家庭教師の個人契約はどこで見つけられる?意外な探し方や注意点も解説
家庭教師は、教える熱意と教科知識があれば、誰でもなれる仕事です。家庭教師派遣センターに登録し、生徒を紹介してもらう方法のほかに、自分で生徒を探す「個人契約」という形もあります。
しかし、自分で探すといっても、どこをどう探せば生徒が見つかるのか、困ってはいないでしょうか。すでに活躍している家庭教師は、どのような方法で生徒を探したのでしょう?
個人契約家庭教師が生徒を探す方法やマッチングを成功させるコツ、個人契約だからこその注意点などを解説します。
目次
家庭教師 個人契約する生徒の探し方
個人契約で家庭教師をする場合、お客様(生徒)の探し方には次の3つがあります。
- 紹介を受ける
- マッチングサイトを利用する
- クラウドサービスを利用する
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
知人などから紹介を受ける
知り合いから小中高生のお子さんを紹介してもらう方法は、個人契約の家庭教師でもっともスタンダードな探し方です。「家庭教師を始めたこと」「指導できる学年と教科」を積極的にアピールし、友人の友人へと話を広げてもらいましょう。
出身校のOB・OGのコミュニティも有力な紹介元です。
メリット
紹介手数料や仲介料がかからない点がメリットです。また「地域で評判の先生」になれれば、口コミで紹介が絶えなくなることも期待できます。
デメリット
デメリットは、生徒が見つかるまでに時間がかかりやすい点です。紹介依頼の話が想定通りに広がらなければ、いつまでたっても契約できないことにもなりかねません。
家庭教師マッチングサイトを利用する
家庭教師に特化したマッチングサイトを利用し、生徒を探す方法もあります。家庭教師マッチングサイトには、「家庭教師を探しているご家庭に自分からアプローチする」スタイルと、「自分の情報を登録しておきスカウトを待つ」スタイルとがあります。得意科目や学歴、実績など、丁寧に記入するのがマッチング成功のコツです。
有名な家庭教師マッチングサイトを5つ、次の章でご紹介します。ぜひチェックしてみてください。
メリット
メリットは、つてがない生徒にも広くアプローチできる点です。また契約条件は交渉も可能です。希望に近い働き方ができる点もメリットだといえます。
デメリット
マッチング成立時に手数料(仲介料)がかかる場合がある点がデメリットです。手数料がかかるかどうかはサービスによって異なるので、事前に確認しておきましょう。
スキルを売り買いできるサービスを利用する
自分の得意やスキルを売り買いできるインターネットサービスを利用し、生徒を探す方法もあります。「ココナラ」や「ジモティー」「ストアカ」などでは、すでに家庭教師スキルを売り出している人がいます。
ココナラ、ジモティー、ストアカについて詳しくは後述しますので、あわせてご覧ください。
メリット
メリットは、自分の希望条件でサービスを売りに出せることです。利用者は条件に納得した上で申し込みますので、授業までのやりとりもスムーズに進みます。
デメリット
デメリットは、サービスの売買成立時に手数料がかかる点です。手数料率は5%~22%と幅があります。また競合となる出品者も多いため、見つけてもらうためにはキャッチコピーや掲載する画像なども工夫を凝らす必要があります。
★コラム★オンライン家庭教師とは?
個人契約でも派遣センターに登録しても、家庭教師は「生徒の自宅に訪問する」のがこれまでのスタイルでした。
しかし近年、自宅から授業ができる「オンライン家庭教師」も人気を集めているのはご存じでしょうか。
オンライン家庭教師とは、パソコンの画面を介して指導する授業形態です。場所や時間の融通が利きやすい点が、家庭教師と生徒双方のメリットとなり、急速に市場が拡大しています。オンライン指導のコツは、授業前の研修でしっかり教えてもらえます。
オンライン家庭教師は訪問型家庭教師と両立もできます。「教える」スキルを幅広く生かすために、オンライン家庭教師にチャレンジするのもおすすめです。
個人契約の家庭教師マッチングサイト5選
個人契約の家庭教師専門のマッチングサイトを5つ、ご紹介します。特徴をチェックし、ご自分に合ったものを見つけてみてください。
スマートレーダー
「スマートレーダー」は、限定された大学生のみが教師登録できるマッチングサイトです。登録可能な大学は、次の13大学になります。
家庭教師希望者が行うのは、成績や経歴を入力することだけ。適正な授業報酬額は自動で算出されます。自己PRの作成や、面談・研修、テストなども不要です。登録が必要な成績は共通テストの成績表や模試成績表などですが、登録するだけなら学生証があれば可能です。
時給は1カ月に1度、利用者からのレビューをもとに変動します。頑張ればがんばった分だけ給与に反映される仕組みが、モチベーションを上げてくれますね。
利用手数料は最大25%です。月謝に含まれており、ご家庭が支払った額から手数料を差し引いた残りが家庭教師の収入となります。
Preceptor
Preceptorは医学部生だけが登録できる家庭教師マッチングサイトです。教師登録時に学生証が必要となります。仲介手数料はご家庭が負担します。
Preceptorでは、時給や授業曜日・時間、場所、回数など、全て家庭教師が自由に決められるようになっています。また生徒側から希望条件の交渉が届くこともあります。
Preceptorは、生徒からのコンタクトを待つスタイルのマッチングサイトです。家庭教師側から生徒にアプローチはできません。教師同士の競争を勝ち抜くため、生徒が「この先生に教わりたい」と思えるような、魅力的なプロフィールを記入する工夫が大切です。
ASK
ASKは、大学生以上なら誰でも登録できる家庭教師マッチングサイトです。対応エリアは全国、紹介料はご家庭が負担するため、教師側では登録・紹介、授業開始にも費用負担はありません。
授業料や授業曜日・時間などは、教師側が自由に設定できます。生徒は公開されている教師のプロフィールを見て、リクエストを送り、面接を経て授業開始となります。教師から生徒にアプローチすることはできません。プロフィールには生徒が知りたいことを簡潔に記入しておくことが大切です。
初めて家庭教師業を行う方は、授業の進め方などのサポートも受けられます。
家庭教師のTo-Last(トラスト)
家庭教師のTo-Lasy(トラスト)は、大学生以上を対象とした家庭教師マッチングサイトです。仲介料はご家庭が負担、指導に関する諸条件は教師側が自由に設定できます。
トラストで生徒を探す方法は2つです。
◎ 生徒からのコンタクトを待つ
公開プロフィールを見た生徒が、自分を指名してくれるのを待つ。
◎ 家庭教師求人情報に応募する
メルマガなどで家庭教師求人情報が廃止されるため、条件が合うものに応募する。
求人情報は公式ホームページにも記載されているため、随時チェックするのがおすすめです。
生徒・ご家庭とは、授業決定前に面談を行います。面談時には履歴書と身分証明書が必要になるため、準備しておきましょう。
diy
diyは家庭教師と生徒の引き合わせに注力したマッチングサイトです。指導条件をはじめ、授業料支払いのタイミングや方法などまで、家庭教師が自分でご家庭と交渉し決定します。交渉の自由度が高い分、家庭教師側の責任感も要求されるサービスです。
diyに家庭教師として登録できるのは、4年制大学・短期大学・高等専門学校(4年生以上)・専門学校に在学中もしくは卒業した方のみです。またパソコンや各種資格試験など、特定分野に精通した方も登録可能となっています。
仲介手数料はご家庭負担です。登録後は、生徒からのスカウトを待つか、募集掲示板にある案件に応募して生徒を探します。ご家庭が希望すれば、面接時に模擬授業を行う場合もあります。
マッチングサイト以外の個人契約家庭教師の探し方
家庭教師マッチングサイト以外にも、指導する生徒を探す方法があります。インターネット上でスキルの売り買いができるサービスを3つ、ご紹介しましょう。
- ココナラ
- ジモティー
- ストアカ
以上の3サービスを解説します。
ココナラ
自分の得意分野やスキルを売り買いできる“スキルマーケット”が、「ココナラ」です。「学習・就職・資格・コーチング」カテゴリにある「家庭教師」に、指導を出品しましょう。
ココナラは全国幅広い客層にアピールできる点がメリットです。「ヨガ」「料理」などのレッスンを受けていた母親が、「家庭教師」を見つけるなど、思わぬつながりが生まれることもあります。
ただし、販売価格の22%が手数料として差し引かれます。1万円の授業を販売した場合、手数料が2,200円、家庭教師の手元に振り込まれるのは7,800円です(振込額が3,000円以下なら、振込手数料160円が必要)。
ジモティー
「ジモティー」は、地域密着で中古品の譲り渡し・譲り受けを仲介しているサービスです。不用品を利用者同士が手渡しできるよう、地域限定で出品できる点が特徴です。
近年、「地元に密着している」というジモティーの特徴を利用し、家庭教師などの無形サービスを出品する人も増えてきました。ジモティーに家庭教師サービスを出す際は、自分が訪問できる範囲を明確に記載することが大切です。
ジモティーの販売手数料は、価格の5%です(ネット決済の場合)。また、売上金を受け取る際は、振込手数料も別途必要になります。
ストアカ
「ストアカ」は教えたい人と学びたい人が集まるコミュニティです。「教える」が軸に据えられたサービスのため、家庭教師とも相性が良い点がメリット。学校の勉強を教える家庭教師サービスは、「子育て・キッズ」カテゴリに出品しましょう。
学校の勉強や受験対策以外に、特技を生かしたレッスンを出品できる点も特徴です。「アート」「音楽」「ダンス」などは子どもの習い事としてもニーズが高いので、新規顧客開拓が見込めます。
レッスン成立時には手数料がかかります。手数料はレッスンの性質や集客経路によって10~30%です。月間売上が多いレッスンは、手数料の割引が受けられることもあります。
家庭教師の個人契約 決まりやすくするコツ
マッチングサイトやスキルマーケットを利用しても、すぐに契約成立できるとは限りません。成約率を上げるアピール方法のコツを、3つ解説します。
プロフィールや実績は正しく丁寧に書く
プロフィールやPR文、実績などを書く際は、「正しく丁寧に書く」よう心がけましょう。プロフィールは、生徒が初めてあなたと接する、文字通り「顔」です。最初に好印象を持ってもらえなければ、スカウトにはつながりません。言葉遣いや誤字脱字、言い回しに注意し、誠実にまとめます。
また学歴や職歴、指導可能科目などは、すべて正確に記入しましょう。「教えられる科目は多い方が良いだろう」と、指導できない科目まで書くのはNGです。実力のない教師が指導するほど、生徒にとって不幸なことはないからです。
「生徒(ご家庭)視点」を大切にする
自己PR文とは、「読み手が知りたいことに対するアピール」を書くものです。自己PR文だからといって、趣味や休日の過ごし方など、自分のことばかり書かないようにしましょう。
生徒やご家庭が知りたいのは、どのようなことでしょうか?苦手科目を克服したいと思っている生徒なら、教師の克服経験に興味を持つでしょう。偏差値をあと15上げたい生徒なら、偏差値が上がる勉強法を教えられるというアピールに興味を持つかもしれません。
生徒が知りたいであろうことを想像し、それに対して自分がアピールできるポイントを盛り込むのが、成約率が上がるPR文の秘訣です。
自分の強みをアピールする
ほかの人にはない、自分だけの強みも積極的に打ち出しましょう。
登録できる教師の大学や学部を限定しているのは、大学や学部名が、そのまま「強み」になるからです。学歴以外にも、留学経験や資格試験の取得歴、会社での新人指導経験なども、家庭教師としての強みになります。
自分の経験やキャリアを棚卸し、生徒の役に立てそうな強みを発見しましょう。
家庭教師の個人契約でトラブルを回避するポイント
個人契約の家庭教師では、万一トラブルが起きた際も、自分自身で解決しなければなりません。トラブルには、ならば巻き込まれたくないですよね。
簡単なのに効果的なトラブル防止策を、2つご紹介します。
契約書は必ず交わす
「知っている人だし、大丈夫だろう」「わざわざ書面を作るのも面倒」といった理由で契約書を交わさない個人家庭教師も多いのですが、契約書は交わしておいた方が安心です。
口約束でも、実は法的な効力を持ちます。ただ、口約束は記録に残らないため、後々の「言った・言わない」トラブルに発展する恐れがあります。「言った・言わない」を防ぐためにも、約束ごとは書面で残すようにしましょう。
とくに「お金」と「時間」に関する内容は重要です。時給や授業時間、振替のルールなどは、かならず親御さんに同意のサインをいただくようにしましょう。
連絡は密に行う
家庭教師では、授業時間・日程の変更依頼やテスト範囲のお知らせ、保護者からの相談など、さまざまな連絡事項が発生します。一つひとつ丁寧に対応することも、トラブル防止に役立ちます。
「いただいた連絡にはすぐに返信」を実践するだけで、ご家庭は安心できます。信頼を得るには、地道な努力を続けるしかありません。面倒がらずに誠実な対応を実践していきましょう。
まとめ
家庭教師の個人契約は、知人の紹介のほか、マッチングサイトやスキルマーケットを利用しても探せます。軌道に乗るまでは複数のサービスを併用するのもおすすめです。自分のキャリアや経験を振り返り、生徒に魅力的に映るプロフィールを完成させ、登録していきましょう。
思春期のお子さんを受け持つ教育サービス業では、「生徒の立場に立つ」「思いやりを持って寄り添う」ことが重要です。プロフィールやPR文も書きたいことを書くのではなく、生徒やご家庭が聞きたいことに応える形でまとめてみてください。
パソコンとインターネット回線さえあれば自宅から授業ができる「オンライン家庭教師」との兼業もおすすめです。移動が不要なオンライン家庭教師は時間の融通が利きやすく、空き時間を有効に活用できます。