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【医学部受験】物理対策完全ガイド!|出やすい分野は?物理おすすめ問題集7選も

物理は事象のイメージや計算を苦手とする受験生が多い科目です。どの公式を使えば解けるのか分からない、どこから勉強するのが効率的か教えてほしい……、といった悩みもよくお聞きします。

今回は「医学部受験×物理」をテーマに、そもそも医学部受験は生物選択でなくて良いのか?という話から始め、頻出分野や効率的な勉強法、おすすめの参考書&問題集までまとめました。

最後まで読めば医学部受験に向けた物理対策はバッチリです。早速、今日から実践してみてくださいね。

医学部志望なら「物理&化学」か、「物理&生物」か

医学部は「理科2科目」受験がスタンダードです。科目の組み合わせは「物理&化学」「物理&生物」の2通り。

どちらが有利か?医学部ならやはり、物理より生物か?と迷うこともありますよね。

はじめに医学部受験における科目選択の考え方から見ていきましょう。

科目選択で不利になることはなし!最終的には好みでOK

結論からいうと、「物理&化学」でも「化学&生物」でも、どちらが有利だとか、どちらの方が受けやすいといった差はありません。

最終的には自分の得意不得意や好みで決めてOKです。

物理の知識は、医学部でも頻繁に使います。医療機器の仕組みや効果的な使い方で力学の知識が必要となるのが一例ですね。

一方、医学ですから生物の知識は当然使います。ただ必要な知識だからこそ、多くの医学部では、生物未履修者にむけた補習授業を行っています。

「本当は物理が得意だけど、医学部なら生物が必要かな」と、無理に生物選択にする必要はありません。

ただし一部、物理必須の国公立大学もあります。物理選択なら、こうした大学も受験できるのはメリットといえますね。

【参考:物理必須の国公立大学】

理科科目の指定状況大学名
物理必須、化学or生物から1科目選択の大学北海道大学
物理・化学必須の大学群馬大学/金沢大学/名古屋市立大学/愛媛大学/九州大学/佐賀大学

※ 2022年度入試

「数学が得意」なら物理一択!

もしあなたが「数学が得意」なら、物理一択でしょう。物理では数学的思考や計算を使う場面がとても多いからです。物理と数学は、表裏といっても良いくらい近い関係にあります。

物理では、暗記すべき内容もありますが、多くの時間をかけるのは「事象の意味を理解し、適切に公式を導き、正しく計算していく」部分です。

微分積分の計算も多用するので、数学が得意な受験生の方が負担感少なく勉強できるといえます。

また物理は「典型問題」といわれるオーソドックスな問題が多い科目です。奇抜な発想や、非現実的な設置の問題はほぼ出されません。

そのため、一定の基本知識と公式を取得しさえすれば、あとは計算を中心とした問題演習で得点を安定させやすい科目です。

数学が得意な受験生は物理を選択し、早めに得点源にしてしまいましょう。

暗記と論述に自信があるなら生物選択を

生物は計算よりも暗記が得意、論述も苦にならないという受験生におすすめです。問題文が長いもの、図やグラフを多用したものも多いため、読解力に自信がある受験生にも向いています。

医学部で学ぶのは主に人体についてですが、生物という科目には動植物全般から生態系、環境など広い分野が含まれます。そのため人体以外に広く興味を持っていることも大切。「生物が好き!」という気持ちがある場合は、生物を選択すると良いでしょう。

医学部受験|物理の出題傾向

ここからは物理で医学部を受験する高校生に向けて、解説を進めます。まずは「敵を知る」ことから!医学部物理の出題傾向についてみていきましょう。

重視するのは基礎力!難問・奇問は少ない

「医学部って、めちゃくちゃ難しい問題ばかり出るんでしょ?」と言われがちですが、それは誤解です。確かに一部の大学の、しかも科目によっては、いわゆる「難問・奇問」、地雷問題が出ることもあります。

それでも物理に関しては基本に忠実な問題がほとんど。難しい問題はあれど、やたら複雑だったり、奇抜な発想が要求されたりといった問題は出されません。

これは「現実の事象を理論で解明しようとする学問」である物理学の性質によります。非現実的な問題設定は、そもそもできないのです。

よって医学部物理対策でも、最も重要なのは「基礎力」に他なりません。「なぜそうなるのか?」「なぜそう考えるのか?」と本質を突き詰めて考える姿勢を持って取り組みましょう。

頻出は「力学」「電磁気」

医学部物理では、「力学」「電磁気」の2分野が出題頻度高め。反対に「 波動」「熱」「原子」分野の出題はあまり見られません。

この傾向も、基礎力を重視しスタンダードな問題を課す傾向に通じます。力学は物理学のベース。仕事の計算や運動方程式の立式など、典型問題を出しつつ受験生の基礎力を測るのにピッタリの分野なのです。

また電磁気は難しい問題を作りやすいゆえに、よく出されます。磁場中でコイルを回転させたり、磁場中で導体棒を転がしたりといった具合ですね。得点に差がつきやすい分野が電磁気なのです。

よって医学部受験予定ならば、力学と電磁気を最優先に対策していきましょう。

他の分野もまったく出ないというわけではないので勉強は必要ですが、力学・電磁気を後回しにしてまで優先させる必要はありませんよ。

思考力や数学的発想力も試される

医学部独自の出題ができる私立大学に多いのが、思考力や数学的な発想力を試される問題です。いわゆる「難問・奇問」の類にあたり、時間内に解ききるのは至難。下手に手をつけてはまり込むと、時間切れになってしまうタイプの問題です。

もし難問・奇問が出される大学を受験する場合、必ず得点しなければならないオーソドックスな問題をできるようにした上で、問題を絞って対策していきましょう。もし解けた場合は、周りに大きな差をつけられます。

一発逆転を狙いたい人や物理がトコトン得意だという人は狙ってみてください。

医学部物理|対策方針&勉強法

医学部物理の出題傾向が分かったところで、ここからは具体的な勉強法を解説していきます。ぜひ、今日から取り入れてみてくださいね。

勉強のキホンは「教科書」にあり!

物理こそ、教科書の理解を重視したい科目です。

  • 事象の理解(何が起きているのか)
  • 設問の意図(何が問われているのか)
  • 解法の方針(どう考えれば解けるか)

この3つを自分の頭で考え、理解できるよう目指してください。

やってみると分かりますが、案外と難しいものです。しかしここが本当にほんとうに大切!「事象の本質的な理解」、つまり書かれていること・問われていることを正しく理解することが、物理の一歩目です。

もし自力では難しいようなら、遠慮なく塾や予備校、家庭教師を利用してください。本質の部分は教えてもらってサクッと理解し、問題演習に時間をかけるのが成功の秘訣です。

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いきなり問題集から始めるのはNG!

教科書を読んでもよくわからないからと、いきなり問題集で問題を解き始める受験生がいます。

これ、やってはいけない勉強法です。

教科書で「理解する」段階を経ずに問題に当たっても、分かるはずがありません。分からないとどうなりそうですか?

解説を読みますよね。解説で使われている公式を見て「なるほど、このパターンの問題はこの公式を使うのか」と暗記し、次の問題へ……。

解法の暗記は、まったく同じ問題には対応できるかもしれません。でも少し形式が変わるだけで、対応できなくなるおそれがあります。

問題と公式を暗記するのではなく、

  • そもそもなぜその解法で解けるのか
  • そもそもなぜその公式を使うのか

といった「なぜ」を理解しておくことが、物理の重要ポイント。解法の暗記に走りがちな「いきなり問題集」はやらないでくださいね。

公式は自分で導出できるように

「物理は公式をたくさん覚えないといけない」と思いますか?いいえ、物理は暗記すべき内容はとても少ない科目です。

公式は確かにたくさん登場しますが、重視されるのは公式を覚えていることではなく、どのように使いこなせるかという運用力。公式も、はじめは暗記からでも構いませんが、最終的には事象を見て自分で導き出せるレベルを目指しましょう。

おすすめの勉強法は、公式が登場した際にはじめから終わりまでの式変形を書きながら理解するというもの。一つひとつの過程を手と目で追いながら、何をしているのか/何をやろうとしているのかを理解していくのです。

公式丸暗記ではなく過程を追いながら理解を深めると、実際の物理現象を解説する理論が見えてきます。このレベルに到達できれば、物理は怖いものなし!ぜひチャレンジしてみてください。

基本的な計算力を高める

計算力を高める練習も欠かさないようにしましょう。

物理は、問題によっては数学並みの計算量が必要になります。速く、正確な計算力は時間内に問題を解ききるための必要条件です。

また物理は1つ前の解答を使って次の問題を解く、というパターンも多く見られますよね。1つ間違えたことで、雪崩のようにミスが続く展開を避けるためにも、計算力は必須だといえます。

複数の公式を組み合わせて解く問題など(例、「光の干渉」)複雑な計算は、問題演習の数をこなし慣れておきましょう。

典型問題を確実にマスターしよう

先述したように、物理には「典型問題」が存在します。分野の基本的な理解を深めるのにうってつけの、オーソドックスな問題です。問題集でよく見かける問題が該当します。

典型問題をマスターすることで、分野の基盤となる物理現象がよく理解できるようになります。基本公式の使い方もわかり、問題全体が言わんとしていることがイメージできるようになるでしょう。

典型問題の習得には、教科書で基本を理解した上で良問を繰り返し解くのが近道。次からはおすすめの参考書&問題集を紹介していますので、ぜひ取り組んでみてください。

医学部対策におすすめ!物理参考書&問題集7選

医学部受験におすすめの物理参考書&問題集を、厳選して7種類紹介します。基本レベルからハイレベル演習へとレベル別に並んでいるので、自分に必要な部分をチェックしてくださいね。

『宇宙一わかりやすい高校物理』シリーズ(学研プラス)

物理事象や公式が理解できるよう、平易な解説に徹しているのが『宇宙一わかりやすい高校物理シリーズ』です。「力学・波動」と「電磁気・熱・原子」で2冊に分かれています。

イラストやたとえ話が豊富で、ビジュアルと理屈の両面から解説しているのが特徴。子どもっぽい見た目ですが、物理の本質を押さえた解説には定評があります。教科書より詳しい解説が欲しい!という理系生におすすめの参考書です。

『橋元の 物理をはじめからていねいに』シリーズ(東進ブックス)

橋元の 物理をはじめからていねいに』シリーズは、東進ハイスクール講師である橋元先生が解説する初心者向けの参考書。「力学」「熱・波動・原子」「電磁気」の3冊シリーズなので、苦手分野だけチェックしても良いですね。

物理学習で大切な「事象をイメージできる」力の養成を狙っており、図やグラフが豊富なのが特徴。解説も分かりやすく、物理が苦手な受験生や初学者でも理解できる構成となっています。

『物理のエッセンス』シリーズ(河合出版)

基本レベルの問題演習にピッタリ、理系受験生必携といわれるのが『物理のエッセンス』です。全2冊構成で、「力学・波動」と「熱・電磁気・原子」に分かれています。共通テストや模試レベルの演習におすすめ。

河合塾オリジナルの良問のみが厳選収録されており、解説が詳しいのもポイント。教科書代わりとしても使えます。エッセンスが解ければ、基本はマスター!入試レベルの発展演習へのつなぎとして、ぜひ取り入れてみてください。

『セミナー物理』(第一学習社)

セミナー物理』は教科書傍用問題集として、学校で配布されたという高校生も多いですよね。基本から入試レベルまで網羅した問題量の多さが特徴。大量の問題に当たり、学んだ知識を定着させる、という使い方が良いでしょう。類題も多数収録されているため、先に紹介した『エッセンス』の傍用として使うのもおすすめです。

『良問の風 物理頻出・標準入試問題集』(河合出版)

基本レベルを習得し、入試レベルに挑戦したい受験生におすすめなのが『良問の風』です。基礎から入試レベルまで徐々に難易度が上がっていく構成になっており、無理なくレベルアップが叶います。

入試問題をベースに問題が作られており、中堅大学理系学部なら『エッセンス』+『良問の風』で入試対策は完了!難関大や私大医学部志望生は、次の『名門の森』『重要問題集』まで取り組むと良いでしょう。

『名門の森』シリーズ(河合出版)

『エッセンス』『良問の風』と並び物理問題集のベストセラーなのが『名門の森』です。医学部受験生なら解いておきたいシリーズ。「力学・熱・波動Ⅰ」と「波動ⅡI・電磁気・原子」の2冊構成です。

標準レベルから入試レベルまで、典型問題・王道問題ばかりを掲載。解説も「基本は分かっている」前提で書かれているので、『エッセンス』等を終えたあとに取り組むとピッタリです。問題に合わせてさまざまな切り口からの解説が「物理をより深く理解できる」と評判になっています。

『物理 重要問題集』(数研出版)

問題の量・質ともに圧倒的、これ1冊で難関大入試まで対応可能だと言われるのが『物理 重要問題集』です。基本レベルのA問題と、発展問題のB問題に分かれており、中には東大や東工大といった最難関大学の入試問題も。応用レベルの問題演習に活用してみてください。

収録問題は毎年改訂、常に最新傾向を反映している珍しい問題集でもあります。別冊の『入試直前の最終確認』は要点のチェックにもピッタリです。

まとめ

医学部受験における物理について、傾向と対策、勉強法を中心にまとめてきました。

医学部の問題は難しいというイメージが先行しがちですが、「基本」が最重要なことに変わりはありません。物理は特に、基本をしっかりマスターしていれば医学部の問題でも十分太刀打ちできます。

力学と電磁気を中心に、物理事象のイメージ理解に取り組んでいきましょう。公式は自分で導けるレベルにしておくことも大切です。入試に間に合うように、過去問や実践問題の演習も計画的に取り組んでみてください。

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