小学生におすすめの習い事は何?メリットや選び方の注意点、費用の目安も解説
いまや、小学生の8割は習い事をしているといわれます。人気の習い事も、スイミングやピアノ、サッカーといった定番のほか、プログラミングやロボット製作、英会話、ボルダリングなどバリエーションも豊富になってきました。
一方で、「選択肢が多すぎて、何を習わせれば良いのか迷う」という声も聞かれます。
この記事では小学生の習い事に注目し、習い事で得られるメリットや選ぶ際の注意点、分野別・人気の習い事、相場などについて解説します。
ぜひ最後まで読み、お子さんに合う習い事を見つけるヒントにしてください。
目次
小学生が習い事で得られるメリット
習い事のメリットには、「興味・関心が強い方面を伸ばせる」「学校以外の環境で刺激を受けられる」などが挙げられます。小学生が習い事で得られるメリットを、3つの視点から詳しく見てみましょう。
好奇心が刺激される・興味の対象が広がる
習い事をはじめると、“そこでしか得られない体験”を得られるようになります。学校や家庭では得られない体験が好奇心を刺激し、興味の対象を広げてくれるでしょう。
習い事の中でも人気が高いスイミングは、はじめは水遊び程度だったものが、隣のレーンですいすい泳ぐ上級生に憧れ、泳法の練習を頑張るといったケースが多く見られます。隣のスタジオでやっていたレッスンに目が留まり、ダンスに興味を持つこともあるかもしれません。
自己肯定感が高まる機会となる
習い事では「努力してできるようになる」経験を数多く積めます。習い事の種類によっては進級や検定合格など、目標がはっきりしている場合もあるでしょう。こうした「努力が実る」経験は自己肯定感を高め、子どもたちにさらなるやる気を引き出させてくれます。
また講師やコーチがかけてくれる「できるようになったね!」「集中しているね!」「よく頑張ったね!」といった承認の言葉も、子どもたちの自己肯定感アップに役立ちます。
スキルが伸び、将来につながる
習い事には、スキルが伸び、将来につながることもあるというメリットもあります。スポーツ系の習い事は健やかでたくましい体作りに役立ちますし、習字は美しい字が書けるという特技になるでしょう。またプログラミングやロボット製作、英会話などは、将来の職業につながるかもしれません。習い事をきっかけに、将来の夢が広がる可能性も考えられます。
小学生の習い事 選び方の注意点
魅力的な習い事が数多くある現代。習い事を始めるにしても、選び方が大切です。間違った選び方は子どもの興味の芽を摘み取り、成長を阻害する要因にもなりかねません。
小学生が習い事を選ぶ際に注意したいポイントを4つ解説します。
子ども自身の「やりたい」を尊重する
まず、子ども自身が「やりたい」と思っているかどうかを大切にしましょう。言い方を変えると、習い事を「やらせる」意識は忘れた方が良いです。
親はつい、「将来のために」「役に立つから」といった長期的な視点から習い事を選びがちですが、親が選んだ習い事が興味と合っていなければ、子どもはやる気になりません。無理に「やらせよう」としても、「やりたくない」子どもと揉めるだけです。
いまは習い事を通じて興味の対象を広げ、自己肯定感を高められれば良し!と割り切り、まずは子どもが「やりたい」と思うものを選ぶようにしましょう。どうしてもやらせたい習い事がある場合は、子ども自身が「やりたい!」と思えるよう動機付けしてあげてください。
負担なく通える回数・個数にする
習い事はどれも魅力的なので、あれもこれも良さそうと増やしてしまいやすい点に注意しましょう。子ども本人が、体力的にも精神的にも、負担なく通える回数と個数にとどめることが大切です。
「新しいことを習う」というのは、少なからず子どもにとって負担となります。習ったことを消化できるよう、ゆっくり休む時間も確保してあげてください。
送迎の手間も考える
習い事には親の送迎がつきものです。特に次のケースは、現実問題として送迎が可能かどうか、さまざまなパターンでシミュレーションしておきましょう。
- 習い事の時間と家事(夕食の準備)などが重なるケース
- 兄弟姉妹で、同日に別の習い事に送迎が必要になるケース
- 習い事の教室が遠方(親の待ち時間が発生する可能性)なケース
送迎が難しそうな場合は、近くの教室を選ぶ、曜日を変えるなどの工夫が必要になることもあります。
小学生に人気の習い事
ここからは小学生に人気の高い習い事をご紹介します。「スポーツ」「語学」「テクノロジー」「芸術」「勉強」の5分野に分けて解説しますので、お子さんが興味を持ちそうな分野をチェックしてみてください。
スポーツ
スポーツジャンルで人気の習い事は、次の通りです。
- スイミング
- サッカー・フットサル
- ダンス
- バレエ
- 武道
- 野球・ソフトボール
- バスケットボール
- ボルダリング
- ゴルフ
- スケート
スイミングは習い事ランキングで常に1位にランクイン、サッカーやダンス人気も高まっています。
ボルダリングとは、突起のついた人工壁を自分の身体だけで登る競技です。2020年東京オリンピックでは「スポーツクライミング」として種目化され、注目を集めました。
ゴルフやスケートは、幼いころから選手やプロを目指して取り組むケースが多いようです。
語学
英語や英会話教室も、習い事として人気を集めています。小学校で英語が必修化された影響もあると考えられます。
小学生向けの英語教室には、次のような種類があります。
- 英検取得を目指す教室
- 英語4技能(聞く・話す・読む・書く)を総合的に伸ばす教室
- ネイティブや外国人講師とのコミュニケーションを重視する教室
- 中学に向けて文法や長文読解の素地を育成する教室
教室によって指導方針や教え方、使う教材などはさまざまです。気になる教室は体験授業を受け、手ごたえを確かめてみましょう。
テクノロジー
テクノロジー分野では、次の習い事が人気です。
- プログラミング
- プロボット製作
- プパソコン
- プ動画制作・編集
英語同様、小学校で必修化された影響で、プログラミングの人気が高まっています。小学生にも操作しやすい「Scratch(スクラッチ)」の扱い方を教えてくれるプログラミング教室や、より本格的な言語を指導してくれる教室もあります。
プログラミングと人気を二分するのがロボット製作教室です。子どもたちにも親しみやすいレゴブロックを使ったロボット作りや、複雑なプログラムやセンサーを使った本格的なロボット作りまで体験できます。
パソコンスキルやデザイン、動画制作などを教える教室もあります。
芸術
芸術ジャンルでは、次の習い事が人気です。
- 音楽・楽器
- 習字・書道
- 絵画・造形
- 演劇
- 将棋・囲碁
- 手芸
定番の習い事といえば「ピアノ」、近年はギターやドラムも注目を集めています。また声楽やリズムやリトミックなども人気です。「良い音感を育てるには、幼少期から音楽に触れさせた方が良い」という調査結果もあり、低学年から始める方も多いようです。
絵画や造形、習字といった習い事も、「感性を刺激する」といった理由で人気があります。自己表現や自由な発想力を伸ばすといった効果も期待できます。
将棋の最年少記録を次々と塗り替えて話題になった藤井聡太棋士をきっかけに、将棋を習いたいという声も増えています。
勉強
学校の勉強や中学受験に向けた学習面の習い事としては、次のものが人気です。
- 通信教育
- 学習塾
- タブレット学習
- 映像授業
校舎に通って勉強するスタイルの学習塾は、放課後の学童保育代わりにも活用できるという声もあります。またお子さんが一人でも進めやすいタブレット教材や映像授業を活用しているご家庭も多く見られました。
オンラインでも学べる!小学生におすすめの習い事
コロナ禍で世の中のオンライン化が急速に進みました。小学生の習い事にも、オンラインの波が押し寄せており、いまやあらゆる習い事がオンラインでも学べるようになっています。
オンラインの習い事について、詳しく解説します。
オンラインで学べる習い事の例
小学生を対象としたオンラインの習い事には、たとえば次のようなものがあります。
- 5教科の学習
- 作文
- 家庭教師
- 英語・英会話
- 書道
- そろばん
- プログラミング・ロボット製作
- パソコンスキル
- 体操・ヨガ
- ダンス・リトミック
- バレエ
- 絵画
- ピアノ・楽器
- 料理
スイミングやサッカー、野球など、大規模施設や仲間がないとできない習い事以外は、ほぼなんでもオンラインで学べると言って良いでしょう。
オンラインで習い事をするメリット
習い事をオンラインで始めるメリットは、主に3つあります。
- 自宅でレッスンを受けられる
- 通うより安価に受けられる
- 周りの目を気にせず取り組める
オンラインレッスンは、基本的に自宅でパソコンやタブレットを介して受講します。送迎が不要なので、お子さんにとっても親御さんにとっても負担が少ないのがメリットです。
また校舎に通うよりも安価に受けられる場合が多いのもメリットでしょう。自宅受講できる点と合わせれば、通いなら不可能だった「習い事のかけもち」も実現するかもしれません。
自宅で受講するため、周りの目を気にしなくて済むというメリットもあります。バレエやピアノなど、幼少期から始めるケースも多い習い事は、小学生になってから始めると周囲との実力差が気になることも。オンラインなら「私だけできない」という劣等感にさいなまれる心配がありません。
オンラインで習い事をする際の注意点
小学生がオンラインで習い事をする際は、次の2点に注意しましょう。
- 通信環境や機材の準備が必要
- やる気・モチベーションの維持が困難
オンラインなので、機材と通信環境の整備が必要です。パソコンやタブレットなど大きな画面の機材と、安定した通信回線を確保しなければなりません。
またオンラインは、どうしても対面より緊張感が薄れます。自宅でリラックスしながら受けられるとも言えますが、リラックスしすぎてやる気がなくなったり、続かなくなってしまいやすい点には注意しておきましょう。親御さんが隣でレッスンを見守り、適宜激励・承認・動機付けを行うようにします。
小学生の習い事にかかる費用目安
小学生の習い事には、いくらくらい掛かるのでしょうか。人気の習い事の相場や注意点を解説します。
人気の習い事の相場
文部科学省が行った「子供の学習費調査(平成30年度)」によると、ご家庭が1年間に「学校以外」の活動に支払った費用は、公立小学生平均 214,451円・私立小学生平均 646,889円だと分かっています。1か月あたりに換算すると、公立小学生 17,870円・私立小学生53,907円になります。
※ 私立小学生は中学受験に向けて学習塾に通うご家庭が多いのが、平均を引き上げていると考えられます。
小学生に人気の習い事から「スイミング」「プログラミング」「ピアノ」をピックアップし、費用の相場を見てみましょう。
月謝相場 | 備考 | |
---|---|---|
スイミング | 5,000~7,000円 ※ 選手コースは月謝が上がる |
水着、スイムキャップ、バッグなどの用品代が別途必要。 |
プログラミング | 6,000~12,000円 | 教材費や機材レンタル代などが別途かかる場合もある。 |
ピアノ | 6,000~10,000円 | 楽譜代や発表会参加費用が別途必要。自宅に練習環境を用意する必要も。 |
※ 月謝は全て週1回通った場合
費用は無理なく払える範囲で
習い事ひとつあたりの月謝は、驚くほどではありません。しかし複数の習い事をさせれば、それだけ費用が掛かります。また中学生、高校生と学年が上がるにつれ、教育費がよりたくさん必要になることも押さえておきましょう。
「やらせたい!」という思いだけで先走らず、長い目でマネープランを検討して無理なく払える範囲におさめる選択も大切です。
小学生の習い事はいくつまでが適当か
小学生の習い事は、いくつくらいが適切なのでしょうか。
株式会社バンダイが2019年に実施した調査では、最も多かった個数は「1個」の46.6%でした。次いで「2つ」が33.1%、「3つ」が15.1%と続きます。
※ 調査対象には小学生だけではなく、3~6歳の未就学児も含まれています。
子どもの体力的な問題、精神的な余裕、また親御さんの送迎やご家庭の都合によって、最適な個数は変わるでしょう。ただし、子どもたちには「ぼーっと脳を休める時間」も大切だと言われています。常に情報を詰め込む生活を続けていると、かえって脳は育たないのだそうです。
お子さんの健全な発育のためにも、習い事は「無理なく続けられる」個数に押さえるようにしましょう。
まとめ
小学生が習い事で得られるメリットはたくさんあります。「努力が実る経験」「自己肯定感が高まる瞬間」などは、ぜひお子さんにも体験させたいと思いますよね。
一方で、様々な経験をさせたいという思いが募り、習い事をやらせ過ぎないように注意しないといけません。忙しすぎる毎日はお子さんを疲弊させ、脳の発達にも良い影響がないからです。また月謝も習い事の分だけかさみます。
お子さんの「やりたい」と、親御さんの「やらせたい」が重なる習い事を、厳選して1つか2つ始めてみるのが良いでしょう。また近年はオンラインで取り組める習い事も増えています。移動時間が節約できるオンラインのメリットを活かし、ゆとりある習い事ライフを実現してください。