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中国史が苦手な大学受験生へ!覚え方や暗記のポイント、おすすめ問題集も紹介!

中国史は、世界史の中でも頻出の分野です。共通テストの前身であるセンター試験では、およそ3割が中国史関連の問題で占められていました。日本とも関りの深い中国史は、これからも必出!避けては通れない分野です。

しかし「ヨーロッパ史はいいけど、中国史はちょっと……」と苦手意識を持つ受験生も少なくありません。

今回は「中国史がどうしてもキライです」という大学受験生・高校生に向けて、克服の第一歩である覚え方を解説!まずここだけは押さえたい最重要事項もまとめました。

ぜひ最後まで読み、「中国史、ちょっとできるかも!」という自分を目指しましょう!

中国史が覚えられない原因


「中国史が苦手!」という高校生には、共通の傾向があります。中国史が嫌われやすい原因を、大きく3つにまとめました。
自分にも当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。

漢字ばかりで区別がつかない!

中国史が苦手な理由、まず1つ目は「漢字が多い!」「漢字ばかりで区別がつかない!」というものです。

漢字はもともと中国に由来するものですから当然といえば当然なのですが……。中国史、特に古代史で登場する漢字は、私たちが普段馴染んでいる日本語の漢字には無いものや、画数の多い漢字も多いものが多いことを苦手の理由にする受験生も大勢います。

王安石、王維、王羲之、王重陽……、王さんや劉さん、李さんなど、同じ姓の人物が多いのも、区別しにくいと不人気のようです。

★ 上記それぞれの人物が誰か?は、以下をチェック!

  • 王安石:北宋時代の政治家・文学者。神宗のもとで新法を実施、政治改革を行う。唐宋八大家の一人。
  • 王維:唐時代の自然詩人。安史の乱でとらわれる。
  • 王羲之:東晋時代の能書家。曲水の宴が有名。
  • 王重陽:金代の道士。新道教の一派である「全真教」を創立した。

王朝がコロコロ変わりすぎ!

中国は王朝の交代が激しい国です。また国土が広大なために、いくつもの王朝が同時期に成立していたり、領土争いが起きたりと、常にどこかで何かが起きています。この「王朝の多さ」も、中国史が嫌われやすい原因です。

そもそも、高校の勉強で「中国史」とカテゴリ分けされている地域は、非常に多くの民族が暮らす地域なわけですから、「中国」とくくってしまうのに無理があるわけですよね……。

中国史を、「系統だった一つの歴史」とイメージし勉強を始めてしまうと、王朝同士の外交関係や地域比較といった中国史特有の内容が煩雑に思われてしまうでしょう。中国史は「中国という王朝の歴史」ではなく、ヨーロッパ史のように国がいくつもある「地域史」としてとらえると勉強しやすくなるかもしれません。

文化史が多すぎ!

文化史はそもそも、どの地域の歴史を扱っていても苦手とされやすい分野ですが、特に中国史では扱う内容のボリュームが多いと、拒否反応を示す受験生もいます。

思想は、時代内容を踏まえて特徴を押さえないといけない。書物の名前も覚えないといけない(しかも『大学』『春秋』『天工開物』など、“書物っぽくない”名前も多い!)、政治利用されることも多いので、文化史だけを力技で暗記することもできない……、そんな点が、文化史が苦手とされやすい原因ですよね。

★ 上に出てきた書物について、サラッと解説しておきます!

  • 『大学』:儒教の経書の一つ。南宋以降、『中庸』『論語』『孟子』と合わせて四書とされた。
  • 『春秋』:春秋時代(東周前半)の歴史を記した、編年体の歴史書。
  • 『天工開物』:明末ごろ、宋応星が著した産業技術書。

まず王朝名を「歌」で覚えよう


中国史の暗記は、「王朝名」をしっかり押さえることから始まります。時代ごとの主要な王朝を、順番に覚えておきましょう。

中国王朝名は、歌のリズムに乗せて覚えるのがおすすめ!誰でも知っている『うさぎとカメ』、『アルプス一万尺』に合わせた覚え方を紹介します。

♪ うさぎとカメ 編

「うさぎとカメ」に合わせて覚える方法は次の通り!

♪ もしもしかめよ、かめさんよ 殷、周、秦、漢、三国、晋
♪ せかいのうちに おまえほど 南北朝、隋、唐、五大
♪ あゆみののろい ものはない 宋、元、明、清、中華民国
♪ どうしてそんなにのろいのか 中華人民共和国

♪ 南北朝、隋、唐、五大~、のパートはコツが必要かもしれませんね。
「なんぼくちょ~ぉ、ずいと(う)ごだい~」とリズムを工夫してみてください。

★オマケ★

「♪ うさぎとカメ」で暗記できるものは、「♪ 水戸黄門」のテーマソングや「♪ どんぐりころころ」でも覚えられるんですよ!

水戸黄門のオープニング(知っていますか?)とは、有名な「♪ 人生 楽ありゃ苦もあるさ」で始まる歌です。ぜひやってみてくださいね!

♪ アルプス一万尺 編

「アルプス一万尺」の方が、「うさぎとカメ」より詳しく覚えられます。

♪ アルプス一万尺 殷、周、東周、春秋戦国
♪ こやりのうえで 秦、前漢、新、後漢
♪ アルペン踊りを 魏、蜀、呉、西晋、東晋
♪ さあ踊りましょ 宋、斉、梁、陳、隋
♪ らんららんらん 五胡十六、北魏、東魏
♪ らんらんらんらん 西魏、北斉、北周
♪ らんららんらん 隋、唐、五代十国
♪ らんらんらんらんらん 宋、金、南宋、元、明、清

清朝以降の中華民国、中華人民共和国は入っていませんが、ここは大丈夫ですよね。

中国史が本当に覚えられないという高校生は、まず「うさぎとカメ」でおおまかに押さえ、歴史の流れが頭に入ったところで「アルプス一万尺」に移るのもおすすめです。

建国者・首都も覚えていこう


中国の王朝名と順番、全体の流れが覚えられたら、さらに知識を紐づけていきましょう。王朝名と最も関わりがある、「建国者/首都」を押さえます。

★ 豆知識:建国者と首都を覚えるコツ!

始皇帝以降の建国者は、ほぼ全員「肖像画」が資料集に載っていますから、顔と人物名を紐づける意識で覚えていきます。
中国史の著名人は映画やドラマ、ゲームキャラクターになっていることも多いので、そちらと関連付けてもOK!(ただしテストに出るのは資料集の肖像画ということはお忘れなく)。

首都は、はじめに地図で場所をインプットしましょう。咸陽と長安、建業と南京、西都と杭州と臨安といったように、「場所は同じなのに名前が違う」というケースがかなり多いからです。
はじめに首都の地理的位置を覚え、時代ごとの名前をつなげるという手順が効率的でしょう。

初級編として、「うさぎとカメ」で登場した王朝についてまとめました。

王朝名(年代) 建国者 首都
湯王 大邑商
武王 鎬京・楽邑
始皇帝 咸陽
漢(前漢) 高祖(劉邦) 長安
漢(後漢) 光武帝(劉秀) 洛陽
魏(三国時代) 曹操・曹丕 洛陽
呉(三国時代) 劉備 建業
蜀(三国時代) 孫権 成都
西晋 武帝(司馬炎) 洛陽
北魏(南北朝) 拓跋珪 洛陽
楊堅 大興
李淵 長安
五大 朱全忠 ほか ?州 ほか
北宋 趙匡胤 開封
南宋 趙構 臨安
フビライ 大都
朱元璋 金陵→北京
ヌルハチ 北京
中華民国 孫文 南京
中華人民共和国 毛沢東 北京

※ 建国者、もしくは最も建国の功績者を掲載しています。
※ 首都は建国時の場所を示しました。

それぞれの王朝の「特徴」を1つずつ押さえていこう


王朝名と建国者、首都という基本知識が揃ったところで、周辺知識の暗記に移ります。歴史で必ず押さえるべき視点は「政治史・経済史・外交史」ですね。まずこの3つの面から、王朝の特徴を押さえていきましょう。

すべてを一気に覚えるのは大変だ、という場合は覚えやすいところからでOKです!

王朝名(年代) 政治面の特徴 経済面の特徴 外交・文化
邑制国家の連合体
祭政一致の神権政治
青銅器の使用 甲骨文字
邑制国家の再編
血縁を重視した政治
大土地所有制度
鉄製農具の出現
金属貨幣の出現
『書経』
『詩経』
全国統一
中央集権専制君主政治のはじまり
郡県制採用
度量衡・文字・貨幣の統一 匈奴を討つ
万里の長城修復
焚書令
坑儒事件
漢(前漢) 郡国制の実施
中央集権体制確立
郡県制復活
塩鉄の専売
均輸法
平準法
張騫、大月氏へ
儒教重視
東西交通路開かれる
司馬遷『史記』
漢(後漢) 豪族連合政権
党錮の禁
黄巾の乱
製紙法実用化 倭奴国王に金印を授ける
班超、西域都護
甘英、大秦国に出発
安敦(マルクス=アウレリウス=アントニヌス)の使者が来訪
三国時代 赤壁の戦い
屯田制(魏)
九品中正制(魏)
大土地所有の拡大(呉) 諸葛亮『出師表』
曹丕『典論』
西晋 屯田・課田法
門閥貴族性の形成
混乱期 陳寿『三国志』
北魏(南北朝) 太武帝、華北統一
漢化政策
六鎮の乱
均田制 雲崗石窟
インド仏教の影響
律令制による統一国家の基礎
科挙制
府兵制
大運河建設
租庸調制
高句麗遠征失敗
貞観の治(太宗)、内政安定
三省六部
開元の治(玄宗)、最盛期
黄巣の乱
均田制・府兵制・租庸調性による均衡 玄奘、インド旅行
西域都護
タラス河畔の戦い、アッバース朝に破れる
五大 武人の時代
小王朝の興亡
混乱期
北宋・南宋 君主独裁官僚制国家の成立
文治主義
王安石の改革
靖康の変
貨幣経済の発達、次第に紙幣へ
均輸法
市易法
人口増加
遼と?淵の盟
西夏と慶暦の和約
金と宋金和訳
朱子学大成
モンゴル民族による統一国家
騎馬軍団
科挙の実施
大運河改修
貨幣文化の浸透
日本侵攻(文永の役、弘安の役)、失敗
マルコ=ポーロ来朝
パスパ文字公布
漢民族国家再編
帝権強化
宦官重用
里甲制
『魚鱗図冊』による租税徴収
対外積極策
豊臣秀吉の朝鮮侵攻に援軍
鄭和の南海遠征
女真族(満州族)による王朝
明の諸制度を踏襲
軍機処の開始
漢民族への懐柔策と威圧策併用
地丁銀制 ロシアとネルチンスク条約
辮髪
キリスト教禁止
景徳鎮の隆盛
中華民国 辛亥革命
第一次世界大戦
軍閥抗争
蒋介石のクーデター
第二次世界大戦
第一次国共合作 日本から「二十一か条の要求」
魯迅『狂人日記』

※ 中華人民共和国以降は現代につながる重要事項が多過ぎるため、割愛します。

基本~標準レベルのおすすめ問題集・参考書4選


ここまでで、中国史の王朝名(首都・建国者)、また各時代の重要事項が政治面・経済面・外交&文化面でつかめたことになります。

一通りの知識が押さえられたら、覚えた内容のアウトプットも進めていきましょう。共通テストに向けた対策としておすすめの、基本~標準レベル問題集を4冊紹介します!

『山川一問一答世界史 第3版』(山川出版社)

大学受験の世界史といえば!「山川」をおいては語れませんね。受験必携、教科書も出している山川出版社の問題集として、『山川一問一答世界史』を紹介します。

タイトルの通り、一問一答構成になっているので、基本の確認にピッタリ。教科書準拠のため、極端に難しい知識やマニアックな内容は含みません。共通テスト対策には十分でしょう。3段階に分けられた重要度が、自分のレベルに合わせた勉強にも使いやすいと評判です。

難関私大の世界史には、物足りなさを感じる人もいるかもしれません。その場合は『世界史B一問一答【完全版】』 (東進ブックス)などを使ってみてください。

『これならわかる!ナビゲーター世界史B』(山川出版社)

共通テストは資料や問題文をよく読み、時代背景や周辺知識とつなぎ合わせて考えないと解けない問題が増えました。これまでの丸暗記から脱却したい受験生におすすめなのが『これならわかる!ナビゲーター世界史B』シリーズです。中国史は第2巻「アジア史古代〜18世紀の徹底理解」に収録されています。

『これならわかる!ナビゲーター世界史B』は、出来事の因果関係や後世への影響などをストーリーとして解説する参考書。事実だけを淡々と書く教科書・資料集に、関連情報を肉付けしていくイメージで使うのがおすすめです。

世界史知識が細かく体系化できるので、共通テスト以外にも国公立大学の論述世界史や難関私大世界史対策にも活用できますよ。

『青木裕司 世界史B講義の実況中継』(語学春秋社)

「講義形式の参考書が好き!」という高校生には、『青木裕司 世界史B講義の実況中継』がおすすめ。全4冊構成で、中国史は第1巻・第2巻でほぼ網羅できます(第2巻で清まで収録)。

何より講義のCDがついている点がポイント!重要事項が60分のCDに入っており、通学中のながら学習や復習にも利用できます。また細かな知識も網羅しているので、難関私大対策にも活用OK!

用語を覚えるというよりも、歴史の流れや順番を押さえる、通史をしっかり理解するという視点で活用してみてください。

『共通テスト総合問題集 世界史B』(河合出版)

「黒本」としてお馴染みの、河合塾の共通テスト用問題集です。全統模試の過去問や予想問題が入っているので、実戦レベルの問題演習としておすすめできます。

河合塾の問題集は、解説がとにかく充実しているのが嬉しいポイント!「解説だけ読めば、分からないことも全部解決できる」と言っていた先輩もたくさんいましたよ。共通テスト対策には、共通テスト仕様の問題を解くのが一番の近道!「黒本」で実戦力を付けていきましょう。
全統模試前の力試しにもぴったりです。

まとめ

大学受験で苦手とされやすい「中国史」について、覚え方や押さえるべきポイントをまとめてきました。

中国史は漢字の多さや難しさ、乱立しすぎる王朝などがネックになりますが、一方で基本の流れを押さえることができれば、一気に理解が進む分野でもあります。コツはとにかく、王朝と主要な出来事、周辺との関連性を覚えてしまうこと!紹介した表も参考に、大きな中国を、文字通り大きく俯瞰してみましょう。

余裕が出てきたら、同時代の他国、特にヨーロッパ・日本との比較を見てみるのもおすすめです。とりわけ近現代史は比較のオンパレードですから、しっかり対策していきましょうね!

中国史マスターになれることを応援しています。加油吧!

オンライン家庭教師ピースでは、小中高の全学年・全科目を対象に、お子さま一人ひとりに合わせた教師をマッチングし、お悩みに沿ったオーダーメイドカリキュラムで授業を提供しています。本番の授業が体験できる無料体験受付中!お気軽にお問い合わせください。

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