英検が高校受験で有利になるのは3級から!優遇措置の内容や勉強法、合格のコツを解説
「英検を持っていると、高校受験で有利になる」と聞いたことがある方も多いかもしれません。しかし、いざ受験しようと考えると、「どのように有利になるのか」「何級を受験すれば良いのか」「高校受験勉強と英検、どちらに力を入れるべきか」など、わからない点が出てくるのではないでしょうか。
この記事では受験と英検について、多方面から詳しく解説します。高校受験で有利になる英検級の目安や英検の出題傾向、合格する対策のポイントも網羅しました。
最後まで読み、有利に高校受験を進められる秘訣を手に入れましょう。
目次
英検®が高校入試で“有利”になるのは3級以上
英検取得が高校入試で“有利”になる、つまり何らかの優遇措置対象となるのは、3級以上を持つ場合です。
高校が英検取得実績をどのように扱うか、また実際の優遇措置の例を解説します。
公立高校での英検の扱い
公立高校入試では、英検取得に対する優遇措置があるケースは多くありません。大阪府や一部自治体で、「英語の点数保障を行う」「出願条件とする」「調査書を総合的に評価する際の参考にする」などの事例が見られます。
公立高校合格には、調査書の評定を上げ、入試当日の学力検査で合格点をとることが近道です。
私立高校での英検の扱い
私立高校の中には、英検取得に優遇措置を設けている学校があります。優遇措置の例は、次のとおりです。
- 取得級に応じて内申点に加点
- 英語の学力試験を免除
- 英語の学力試験を100点に換算
次の項目で具体的な英検優遇措置を紹介します。続きをご覧ください。
「英検取得者優遇」を公表している高校の例
英検の取得級に応じて、優遇措置を実施している高校の一例を紹介します。なお、参考としたデータは「令和4年度」もしくは「令和5年度」の入試要項です。詳しくは高校ホームページで最新情報をご確認ください。
学校名 | 所在地 | 優遇措置詳細 |
---|---|---|
大森学園高校 | 東京都 | 一般入試 英検準2級取得者には50点、英検2級取得者には80点を筆記試験の得点に加算。 ※ 要 合格証書のコピー提出 |
文教大学付属高等学校 | 東京都 | 推薦入試・出願条件 英検準2級以上取得で+2点、英検3級取得で+1点を内申点に加算可能。 |
相模女子大学高等部 | 神奈川県 | 一般入試 すべての入試日程 英検2級以上で+3点、英検準2級以上で+2点、英検3級以上で+1点を9教科の成績に加算。 |
日出学園高等学校 | 千葉県 | 一般入試 英検準2級以上取得で+5点、入試総合点に加算。 |
あべの翔学高等学校 | 大阪府 | 1次入試 英検3級以上取得の専願受験者は入学金免除。 準2級以上30点、3級20点、4級10点を入試結果総合点に加算。 |
大阪産業大学附属高校 | 大阪府 | グローバルコース(専願・併願) 英検取得級に応じて、点数を保障。2級以上は90点、準2級は80点、3級は70点(各100点満点)。 |
神戸龍谷高等学校 | 兵庫県 | 全コース 英検取得級に応じて、入試結果に得点加算。2級以上は30点、準2級は20点、3級は10点。 |
英検®の概要と難易度
英検は、国内最大規模の英語資格試験です。2021年度の受験者数は400万人を超えており、小学生以下のお子さんからシニアまで、幅広い年代の方がチャレンジしています。
英検の概要と難易度を、あらためて確認しておきましょう。
試験日程
英検の試験は、1年間に3回行われます。初夏・秋・冬と覚えましょう。実際の試験日程は年度によって異なりますが、およその目安を表にまとめました。
詳しくは英検の公式サイトをご確認ください。
一次試験 | 一次試験合否発表 | 二次試験 | 二次試験合否発表 | |
---|---|---|---|---|
第1回 | 5月末~6月上旬 | 6月中旬 | 6月末~7月上旬 | 7月中旬~下旬 |
第2回 | 10月上旬 | 10月下旬 | 11月上旬 | 11月下旬~12月上旬 |
第3回 | 1月中旬 | 2月上旬 | 2月下旬~3月上旬 | 2月下旬~3月上旬 |
個人で受験を申し込んだ場合は、全国同一の試験日に受験します。学校や塾など団体で申し込んだ場合の試験日程は、会場ごとに決まります。
また英検は1年間に何度チャレンジしても構いません。
難易度
英検は5級から1級まで、全7段階に分かれています。5級は初めて英検を受ける方向けの中学初級レベル、1級はプロの通訳になれる大学上級レベルです。
高校受験で評価の対象となりやすい3級と準2級の難易度を、詳しく見てみましょう。
3級
3級では「中学卒業程度」の英語力が求められます。合格に必要な単語数は1,300~2,100語といわれており、中学生が教科書で習う単語数(1,200~2,000語)とほぼ同数です。
3級は、筆記試験に英作文が含まれます。身近なテーマに関する文章を、25~35程度で書く力が求められます。
また3級からは、二次試験に面接(スピーキングテスト)が加わるため、英語で基本的な応対ができる力も必要です。二次試験は一次試験合格者に対してのみ、実施されます。
準2級
準2級は「高校中級」レベルです。中学生のうちに合格するためには、準2級に向けた対策を十分に行う必要があります。文部科学省は英検準2級を「高校卒業段階の英語力達成目標」と掲げており、中学生が合格できれば大きな自信となるでしょう。
準2級からは、より実戦的な英語力を問う問題が出されます。中学の教科書では扱わないような単語も増えるため、準2級対策の単語帳や問題集を用意してください。
またリスニングの音声が流れるのは、1回だけです。情報を正確にスピーディーに聞き取れるよう、日頃から英語に耳を慣らす練習を意識しましょう。
出題内容
英検の出題内容は級によって異なりますが、主に次のとおりです。
- 短文の語句空所補充
- 会話文の文空所補充
- 長文の語句空所補充
- 長文の内容一致選択
- 英作文
英作文以外は選択式(マークシート形式)です。「空所補充」とは、文章中の空欄に当てはまる語句や文章を選択する問題、「内容一致」とは本文と合う内容を説明した文章を選ぶ形式の問題です。
3級は筆記試験50分とリスニング試験25分、合計75分です。準2級は筆記が75分とリスニング試験が25分の合計90分です。限られた時間で相当量の英文を読む必要があるため、速読の力が欠かせません。
英検と高校受験の英語の違い
英検と高校入試・学校の定期テストの勉強に共通点はあるのでしょうか?出題傾向やレベルから、英検と高校入試英語の違いを解説します。
レベル
英検3級は「中学卒業程度」、準2級は「高校中級程度」が受験目安とされています。目安からレベルを考えると3級がおよそ入試レベル相当、準2級はやや難しいといえます。
ただし高校入試の問題は都道府県や学校によって、レベルに開きがあります。たとえば大阪府立高校で出される英語のC問題は、府内トップレベルの高校に合格する生徒でも平均60点ほどしか取れず、「大阪府の英語C問題は英検準2級より難しい」と言われるほどです。
また難易度は解く人の習熟度や得意不得意によっても異なります。英検と高校入試の過去問を解き比べ、自分にとっての難易度を体感してみてください。
出題形式
英検と高校入試の英語問題は、出題形式が大きく違います。
英検は英作文を除き、すべてマークシート形式です。答案に英単語を書く必要がないため、極論、正しいスペルで英語が書けなくても合格する場合もあります。
高校入試英語は、ほとんどの都道府県で記述式で出されます。一つひとつの単語を正しく綴れる力が必要です。
出題内容
英検でも高校入試でも、出題されるテーマは似ています。学校や趣味、旅行、買い物、スポーツ、などの生徒にとって身近なテーマがメインです。
また1題か2題、文化や自然科学など、アカデミックな内容が扱われる場合もあります。
英検準2級になると、実用的な場面設定の問題も出てきますが、出題内容としてはほぼ同じだと考えて問題ありません。
単語数
合格に必要とされる単語数にも、ほぼ差がありません。英検も高校入試も1,200~2,000語の英単語力が必要です。
準2級では大学入試共通テストに近いレベルの単語が出る場合もあります。英検対策専用の単語帳を用意し、対策しましょう。
英検に合格するための勉強法
英検は3級、準2級ともに「ライティング」「リスニング」「スピーキング」の3ジャンルにわけて出題されます。それぞれの勉強方法を解説します。
ライティング対策
ライティング対策の基本となるのは、次の4つです。
- 語彙力
- 文法力
- 読解力
- 英作文力
語彙力は3級なら1,200~2,100語、準2級なら2,600~3,600語の習得を目指しましょう。英検でよく出る単語表現を網羅した単語帳を活用すると、全体を効率よく網羅できます。
文法は、一つひとつの事項について「なぜそうなるのか」を理解します。パターンや形で暗記するのではなく、自分で説明できるレベルを目指してください。
単語力と文法力が身につくと、読解スピードは自然に高まります。まずは焦らず、文章の構造を丁寧に拾いながら読む「精読」を練習します。慣れてきたら直読直解スタイルの「速読」に移行するように段階を踏むと、無理なくレベルアップできます。
英作文のコツは、「難しい言い回しを使おうとしない」です。知っている単語や表現を正しく使い、シンプルにまとめる練習を繰り返しましょう。書いたものは英語科や塾の先生に添削してもらいます。
リスニング対策
リスニングは、単語帳や英検公式サイトなどにある音源を利用し、隙間時間に取り組みましょう。練習の際は、集中して一度で内容を把握できるよう意識します。3級のパート1、準2級ではすべてのリスニング問題が1度しか読まれないからです。
また5文型を意識して聞くと、要点をつかみやすくなります。S(主語)、V(動詞)O(目的語)はとくに重要な情報が入るため、聞き逃さないようにしましょう。
スピーキング(二次試験)対策
スピーキング試験は、一次試験合格発表の1~2週間後にあります。合格を確認してから対策を始めても間に合わない可能性があるため、一次試験が終わったら練習を開始しましょう。
スピーキングテストでは、文章の音読や基本的な応答力・表現力が問われます。試験形式は面接官と1対1です。英語科や塾の先生に面接官役を依頼し、自信を持って答えられるまで練習しましょう。
スピーキングも英作文同様、知っている単語や表現を「正しく」使えることが評価されます。難しい語彙や言い回しを使おうとせず、シンプルな表現を心がけましょう。英文の音読も課されるため、初見の文章を音読する練習も有効です。
英検対策と高校受験対策を両立させるコツ5つ
英検も高校入試の英語対策も、「英語の学習」という点では共通しています。ただ出題形式や傾向が異なるため、最終的にはそれぞれの試験に合わせた対策が必要です。
中学生が英検対策と高校受験対策を両立させるコツを5つ、解説します。
1. 単語は早めに1200語を網羅する
英単語は、できるだけ早い段階で1,200語を習得しましょう。1,200語は、中学校3年間に教科書で習う英単語数です。高校入試に必須なことはもちろん、英検3級に合格するために最低限必要な数です。
準2級合格には2,000語以上が必要だと言われます。準2級合格を目指す場合は、さらにペースアップして単語学習を進めてください。
2. 文法は基本を確実に理解する
空所補充形式の文法問題は、英検でも高校入試でも出題されます。中学で習う文法を中心に、基本を丁寧に理解しましょう。
「不定詞と動名詞の使い分け」「関係代名詞」「比較」などは頻出問題のため、納得できるまで対策します。また「SV/SVC/SVO/SVOO/SVOC」の5文型は、文章構造を理解する土台です。長文読解や高校入学後にも活かせる知識のため、しっかり理解しましょう。
3. 長文は「直読直解」を意識した練習をする
英検でも高校入試でも、1題あたり500~700語の長文が出されます。時間内に全体を読み、内容を把握した上で問題を解くためには、「直読直解」スキルが欠かせません。
直読直解とは、英文を頭から戻らずに理解する読み方です。読みながら文章構造と意味を理解する手法で、速読の基本ともいわれます。
まずは文章の構造を把握してから和訳し、内容を理解する「精読」のトレーニングをしましょう。次に簡単な文章から、前に戻らずに読み進める練習をします。練習する題材は中学1年生の教科書から、徐々にレベルアップするのがおすすめです。
4. 隙間時間にリスニング対策をする
リスニングは「英語の音に慣れる」「聞き取って内容を把握する」という2段階に分けた練習をすると、英検も高校入試も網羅できます。
英語の音に慣れていない場合は、平易な文章を繰り返し聞き、耳を英語に慣らすことからはじめましょう。英語の絵本をネイティブが音読した教材や、教科書ガイドの音源などがおすすめです。
音の連続性やイントネーションに耳が慣れてきたら、主語・動詞・目的語を意識しつつ内容を把握する練習をします。「今、何について話しているのか」を意識しながら聞く姿勢が大切です。
5. できれば中3秋までに取得する
英検は、遅くとも中3の年の第二回試験までに目標級取得を目指しましょう。中3の第二回試験が、高校入試に活かせる最後のチャンスです。高校に提出する調査書には2学期末までの成績が記載される場合が多く、中3の第三回受験では間に合わないためです。
また中3の第3回は、高校入試の時期とかさなります。この時期は高校入試に専念するためにも、できるだけ早めに取得できる計画を立ててみてください。
英検対策も高校受験対策も「オンライン家庭教師」がおすすめ
中学生の英検受験対策も高校受験対策も、「オンライン家庭教師」の利用がおすすめです。オンライン家庭教師の概要やメリット、向いているタイプを解説します。
オンライン家庭教師とは
オンライン家庭教師とは、パソコンやタブレットなどを介し、オンラインで授業をする教育サービスです。機材とインターネット回線の準備は必要ですが、それさえあれば場所を問わず受講できます。
受講時間や指導内容の融通も利くため、時期に合わせて英検対策と高校受験対策の切り替えも可能です。
オンライン家庭教師のメリット
英検や高校受験対策にオンライン家庭教師を利用すると、次のメリットが得られます。
- マンツーマン指導をお手頃価格で受講できる
- 自分に合う先生から指導が受けられる
- 限られた時間を有効活用できる
オンライン家庭教師は1対1で指導します。学習計画や指導のペースなどがお子さんに合わせられるマンツーマン指導を、対面指導の塾よりお手頃な価格で受講できます。
またお子さんと講師がどこに住んでいても授業が成立するため、お子さんの個性や性格、趣味に合う講師を全国から探してご紹介できます。
塾のように校舎に通う必要がない点もメリットです。通塾時間も勉強に活用でき、部活や学校で忙しい中学生の生活を最大限に効率化できます。
オンライン家庭教師が向いている人
オンライン家庭教師は「自分のペースで勉強したい」「近くに良い塾がない・良い講師がいない」お子さんに向いています。
とくに「性格が合う先生から教えてほしい」「話しやすい先生に見てもらいたい」というお子さんは、オンライン家庭教師ピースをお試しください。ピースはどのオンライン家庭教師会社より、お子さんと講師の相性を重視したマッチングを行います。
全国にいる3,000人以上の講師から、お子さんにピッタリの一人をご紹介します。まずはお子さんの目標や現状をお聞かせください。体験授業も随時受け付けています。
まとめ
英検は3級以上を取得すると、高校入試で優遇措置を受けられる場合があります。優遇の主な実施方法は、「内申点に加点」「当日の試験結果に加点」「英語試験の得点保障」などです。また一部の高校・入試日程では、英検取得が出願条件となっている場合もあるので、入試要項をよくチェックしてください。
英検はTOEICやTEAPと並び、大学入試でも「外部試験」として活用されています。高校入学以降を見据えても、取得するのに越したことはありません。英検の試験日程と学校の定期テストの日程、部活の予定などを見比べ、最適なタイミングでチャレンジしてみましょう。
英検対策は、学校の勉強の空き時間を活かし両立することが大切です。限られた時間を活用できるオンライン家庭教師も、ぜひ体験してみてください。