気が散りやすい子の勉強法とは?集中力が続かない原因と対策方法
勉強中に落ち着きがなくなったり集中力が欠如してしまうのはなぜでしょう。ゲームなどの遊びをしているときのやる気がなぜ勉強中に出せないんでしょう。今、集中することが苦手な子どもが増えています。子供たちにとって現代はかつてないほどに集中するのが難しい時代です。
原因は様々です。鳴り止まぬLINEとSNSの通知。Youtubeを見始めると平気で2、3時間が経っていることも。こんな環境の中で何に注意すれば学習に身が入るようになるのでしょうか。今一度、集中することについての理解を深める必要があります。一緒に考えていきましょう。
目次
気が散りやすい子の特徴・行動
集中するのが苦手ですぐに気が散ってしまう子にはどのような特徴があるのでしょうか。今まで教えてきた経験をもとにその特徴について考えていきます。
①気を散らすものに囲まれている
生徒の部屋には数多くの気を散らすアイテムがあります。ゲーム機や漫画などはもちろんですが、勉強中には消しゴムやボールペンなどの文房具でさえ子供たちにかかれば一瞬で遊び道具へと変化してしまいます。
気が散りやすい子の部屋ではこういったアイテムが目に入りやすいところに置かれている傾向があります。いざ勉強を始めようとするときに机に漫画が置いてあれば、気が散ってしまうのは当たり前とも言えますね。
②隙があれば雑談をしたがる
指導中は色々な話をします。一度雑談を始めると次から次へと話したいことが止まらず、あとね先生、それからね先生、と最近あったことをマシンガンのように連発してきます。
勉強を教えているときはそれほど饒舌ではないのに、勉強以外の話をすると急に言葉数が多くなる。話したがりというのも気が散りやすい子の特徴の一つです
③スマホが手放せない
私が子供だった時に比べ、現代は子供の集中の邪魔をするものに溢れています。その代表格がスマホです。今や小学生だって当たり前に自分のスマホを持っています。生徒を指導して気づいたことは、私が思っている以上に生徒のスマホは生徒の気を散らしていくということです。
鳴り止まない通知。それはLINEのメッセージであったり、ゲームなどのアプリの通知だったりしますが、その一つ一つが生徒を集中から遠ざけていきます。勉強中はスマホ没収などのルールに素直に従ってくれる子はまだ安心ですが、特に高校生にもなるとスマホの没収などなかなか難しいでしょう。
もちろんマナーモードにしたり通知を出さない設定にすれば、音や振動で気が散ることは減ります。しかし自分が勉強している際にも友達たちが何か話をしているのではないかとそわそわする子もいます。
スマホとの付き合い方を考えることが現代を生きる子供達にとってどれほど大切なことかわかっていただけると思います。
勉強中、集中力が続かない理由
次に子供達を集中から遠ざけている原因について考えてみましょう。気づかないような小さなことが子供の集中を妨げているのです。
①時間で勉強量を量っている
例えば「子供に勉強しなさい」と言う時、「1時間勉強しなさい」というのと「この2ページをやりなさい」という場合でその効果はだいぶ違ってきます。1時間と伝えた場合、子供によっては1時間机に座りテキストと向き合えばいいんだ、という解釈をする事があります。その際の理解度や集中力はどうでもよく、ただ時が経てばいいという考え方をしてしまうのです。
この勉強パターンに慣れてしまうと集中力を鍛えることはなかなか難しいです。
②同じ格好をするのが苦手
ずっと椅子に座って机に向き合うというのは大人にとっても難しいものです。子供の目線になれば、学校でずっと椅子に座って勉強してきたのに家でもまた机に向き合わなければいけないのかと嫌になる気持ちも理解できるでしょう。机とはまさに勉強のイメージそのものなのです。
③勉強だけは受動的だから
子供はゲームをしたいからゲームをし、友達と話したいから友達と電話をします。つまり子供の生活の多くは能動的な行動に溢れていると言えます。能動的とは自分の意思で、自分がしたいから行動するということです。しかし勉強は人によっては能動的にはできないでしょう。いや、多くの生徒にとって勉強は受動的な、先生や親にやれと言われているからやっていることでしょう。
受動的とは能動的とは反対に自分の意思ではなく他人に言われたから行動することです。この受動的にやっていることというのはどうしても能動的にやっていることと比べ、集中しにくいものです。
ゲームが大好きな子はゲームを集中してやりなさい、と言われなくとも自ら最大限に集中してコントローラーを握っています。何事も自主的に行動している人は嫌々やっている人を簡単に越えていきます。
好きこそ物の上手なれとはよく言ったものです。勉強をゲームやスポーツと同じだけのテンションで能動的にするのは難しいかもしれませんが動機づけさえできれば受動的を能動的に変えていくことができます。
気が散りやすい子におすすめの勉強方法・工夫
ここからは具体的に集中力を長続きさせる方法について考えていきます。どの方法も実行するのはさほど難しくはありませんし、お金がかかるわけでもありません。大事なことは凝り固まった考え方を変えることです。受動的を能動的にしていくのです。さあ見ていきましょう。
①時間ではなく分量を指示
子供に勉強をさせる際は時間ではなく分量で指示をしましょう。「このページからこのページまで」という形で伝えるのです。自主的に勉強する際も、今日やる勉強の量をあらかじめ決めておくことが大事です。
時間ではなく勉強の範囲を指示した場合、早く終える事ができればその分早く勉強から逃れられるので子供の集中力が持続しやすくなります。勉強嫌いな子ほど、早くその地獄から抜け出すために全力を出すのです。受動的が能動的に変わるきっかけです。
ここで気をつけなくてはならないのは、早く終わらせたいが故に適当に勉強していないかをチェックすることです。子供の中には早く終えたいがために答えを丸写ししただけでやった風を装う子もいます。こういったことを防ぐためにも解答は親が預かり、子供が自力で解く環境を作ることが大切です。
また丸付けまでが勉強ということを習慣づけることも大切です。私は家庭教師でよく宿題を出すのですが、解くだけ解いて丸付けをしない子供もいます。そしていざ次の授業の時に丸付けをしてみると、その問題を解いたことさえも忘れているのです。これは本当にもったいない。せっかく問題を解いたのにその勉強の効果を自分で減少させているのですから。
早く終わらせたい気持ちは理解できますが、勉強において丸付けをすることこそ最も大事なことといっても過言ではないのです。問題は解くのに丸付けをしないのはもったいなさすぎます。丸付けは必ず習慣づけてください。
正解している問題からは自信をもらえます。そして間違った問題からは今の自分の苦手を教えてもらうことができるのです。勉強は間違ってはいけないものではありません。むしろたくさん間違えて自分が理解していないことを見つけ出す作業なのです。
唯一間違ってはいけないのは入試の時くらいでしょう。それ以外はどんどん間違って大丈夫です。自分がどう間違ったかさえわかれば出来るに一歩近づきます。
②勉強は必ずしも席に座ってする必要はない
学校の授業はみんな席に座って先生の話を聞きます。そのため勉強とはすなわち机に座ってするものと決めつけている人がたくさんいます。しかしこれが勉強の絶対的なスタイルではありません。勉強は必ずしも座ってする必要はないのです。ペンを持ち、書き込むタイプの勉強をしているときは椅子に座り机と向き合うしかないでしょう。しかし何かを暗記するときや声に出して勉強する時までも真面目に席に座って勉強する必要はないはずです。
私は指導中に生徒が集中を切らしそわそわしてきたら、すぐさま暗記の時間に切り替えるようにしています。座ってられないなら立って勉強だと開き直るイメージです。子供が部屋の中を歩き回るのなら、こちらは一問一答の問題や単語クイズを口頭で出題します。これに子供が反応してくれたらしめたもの。動いているので勉強している感覚が減り、生徒がぐっと集中し出すことがわかります。
こんなやり方は勉強じゃなくてふざけているだけだという人もいるでしょう。しかし従来の勉強のスタイルにこだわって効果の薄い勉強をするくらいなら、見た目は悪くても効果のある勉強スタイルを導入するべきです。従来の勉強のイメージを捨て、勉強している感覚が少ない勉強方法を自分なりに考えてみましょう。
③やりたいことは勉強をしてから
親御さんの中にはゲームや漫画を読んでいたら頭が悪くなるから子供にさせたくないと考えている方がいます。しかしそれは間違いです。
とあるeスポーツの大会で優勝した高校生4人は皆、現役で有名大学へと進学を決めました。ゲーム自体が子供の勉強に害を与えているわけではありません。若いうちからそこまでのめり込めるものに出会えたことは羨ましいことでもさえあります。
だからと言って勉強はいいからゲームばかりやりなさいというわけにはいきません。ここで重要になってくるのはバランスです。例えばゲームが大好きな子には、ゲームは学校の宿題など、やらなくてはいけないことをしてからやるというルールを作ることが大事です。ご褒美はやることをやってからというスタンスです。このルールさえ生活の中に取り込めれば、娯楽が勉強の邪魔をすることはありません。
またこのルールにはもう一ついいことがあります。大好きなことをしているときに罪悪感を感じなくなるのです。勉強嫌いでつい他のことをして勉強をないがしろにしている子供も、罪悪感は感じています。
そんな子の遊びは見ていて少し可哀想なところがあります。勉強したくないが故にムキになって遊んでいるように見えるのです。これではせっかくの遊びも全力で楽しめません。反対にまずは宿題という習慣のある子は、勉強後の遊びをとてものびのびとやっている印象があります。これは後ろめたさがないからです。やることやって遊んでいい権利を手に入れたという達成感が遊びをより一層楽しくさせてくれるのです。
【特別編】気が散りやすい子が苦手な暗記対策
ここでは暗記に特化して、気が散りやすい子でも実践できる効果的なや学び方を紹介していきます。いかに勉強している感を感じずに勉強するかというのがポイントです。
①娯楽で暗記力を鍛える
ゲームや漫画は子供の勉強の邪魔をするものではありません。遊びの中で子供たちは勉強のスキルを学んでいくのです。例えばゲーム好きな子ならゲームの中に出てくるワードをちゃんと覚えたり、勝つための作戦をじっくり考えることで勉強に生かせる力を養うことができます。
ゲームの中に登場するワードは英単語や日本の四字熟語・ことわざを基にしたものがとても多いので英語や国語の勉強にもなります。ゲームだけではありません。漫画でもアニメでもスポーツでも、一つのことを深掘りしていくことで能動的に学ぶ姿勢を身につけることができます。
暗記が嫌いな子がなぜサッカー選手の名前はどんどん覚えていけるのか。それは能動的に暗記しているからです。今すぐ学校の勉強を能動的に暗記するのは難しいかもしれません。だったら自分の好きなことを暗記することで暗記力を鍛えていけばいいのです。
能動的に暗記することで知識が増えることに実感を覚えたら、それを学校の勉強に応用していくことはそこまで難しいことではありません。まずは学校の勉強ではなく、自分の好きなことについての暗記から始めていきましょう。
②動き回りながら暗記
前項でも述べましたが、動き回りながらの勉強は特に暗記で力を発揮します。動き回ることで眠気が覚める効果もあります。従来の勉強スタイルに縛られず、動きながら暗記するということを生活の中にとり入れていきましょう。
③場所を変える
場所を変えるというのも非常に効果的です。カフェで勉強する人が多いのは家で勉強するとだれてしまうからです。家には誘惑が多い、だった誘惑がないカフェで集中しようという考え方です。
カフェは周りの目があるため、家のように動き回りにくく緊張感を保つ面でも効果を発揮します。静かな場所よりも多少周りが騒がしい方が集中しやすい人もいます。毎回カフェで勉強するというのは難しいと思いますが、今日は集中しないといけないという日はカフェでの勉強を試してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。スマホという暇つぶしの天才がここまで広まった現代では、集中することは未だかつてないほど難しくなっています。
大人でさえ難しい集中するという行為を具体的な策も示さずにただ漠然と子供に強いるのは流石に限界があります。これでは集中できる子とできない子の差がますます広まっていくばかりです。
少しの工夫で子供の集中力がぐっと深まることは今までの指導経験で確信しています。自分は集中力がないんだと嘆く前に、少し自分のやり方を見直してみてください。 きっとこの記事の中に変わるきっかけが隠されているはずです。ありがとうございました。
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