英検5級の合格点・合格率とは? | 合格するための勉強法も解説
英検5級を子どもが受験しようとしている親の方のなかには、英検5級の合格点や難易度が気になっている方もいるのではないでしょうか。とくに初めて英検5級を受験する方は、問題形式や出題傾向もわからないですよね。
本記事では、英検5級の合格点や合格率、合格する勉強法を紹介します。これから子どもが英検5級を受験する方は、参考にしてみてください。
英検5級とは
英検は「実用英語技能検定」の略称であり、運営団体は公益財団法人日本英語検定協会です。英検は1級・準1級・2級・準2級・3級・4級・5級の7つのグレードに分かれており、年に3回の試験が実施されています。
もっとも簡単なレベルが英検5級であり、英語の3技能(リーディング・リスニング・スピーキング)の英語力がわかります。英検5級の出題形式には高校受験の内容と共通点が多い上に、内申点を上げられる要因としてはもちろん、高校受験対策としても役立ちます。
難易度
英検5級の難易度は「中学初級程度」であり、英語の基礎的な内容が問われます。「中学で英語を学習したばかりの中学生」「英語が苦手な中学生」「英語が得意な小学生」におすすめです。
級ごとの難易度の違いを以下の表にまとめました。
級 | 難易度 |
5級 | 中学初級程度 |
4級 | 中学中級程度 |
3級 | 中学卒業程度 |
準2級 | 高校中級程度 |
2級 | 高校卒業程度 |
準1級 | 大学中級程度 |
1級 | 大学上級程度 |
英検5級の合格点・合格率
英検5級の合格基準や合格率を解説していきます。勉強をするときの参考にしてみてください。
英検5級の合格点
英検5級の合格点は419点(1,000点満点)と公表されています。リーディング・リスニングともに425点満点であるため、5割以上の点数が取れれば合格できます。
2016年度より英検の合格基準がCSEスコアに変更になりました。英検CSEスコアとは、ユニバーサルなスコアの尺度であるCSE(Common Scale for English)を英検の各級に応じて表したものです。
スピーキングは合格には影響しない
英検5級では、1次試験(リーディング・リスニング)だけでなく、スピーキングも受験できます。しかし、スピーキングの結果は合否には影響しません。
英検3級から2次試験(スピーキング)があるため、早くからスピーキング試験に慣れるために受験することをおすすめします。
英検5級の合格率
公式に発表されている英検5級の合格率は、81.4%(2015年)と言われています。2016年以降の合格率は、公式には発表されていません。
英検5級は5人に4人が合格しているため、しっかりと準備をすれば合格を十分に狙える級です。
英検5級に合格する勉強法
英検5級に合格するためには、効率よく勉強する必要があります。ここでは、英検5級に合格するために理解しておくべき以下の内容を解説します。
- 英検5級の出題内容
- 合格するために必要な勉強時間
- リーディングの勉強法
- リスニングの勉強法
英検5級の出題内容
英検5級では、1次試験(リーディング・リスニング)とスピーキング試験を受験します。以下にそれぞれの試験についての出題内容を解説します。
英検対策の勉強を始めるときの参考にしてみてください。
【リーディング】
問題形式 | 概要 | 設問数 |
短文の語句空所補充 | 文脈に合う適切な語句を選ぶ | 15 |
会話文の文空所補充 | 会話文の空欄に適切な文・語句を選ぶ | 5 |
日本文付き短文の語句整序 | 日本文の意味になるように、語句を並べ替える | 5 |
【リスニング】
問題形式 | 概要 | 設問数 |
会話の応答文選択 | 会話の最後に応答するものとして適切なものを選ぶ | 10 |
会話の内容一致選択 | 会話の内容に関する質問に答える | 5 |
イラストの内容一致選択 | 短文を聞いて、イラストに合致するものを選ぶ | 10 |
【スピーキング(任意)】
問題形式 | 概要 |
音読 | 20語程度の文章を読む |
文章についての質問 | 音読した文章についての質問に答える |
受験者に関すること | 日常生活での身近なことについての質問に答える |
合格にするために必要な勉強時間
英検5級の内容を習っていない方(小学生高学年や中学1年生など)の場合、20~30時間ほどの勉強時間が必要と言われています。過去問の演習(6回分)や未習の文法、単語の暗記が必要となります。
一方で、英検5級の内容を習っていて理解している方の場合、10~20時間程度でしょう。過去問の演習や苦手分野の学習を行うとよいです。
上記の勉強時間は目安であり、必要な勉強時間は個人差があるため、余裕を持った学習計画を立てましょう。
リーディングの勉強法
英検5級に合格するためには、暗記している単語の数が300~600ほど必要であると言われています。暗記している語彙の数が少ない方は、単熟語帳を利用して単熟語や会話表現を暗記しましょう。
また、文法を問われる問題もあるため、基本的な文法は理解して解答できるように準備します。基礎的な内容を問うことが多いので、過去問を利用して文法問題に慣れておきましょう。
リスニングの勉強法
英検5級のリスニングでは、日常の身近な事柄を問う質問が出題されます。リスニングで得点を取るためには、英語の音を聞き取れるように自分の口で発音する方法がおすすめです。
CD付きの英検対策の参考書を購入して音声を何度も聞き、自分で発音していくとリスニング力の向上が期待できます。また、単語を覚えるときも発音を意識して暗記すると、リスニングで単語を聞き取りやすくなるでしょう。
英検5級の試験内容
英検5級では、どのような問題が出題されるのでしょうか。実際の問題例も交え、出題傾向を解説します。
リーディング
リーディングの試験時間は25分、総問題数は25問です。全体が3つのパートに分かれており、四択の選択肢から正解を選ぶマークシート方式です。
引用:「5級の試験内容」|日本英語検定協会
パートごとに、問題例と出題内容を見ていきましょう。
短文の語句空所補充問題
はじめに、問題文の空所に当てはまる語句を選択する問題が15問あります。日常生活や身近な話題に関するテーマが出題されるので、内容的には難しくありません。語彙力の豊富さが正解・不正解を分ける鍵となります。
基本的な名詞や動詞に加え、「on」「to」など主要な前置詞についても理解しておくと解きやすいでしょう。
◎短文の語句空所補充問題の例

引用:「5級の過去問」|日本英語検定協会
会話文の文空所補充問題
続いて、短い会話での空所にふさわしい表現を選ぶ問題が出されます。
選択肢に、語句一語だけではなく、「I have a homework. (私には宿題があります)」といった短文表現が含まれるため、難易度がやや上がります。単語を知っていても、文章全体の意味がわからなければ正解できません。
基本的な表現に数多く触れ、典型的な言い回しを覚えていきましょう。「come to」などの熟語表現や、決まり切った言い回しを押さえるのも効率の良い勉強法です。
◎会話文の文空所補充問題の例

引用:「5級の過去問」|日本英語検定協会
日本文付き短文の語句整序問題
リーディングパートの最後は、日本語訳付き並べ替え問題です。単語を並び替えつつ、対応する数字をマークしなければならないため、見間違いや写し間違いも起きやすくなります。英文の一番初めに来る単語も小文字で表記されている点にも、気を付けましょう。
日本語に対応する英文を正しく組み立てられる力が必要とされるため、英検5級リーディング問題でももっとも難度が高いといえます。基本的な文法知識を持っていると、解きやすくなります。
◎日本文付き短文の語句整序問題の例

引用:「5級の過去問」|日本英語検定協会
リスニング
リスニングの試験時間は約20分、総問題数は25問です。リーディング同様に3つのパートに分かれ、解答の選択肢は3つ、もしくは4つです。
問題文はすべて読み上げられますが、選択肢は読み上げられる場合と印刷されている場合とに分かれます。
選択肢が読み上げられる問題は、聞き逃さないよう集中することが大切です。選択肢が印刷してある問題は、先に目を通しておくと問題文を把握しやすくなります。
引用:「5級の試験内容」|日本英語検定協会
会話の応答文選択問題
2人の会話を聞いた後、読み上げられる問題文に応答する文章を選ぶ問題です。選択肢は印刷されていないため、読み上げられた内容を逐次正しく把握することが大切です。
放送は2回繰り返されます。1回目で聞き逃してしまった箇所は、2回目で必ず聞き取れるよう意識して臨みましょう。
会話のヒントになるイラストがついています。余裕があれば、次の問題文が読まれる前にイラストを見て、会話内容を推測すると解きやすくなるでしょう。
◎会話の応答文選択問題の例

引用:「5級の過去問」|日本英語検定協会
会話の内容一致選択問題
次に、会話の内容に一致する答えを選ぶ問題が出されます。
2人の会話が放送された後、話の内容に関する質問が読み上げられ、印刷されている選択肢から適当なものを選ぶ問題です。放送は2回繰り返して流れます。
正解のポイントは、会話の内容と続く質問文まで正しく聞き取ること。会話が終わった時点でホッとして気を抜くと質問が聞き取れず、内容がわかっていたのに正解できない残念な結果にもなりかねません。選択肢一つひとつの意味理解が必要なこともあり、やや難度が上がると押さえておきましょう。
◎会話の内容一致選択問題の例

引用:「5級の過去問」|日本英語検定協会
イラストの内容一致選択問題
リスニングパート最後は、イラストを見て内容に一致したものを答える問題が出されます。放送される英文は3つ、その中ならイラストの内容を表しているものを1つ選びましょう。選択肢は印刷されていません。最後まで集中して聞く姿勢が大切です。
選択肢同士が似ている問題が多い点にも注意します。たとえば下の例では、通勤に使う交通手段を聞いていますが、選択肢で異なるのは「乗り物」の単語だけです。ボーッと聞いているとすべての選択肢が同じに聞こえるため、単語レベルでの聞き分け力が必要になります。
◎イラストの内容一致選択問題の例

引用:「5級の過去問」|日本英語検定協会
スピーキングテスト
英検5級では、任意でスピーキングテストを受験できます。スピーキングテストの結果は合否に影響しないため、実力を知る目的で気軽に受けてみるのがおすすめです。
スピーキングテストは、パソコンやタブレット、スマートフォンからスピーキング受験サイトにアクセスし、自分の声を録音して受験するスタイルです。所要時間は5分程度。英検5級受験申し込み1回につき、1回受験できます。
スピーキングテストは、リスニングとリーディングの試験(一次試験)の合否閲覧開始日から受験可能です。
英検5級と中学受験の関係
英検5級を持っていると中学受験で有利か?と気になる親御さんも多いかもしれません。
英検5級は英検の中では一番易しいレベルとはいえ、「中学初級程度」が受験目安のため、中学受験でメリットがあると嬉しいですよね。
ここからは中学受験と英検5級の関係について、詳しく解説します。
英検5級を保持していると有利になることもある
結論から書くと、英検5級は中学受験で有利になるケースもあります。具体的にどのような場面で有利になることがあるのか、3つを紹介します。
試験時に加点が受けられる
英検取得級に応じて、英語試験に加点措置を設ける中学もあります。英検5級が加点対象かどうか、また何点が加算されるかは学校によって異なります。詳しくは募集要項をご覧ください。
たとえば、京華女子中学校(東京都)の「英検利用ベスト2入試」では、試験日までに取得した英検級に対して資格点を加算します。5級は55点加算が受けられます。
英語の試験が免除される場合がある
英検を取得している受験生に対し、英語試験を免除するなどの優遇措置を設ける中学もあります。また英検取得を出願条件とする入試日程もあります。
金蘭会中学校(大阪府)では、「B日程一般(英検優遇型)」は英検5級以上を取得していないと出願できません。また同日程では、英語の筆記試験が免除されます。
奨学生など優遇措置が受けられることがある
英検級取得者に対し、特待生や奨学生などの優遇措置を設ける中学もあります。
城南学園中学校(大阪府)では、英検5級以上取得者に対して奨学生制度を用意しています。具体的な奨学金額は、中学にお問い合わせください。奨学制度を受けるためには、英検の合格証コピーが必要です。
※ 入試情報はすべて「令和5年度入試(2023年度入試)」募集要項によります。
できるだけ上級を目指すのがおすすめ
英検5級取得者に対して入試優遇措置を設ける中学もありますが、数が多くはありません。加点措置があっても、5級より4級、4級より3級と、級が上がる方が加点される得点が大きくなります。
明確に「中学受験で有利」といえるのは、3級以上を取得している場合です。3級以上では「英語の得点を満点とする」「英語選抜コースに出願できる」といった学校が増えてきます。
中学入試において英検取得者を優遇する学校は、英検の公式サイトから検索できます。
英検を受験するときの注意点
英語学習につまずかないために、英検の勉強をするときには以下のポイントに注意してみてください。
- 英語力がないときに過去問ばかり解かない
- 無理せず自分のレベルに合った級を受験する
英語力がないときに過去問ばかり解かない
英語を始めたばかりで英語力がないタイミングでは、英検の過去問ばかり解くことはあまりおすすめできません。過去問で高得点を取りづらいため、英語学習への苦手意識が芽生えてしまうことがあります。
過去問は英語の基礎学力がつき、練習問題をある程度解けるようになったタイミングで挑戦するのがおすすめです。過去問を解いたら解説を丁寧に読み込み、英語力を高めましょう。
無理せず自分のレベルに合った級を受験する
英語学習に挫折しないために、学力に合ったレベルの英検の級を受験しましょう。とくに初めて英検を受験するのであれば、一発合格を十分に狙えるレベルの級がおすすめです。
最初の受験で不合格になってしまうと、英語学習が嫌いになってしまう可能性があります。5級を受験する場合、十分合格を狙える学力になったタイミングでの受験がよいでしょう。
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まとめ
英検5級は中学初級程度の難易度であり「英語が得意な小学生」「英語が苦手な中学2・3年生」などに適切なレベルです。合格点419点(1,000点満点)で、全体の5割以上ほどの点数を取れたら合格できると言えます。
合格率は81.9%(2015年)と公式に発表されており、5人のうち4人が合格できるほどです。英検5級に合格できるように、リーディングとリスニングを効率よく学習しましょう。