中学受験で大切な「教育方針」の考え方・決め方|願書や面接の対応も解説
中学受験の面接では、家庭の教育方針について聞かれる場合があります。
『家庭の教育方針?』
そう疑問に感じた人は、ぜひ記事を最後までご覧ください。教育方針はお子さんを育てるすべての人が考えるべき重要な指針であり、とりわけ中学受験では重視されます。
この記事では中学受験で大切な「教育方針」について多角的に解説します。教育方針の決め方、中学の選び方、またよくある質問もまとめました。
ぜひ、お子さんの様子を思い浮かべながらお読みください。そしてさっそく、教育方針を考え始めていきましょう。
目次
中学受験では「教育方針」が大切
教育方針とは「子どもにどう育ってほしいか」「どのような点を重視して育てるか」を言葉に表したものです。
教科の学習だけでなく、価値観や道徳観、規範意識、生き方の軸など非常に広い意味を含みます。
中学受験を希望するなら、家庭の教育方針をしっかり決めておきましょう。
この場合の教育方針とは「思いやりのある子になってほしい」「ありがとう・ごめんなさいがいえる子になってほしい」といった抽象的、あるいは局所的なものではありません。
お子さんの人格基盤となる、総合的な人間力の育成について考えるべきです。家庭の教育方針は学校選びにも影響を与えるためです。
「中学受験をしよう」と決めたなら、まず家庭の教育方針を明確にする作業から始めましょう。
まずは「家庭の教育方針」を決めよう
「よし、家庭の教育方針を決めよう!」といきなり始めても、何から手を付ければよいか迷ってしまうのではないでしょうか。
家庭の教育方針は、以下で紹介する4つの観点から考えるとスムーズにまとまります。
1つずつ見ていきましょう。
どんな子に育ってほしいか考える
「どんな子に育ってほしいか」は、教育方針の根幹となる要素です。
まずは理想を思いつくだけ出してみましょう。「大人になったときの姿」からスタートし、大学生、高校生、中学生、小学生……とさかのぼりながら考えると方針の一貫性が保ちやすいです。
また思い浮かべるだけではなく、紙に書き出すのもポイント。紙に書くためには言葉にする必要があるため、イメージの具体化に役立ちます。
とくに大切にしたい項目を決める
「どんな子に育ってほしいか」を書き出してみると、ご家庭によってはかなりの量になるはずです。
すべてを叶えるのは非現実的なので、そのなかでも「とくに大切にしたい項目」を選びましょう。
できれば2~3つに絞れると、この後のプロセスがスムーズになります。
もし絞り切れない場合は、要素が似たもの同士を統合できないか考えてみてください。「思いやりのある子」と「人の気持ちが分かる子」は合わせられそうです。「礼儀正しい子」と「挨拶ができる子」も一緒にしても良いでしょう。
この作業を繰り返すと、自然と「家庭が大切にしたい方針」が見えてきます。
そのためにどのように育てるか考える
お子さんの成長にあたって大切にしたい項目が決まったら、それを実現するためにどのように育てるか(親御さんが関わるか)考えましょう。
たとえば「自分で考え、判断できる子になってほしい」が願いなら、毎日先回りしてお子さんに出していた指示を辞めてみるという方法が思いつきます。
「好奇心旺盛な子になってほしい」なら、休日に自然の中や科学館に足を運ぶ回数を増やそうとなるかもしれません。
親御さんの日頃のかかわり方も振り返りながら、育て方を考えてみましょう。
学校や習い事を選ぶ基準を決める
ここまでの作業で、以下の内容がまとまっています。
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一つひとつ言葉にできたら、最後に学校や習い事選びで大切にしたいこと・基準を決めていきましょう。
「得意を活かし、伸び伸び育ってほしい」場合は、自由な雰囲気で子どもの自主性を尊重してくれる先生がいる学校・習い事が良いでしょう。
「苦手なことにも果敢にチャレンジできる子になってほしい」なら、挑戦の機会が多く子どもたちをエンカレッジしてくれる雰囲気の学校・習い事が向いています。
家庭の教育方針を決めたら家庭内で共有する
家庭の教育方針は、お子さんの養育にかかわる人すべてで話しあいましょう。
もしさまざまな事情がありママが1人で考えた場合でも、考えた結果はかならずパパに共有します。
家庭の教育方針は、お子さんの人格形成に大きな影響を与える中高6年間を過ごす学校選びに影響します。
ご両親で納得し、お子さんの未来に希望を持てる内容であるか確認しあいましょう。
「中学の教育方針」をチェックしよう
家庭の教育方針が決まったら、受験予定の中学の教育方針も確認します。家庭の教育方針と合う学校を選ぶためにも、しっかりチェックしてください。
学校の教育方針について、またチェックポイントを解説します。
学校の教育方針とは
私立中学の教育方針は、学校ごとに定められています。
教育で目指す姿、子どもたちへの願い、教職員の関わり方などが簡潔な文章にまとめられています。
学校の教育方針の多くは「教科や学習に関する教育」「人間性や能力に関する教育」の2つに分かれているケースが多いようです。
学校のホームページやパンフレットに掲載されていますので、確認しておきましょう。また学校説明会で校長先生が話すこともあります。
学校の教育方針のチェックポイント
学校の教育方針は、家庭の方針と合致するかどうかを重視してチェックしましょう。
どの中学も独自の方針を打ち出しているため、一文一文よく吟味します。
家庭の教育方針と合わない学校を選ぶとお子さんが何を大切にすればよいか混乱し、楽しい学校生活を送れないおそれがあるため、慎重に進めてください。
また学校がとくに重視している指導項目は、実績からもわかります。
大学進学に力を入れている学校は大学進学実績が豊富で、スポーツやクラブ活動に力を入れていることは各種大会の入賞歴でわかります。
学校見学に行き方針(言っていること)と実際に乖離がないかも確認しましょう。
中学受験の「願書」も教育方針に沿って書くこと
出願時に学校に出す願書も、教育方針を踏まえて書きましょう。
中学の教育方針と、家庭の教育方針が一致する箇所に注目し書き始めるとスムーズに進みます。
- 学校の方針の共感できる部分と共感した理由
- 家庭で大切にしていることと、学校の教育方針との一致点
- 教育方針を踏まえ、こんな子に育ってほしい将来像
- 家庭の教育方針が実を結んだ具体例・エピソード
ただし教育方針は大切ですが、とらわれるあまりお子さんの姿を誇張したり虚偽の内容を書いたりしてはいけません。
あくまでお子さんの姿を素直に綴り、良いところが中学に伝わるよう工夫しましょう。
中学受験必須「面接」も教育方針を踏まえた対策を
中学受験では多くの学校が試験で面接を行います。
面接はお子さんだけに対して実施される場合と、親御さんを交えた親子面接になる場合とがあります。いずれの場合も家庭の教育方針、学校の教育方針をしっかり踏まえた回答ができるよう練習しましょう。
ただ子どもは、親の期待とは異なる行動をしがちです。
教育方針がお題目化し日常生活に浸透していないと、お子さんは実感をともなう言葉として語れません。話に信憑性がなくなり「面接練習で回答を暗記してきましたね」と見抜かれる原因になります。
教育方針を決めたら日常生活の中で実践し、お子さんが心から理解し自分の言葉で語れるようにしておくことが大切です。
中学受験の教育方針に関するQ&A
中学受験の教育方針に関しては、編集部にもさまざまな相談が寄せられます。ここではよくある相談から5つをピックアップし、解説します。
祖父母や友だちにも方針に沿った対応をしてもらった方が良い?
教育方針は一貫した対応が大切なため、祖父母や友達、学校の先生などにも方針に合った対応を期待したくなります。
しかし親御さんがブレていなければ、家庭外での対応までには一貫性を求めなくて大丈夫です。
家庭の外でさまざまな人と会い多様なコミュニケーションを経験するのも、お子さんにとっては宝もの。もしかしたら方針をしらない学校の先生の声掛けで、新しい可能性が開くこともあるかもしれません。
家庭の教育方針に合う中学が見つからなかった場合は?
中学を選ぶ観点はさまざまあります。
もし教育方針に合う中学がなかった場合は、まず方針以外の条件を緩めて探してみましょう。学校のエリアを変える、通学範囲を広げると他の候補校を簡単に見つけられます。
それでも方針に合う中学がない場合は、方針に優先度をつけてみましょう。方針のすべてを完璧に満たす中学がなくても、優先度がもっとも高い要素を満たす中学があれば受験を検討する、といった具合です。
父親と母親で意見が合わない!どうすればいい?
家庭の方針を決めるとき、あるいは方針を踏まえて学校を選ぶときなど、家庭内で意見の対立が起きるシーンは少なくありません。
解決として、以下の3つのアプローチを紹介します。
- 徹底的に話し合い、それぞれが納得できる着地点を探す
- お子さんにより深くかかわっている人の意見を多めに採用する
- 中学受験を経験している人の意見を尊重する
理想は前者です。親御さんが納得できるまで、とことん話しましょう。
それでも結論がでない場合は、お子さんにより深く長くかかわる人の意見を尊重するのも一案です。お子さんを見ている時間が長い人ほど、お子さんに対する理解が深いためです。
ご両親のどちらかだけが中学受験の経験者である場合は、中学受験の経験を活かすことも検討しましょう。
家庭内で方針を一貫させるためには、兄弟姉妹も同じ教育方針で育てるべき?
「どんな子に育ってほしいか」は、お子さんそれぞれの個性によって変わります。兄弟姉妹それぞれの教育方針は異なっていて構いません。
大切なのは、お子さんの個性を伸ばせるように関わることです。教育方針を指針としながら、お子さんが良い面を発揮できるような環境を整えてあげましょう。
教育方針は一度決めたら変えない方が良い?
教育方針は、お子さんの成長にともなって徐々に変わる可能性があります。
小さい頃は人見知りだったお子さんが、ひょんなきっかけで人見知りを克服するのはよくあることです。その場合は、教育方針も「人見知りを克服した」状態にバージョンアップしてあげましょう。
お子さんの個性や長所をよく観察し、つねに伸び伸びと成長していけるような方針を掲げておくことが大切です。
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まとめ
教育方針はまず家庭を基盤として決定します。教育の根幹は子育てであり、子育ては家庭が土台となるためです。
どのような子に育ってほしいか、将来はどうなってほしいかなど、両親でよく話し合い家庭の関わり方を決めましょう。
中学を選ぶ際も、家庭が大切にする価値観に合致する学校を探すようにしてください。方針を無視し、偏差値や評判だけで決めると入学後にお子さんが苦労する可能性があります。
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