります。学校の雰囲気になじめなかった人などにおすすめですが、条件が厳しいです。

公立私立問わず全日制高校への転校は、引っ越しなど住所変更による理由で受け付けられます。高校は入試を受けて合格した人が入学するため、前の学校が合わない理由で簡単に転入するのは難しいです。

また、好きな学校に転校できるとも限りません。例えば東京都の場合、転入や編入を募集する学校が決まっています。願書提出時期や選抜試験を行うのが8月となっており、その時期しか受け付けていません。

選抜では、国語・数学・英語などのテストや、面接・小論文を行う学校もあります。希望者が多い場合、点数により入学できない可能性も否定できません。

高等専修学校に転校する

高等専修学校に転校する方法もあります。高校で学習するより、専門的・実践的な技術を身に着けたい人に向いています。

高等専修学校とは、中学校を卒業した人が対象で、仕事につながる実践的な教育を受けられるのが特徴です。職業教育を重視しているので、在学中に調理師や美容師、自動車整備士などの国家資格を取れる学校も。

高校中退者はもちろん、不登校経験者や発達障害を持つ生徒を多く受け入れている実績もあります。カウンセラー資格を持つ教員がいる学校も多く、少人数で手厚いサポートを受けられるのが大きな特徴です。

高等専修学校で学べる分野は以下の通りです。

学べる分野 学科名 取れる資格
工業 情報処理、IT、自動車、機械、工業技術 自動車整備士(3級)、情報処理検定、危険物取扱者、電気工事士、ガス溶接技能者
農業 農業 日本農業検定
医療 准看護師 准看護師
衛生分野(調理・製菓・製パン) 調理、製菓 調理師、製菓衛生師
衛生分野(理容・美容) 理容、美容 理容師、美容師
教育・社会福祉分野 福祉 介護福祉士、介護職員初任者研修、訪問介護員
商業実務分野 商業、(情報 / 国際)ビジネス 簿記検定、ワープロ検定、情報処理検定、文書デザイン検定、電卓検定
服飾・家政分野 ファッション、アパレル、服飾、家政 洋裁技術認定試験、ファッション販売能力検定、ファッション色彩能力検定
文化・教養 音楽、表現、芸術、デザイン、(国際)教養 実用英語技能検定、TOEIC

参考資料:未来をひらく高等専修学校

高卒認定を取得する

高校を中退後、高卒認定を取得する方法もあります。高卒認定とは、高校卒業した人と同じくらいの学力があるかをチェックする試験です。高校を卒業していない人が、大学を受験する時などに受けます。

高卒認定試験は8月と11月の年2回行われます。必須科目である国語・数学・世界史・英語と、選択科目の組み合わせで、最大10科目の試験に合格する必要があります。

高卒認定は試験を受ける年度の年齢が16歳以上であれば受験可能で、学校に通わなくても高校卒業と同等の資格が取れる魅力があります。あくまでも資格のため、高校卒業の学歴にならない点に注意です。

留学する

高校中退後は、海外の学校に留学する道もあります。国内に限らずグローバルに活躍したい人に合う進路です。

中退後に留学する場合は私費留学です。在学中に国や学校の支援を受けて留学する交換留学に対し、私費留学は中退後でも現地の生徒と同じように学べます。留学期間も自由に決められるので、語学や国際感覚を身につけられるメリットがあります。

私費留学は、民間のエージェントや一般社団法人などで手続き可能です。交換留学と比べ学費や生活費など多額の費用がかかるため、慎重に相談した方が良いでしょう。

アルバイトする・就職する

高校中退後、アルバイトや就職して働く道も選択できます。厚生労働省が行った調査では、中学校卒業後1年以内に就職した人のうち、正社員が約11%、正社員以外が約67%でした。

正社員以外を選んだ理由として「もともと正社員を希望していなかった」が約36%と一番多い結果に。さまざまな背景により、アルバイトなど短時間や期間限定の仕事に就く割合が多い傾向でした。

中卒でも働いている人はいますが、多くの場合が短時間の仕事を選択しています。逆に考えると、それなりの収入を得るのは難しいかもしれません。

親との話し合いに向けてはっきりさせておきたいこと

高校をやめたい気持ちを親に伝えるのは勇気のいることです。家族と話し合う前に、自分の気持ちを整理してみましょう。ここでは、親との話し合いに向けてはっきりさせたいことを3つ紹介します。

高校をやめたい理由

まずどうして高校をやめたいのか、理由をはっきりさせる必要があります。親が納得するような理由がないと、話し合いにもならないでしょう。

せっかく入った高校をやめたいと思うくらいですから、重大な問題があると考えられます。親へ説明する前に、気持ちを文章にしてみるとよいでしょう。書くことで自分の考えが整理されるので、気持ちが親に伝わりやすくなります。

将来の目標

高校をやめたあと何をしたいのか、将来のビジョンをはっきり伝えられるようにしましょう。

親は子供に、きちんと仕事をしてお金を稼ぎ、生活に困らないようにしてほしいと思うはずです。やめた後のことを何も考えていないなら、やめることを許可しないでしょう。目標があって高校をやめるなら、言葉ではっきり説明することが大切です。

どんな進路をとりたいか

親に高校をやめたいと打ち明ける前に、どんな進路に進みたいのかはっきりさせておきましょう。

先ほどもお伝えした通り、親は子供に着実な将来を歩ませたいと思うものです。高校をやめて進みたい進路があるなら、親を説得できるようきちんと下調べしておきましょう。

例えば、資格を最短でとれる学校に転入し夢をかなえたい場合、通いたい学校をリストアップします。かかる費用なども調べておくとよいでしょう。親を納得させられる熱意があれば、希望する進路を許可してくれるかもしれません。

高校中退はできるだけ避けて他の選択肢を検討しよう

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高校中退はできるだけ避け、他の選択肢を検討することをおすすめします。高校中退は仕事への影響が大きく、後で後悔するかもしれないためです。

多くの職業では、採用条件に高卒以上と書いてある場合が多いです。高校中退では学歴が中卒になり、希望する職種に就けない恐れが高いでしょう。

他の学校への転入など、高校を中退せずに進路を変える方法もあります。高校中退を決める前に、親と話し合いじっくり考えてみましょう。

まとめ

高校 やめたい

高校をやめたいと思う理由は人それぞれで、実際に中退している生徒も一定数います。本当につらく、自分を守るためにやめる場合もあるでしょう。

しかし、本当に高校中退しか道がないのか慎重に考えるべきです。高校をやめると学歴が中卒になり、就職や結婚に悪影響が出るかもしれません。中卒に引け目を感じ、学歴コンプレックスを抱く恐れもあります。

今の高校が合わないなら、通信制高校への転入などリスクを負わず進路を変える方法も選択可能です。将来の可能性を広げるためにも、情報を集め親とよく相談した上で進路を決めましょう。

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